旧軍戦闘機の塗装 ハゲチョロ迷彩

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Bunzo @Kominebunzo

模型の完成写真を見ると淵田隊長機がハゲチョロで仕上げられていることが多いけれども、真珠湾攻撃隊の迷彩塗粧は攻撃直前に塗られ、塗ってから出撃まで飛行していないので簡単に剥げたりはしない。そもそも母艦機は本当に短時間で航空廠に還納されてしまうで印度洋頃の淵田機のようになる機は少ない。

2015-01-18 11:12:04
Bunzo @Kominebunzo

第一線に出る場合、基地航空隊の戦闘機であっても飛行時間が150時間に達していたら前線進出前に交換の対象になる。そして前線での消耗は極めて激しいので排出管が焼けて変色したり錆びたりはしない。黒いエナメル焼付も残ったまま消耗してゆく。 外面の塗料も多くの場合、褪色する程の時間はない。

2015-01-18 11:16:43
Bunzo @Kominebunzo

例えば映画「雷撃隊出動」には比島決戦前に補充された653空の零戦隊が映っている。どれもピカピカだ。これが出撃前の状態。 この綺麗な機体がどれだけ早く消耗してしまったかはご存知の通り。 そんなことは百も承知だと思うけれども、模型の褪色表現は、演出の一手法として考えた方が良い。

2015-01-18 11:19:32
Bunzo @Kominebunzo

真珠湾攻撃隊の迷彩が各艦まちまちな理由は識別よりも塗料の不足。開戦にあたり対米戦用の緑色迷彩が各隊で実施される中で迷彩塗料が枯渇する。これは陸軍も同様で、陸軍は塗料不足の結果、隼や飛燕に観られるジュラルミン地にマダラの迷彩を実施するようになる。あれは効果よりも節約の結果。

2015-01-18 11:55:18
Bunzo @Kominebunzo

二式複戦が灰緑色の上にわざわざ斑点迷彩を施しているのも同じ理由で、もともとパテ磨きの上に塗装仕上げされている工場完成機に部隊で迷彩を施しているため。本来なら上面緑、下面灰緑色(といってもただのグレー)で塗らるはずのものが塗料節約で斑点になっている。

2015-01-18 11:58:48
Bunzo @Kominebunzo

加藤隼戦闘隊、64戦隊の隼に茶色と緑色の迷彩があるのも同じ理由で、航空本部は南方戦用には緑色一色の迷彩を指定して、その効果の報告に満足している。けれど現地では全部を緑色で塗れない。そこで大陸用の迷彩色を混ぜることになる。真珠湾攻撃隊の迷彩に茶色が混じるのも同じような事情。

2015-01-18 12:01:28
Bunzo @Kominebunzo

「現地で塗料を適当に混ぜて塗った」という回想があると何となくリアルに思えて信じてしまう。けれども本当にそれが出来たかどうかは結構疑問がある。なぜなら不足がちな塗料は部隊間で貸し借りがあり、借りた塗料を「返せ」と催促する電文が残っているから。返すものであれば簡単には混ぜられない。

2015-01-18 18:24:52
Bunzo @Kominebunzo

防眩塗粧(反射よけ)に使う塗料は2色ある。それは黒と茶色。黒は操縦席内部の胴体上面や風防枠の裏側などに塗る。では茶色は何処に塗られるのか、といえばプロペラブレードの裏側に塗ってある。 けれど風防内の胴体上面は機体内部色に塗りたくなるし、プロペラ裏面も黒く塗りたくなるのが人情だ。

2015-01-18 18:30:59
Bunzo @Kominebunzo

マダラ迷彩は塗料不足の結果であることは陸軍航空技術研究所関連の史料で確認できるのだけれども、塗料不足なら大陸用迷彩色でマダラというのもあるのでは、と思うと、どうもある。マダラに緑色と茶色の二色使った例がある。

2015-01-18 18:33:20
Bunzo @Kominebunzo

初期の隼に二色迷彩があるのに後期の迷彩は緑色になるのはどうしてかといえば、本来、南方迷彩が緑色単色迷彩であるだけでなく、実際に使用した結果、緑色単色迷彩の方が評判が良かったため。なんとなく英軍に似ている二色迷彩が良さそうな気がするけれど洋上の効果を見ているらしい。

2015-01-18 18:46:54
Bunzo @Kominebunzo

陸軍機の制式(兵器としての規格のこと)を定める構造要領には機体を「灰緑色」で塗装されると書かれた機種が幾つもある。でもこの色は見た目に緑味を感じるような色ではなくただのグレー。色度計で緑成分がこれだけ、と規定されているので「灰緑色」なのか、或は外国由来の色名なのかもしれない。

2015-01-20 07:43:38
Bunzo @Kominebunzo

プラモ用塗料、往年のレベルカラー56番で登場した陸軍機用の明灰白色はちょっと緑がかった上品な灰緑色で、昔の飛行機に相応しい素敵な色だから模型に塗ると気持ちが良い。なのでたとえ存在しない色でも廃れない。海軍機にまで塗りたくなってしまう。塗りたい為に無理やり根拠を探したりする。

2015-01-20 07:48:35
Bunzo @Kominebunzo

見た目で気持ちのいい色、しっくりくる色はたとえフィクションでも受け容れられる。少し青味がかって見えるグレーに塗った九七戦よりも「灰緑色」らしいグレーに塗った九七戦の方がそれらしく感じてしまう。それは「今まで見て来た模型がそうだったから」で実機とは関係が無いけれど、それまたヨシ。

2015-01-20 07:55:11
Bunzo @Kominebunzo

戦前の子供向ペーパーモデルの重爆。色的にはけっこういい線だと思う。今の模型の水準と果たしてどれだけ違うのかというと、まあ、同じくらいかな。それはさておき、これを綺麗に組み立てるのはプラモより難しそうなので困る。 pic.twitter.com/Zpb3Tayugw

2015-01-20 08:07:54
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