茂木健一郎(@kenichiromogi)さんの連続ツイート第1409回「イデオロギーよりも・生命の方が深い」
脳科学者・茂木健一郎さんの1月21日の連続ツイート。
本日は、きのうからけさにかけて考えていたこと。
- toshi3636_1
- 3656
- 0
- 0
- 15
茂木健一郎
@kenichiromogi
こうあるべきだという価値観や、世界はこうであるという認識におけるイデオロギーは、まちがいなく私たちの生命の分泌物であろう。その意味では、思想は、ほんとうは生命に資するものであるはずだ。ところが、時において、思想は暴走し、勝手な運動を始め、むしろ、生命を脅かすに至る。
2015-01-21 07:34:43
茂木健一郎
@kenichiromogi
生命は、「こうあるべき」という線形的な運動を、かならず超えていくのじゃないか。だから、生命に寄り添おうとしたら、「こうあるべき」から離れて、その場その場で、自分の内からわいてくる感情と、対話するしかない。そうでないと、思想のイデオロギー性にとらわれて、見るべきものが見えなくなる。
2015-01-21 07:35:54
茂木健一郎
@kenichiromogi
イデオロギーのために人をあやめるのは、もっとも反生命的である。ところが、人はこれを時々やる。何かを主張するために人の生命を脅かすのも同様。そして、そのような動きと「闘う」という考え方も、また、一つのイデオロギーであることを見誤ってはいけない。
2015-01-21 07:36:57
茂木健一郎
@kenichiromogi
相手と交渉すべきではない、譲歩すべきではない、毅然と闘うべきだ、というのも、一つのイデオロギーである。その結果、どうなるか。根絶されるはずの「敵」は、いつまで経っても消えることがない。本来の「敵」は、私たちの生命の豊穣から離れて、一人歩きしがちななにものかにあるのではないか。
2015-01-21 07:38:17
茂木健一郎
@kenichiromogi
イスラム国が、日本人の人質をとった。交渉すべきではない、身代金を払うべきではない、というのは、一つのイデオロギーである。「テロとの闘い」をすべきというのも、一つの思想。イデオロギーや思想よりも、生命の方が広く、深い。「生命優先」という日本の姿勢は、決して間違ってはいない。
2015-01-21 07:40:04