#完全ノープラン艦これ与太話 【メリークリスマス・デビルダム】#1～#2

春魔解丼 @vespiking

目下、彼女の目的は捜索である。1隻は不審な行動の確認された雷巡チ級テルビウム。何らかの関与が疑われる。自治会とも親交の深い艦であるが、そうも言っていられない。そしてもう1基は、北方棲姫メルカトル。今朝から行方が知れず、もう昼が来ようとしている。 #KZNPLN

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離島棲鬼ブラックピーコックも街を捜し回っているが、彼女を安堵させる連絡は一向に入らない。本来であればテルビウム捜索はミルメコレオに任せ、自身もメルカトル捜索に集中したい所ではあるが、そうもいかない。自治会としての立場もあるが、それ以上に……。 #KZNPLN

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モルワイデは標的の行動に若干の違和感を感じ、素早く身を隠した。前方を歩くミルメコレオは振り返り、後方に異常のない事を確認し、再び歩き出した。モルワイデは彼女を注意深く観察し、尾行を継続した。任せきりにはできない。――ミルメコレオもまた、容疑者の1隻なのだから。 #KZNPLN

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「テルビウム＝サン！テルビウム＝サンじゃない！」見知った艦影を見つけ、ブラックピーコックは駆け寄った。雷巡チ級はブラックピーコックに気がつき、やや怯えた様子で路地に逃げ込もうとした。だが運悪く、路地はそこで途絶えていた。ブラックピーコックは驚愕した。 #KZNPLN

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「テルビウム＝サン……？ナンデ……？」「ア、イヤ……その、いや、ゴメン……急に逃げたり、して……アッハハ、ちょっとビックリ、して……」たどたどしく言葉を紡ぐテルビウムに、ブラックピーコックが掴みかかった。「そうじゃないよ！そうじゃ、ないよ……！」 #KZNPLN

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「ねえ、逃げるなら、何でこっち来たの……ネエ……」「エッ？……エッ？」テルビウムは混乱した様子で、胡乱な視線を周囲に巡らした。ブラックピーコックは信じたくない様子で、わなわなと震えながら、背後を指差した。 #KZNPLN

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「こっち、行き止まりだよ……。決まってるじゃん……。知ってるでしょ……？だって……ここ、テルビウム＝サンの家の庭だよ……？」ブラックピーコックの指の先にある民家を、テルビウムはどろりとした瞳で見つめた。やがて、テルビウムは多少、冷静になった。……ここは、どこだ？ #KZNPLN

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#完全ノープラン艦これ与太話 【メリークリスマス・デビルダム】#2終わり。#3に続く。 #KZNPLN