「なぁ、今日なんの日か知っとる?」亮に後ろから腰に手を回されて、右肩に顎を乗せられる。耳に息が当たって、妙に擽ったい「…文化の日」うそ。本当はわかってる。なんの日かって「文化の日もやけど、ちゃうやろ?もっと大事な日あるやろ?」「えー、何だろ?」「俺の…」「30歳の誕生日でしょ?」
2014-11-03 18:38:43「何?わかってるやん」「だって…」亮の方を見ると私の右肩の上に顔があるから、ち…近い。鼻先もぶつかりそう。睫毛長いな…とか改めて思う。キスの時いつも目を閉じてるから、至近距離で見たのは久しぶりで少し照れる「ん?どした?」「どうもしてないよ」「だって、顔紅いで?」「うそ」「ホンマ」
2014-11-03 18:38:50一瞬、さっきよりも亮の顔が近づいた気がして、キスされるんじゃないかと思って思わず目を閉じる「ふっ、残念やったな。チューされるって思ったやろ?」「そんなことは…」えっ?「不意打ち♡誕生日やってわかってるみたいやし、プレゼント楽しみやゎ」 pic.twitter.com/pM3wh3KL4Z
2014-11-03 18:39:021 「亮ちゃんの嘘吐き」 全然、来てくれないじゃん。何がスーパーマンだ!バーカ!そんなこと思いながら、スマホをベッドの上に放り投げて、私も後を追うように、ベッドの上にダイブした。 仕方ないのは分かってる。 最初の頃は『スーパーマンよりは遅いかも知らんけど 出来るだけ早く行くから』
2015-11-03 08:58:152 そんな台詞を照れながら言うから、可愛くて、キュンってして、好き♥って思った。 そんなことを私だけに言ってくれるのかな?なんて、思ってた。 ……けど、大倉くんからTVで暴露されたとは言え、あんなにサラッと言えるってことは何度言ってるってことだよね。って思うとため息が止まらない。
2015-11-03 08:58:213 今日は誕生日なのに、亮ちゃんはお仕事。日付が変わるタイミングで、電話もしたけど出なかったし、LINEも既読すら付かない。忙しいだけだと信じたいけど、他に女の子が居て、その子と過ごしてるのかな? なんて、思ってしまう。いろいろ考えても仕方ないと思い直すと、インターフォンが鳴る。
2015-11-03 08:58:264 「……ト運輸です。判子お願いします」との声がインターフォンの確認画面越しに聞こえる。急いで、ベッドから起き上がって、玄関のドアを開ける。 「ふっ、不用心過ぎ。もう少し気を付けや?」 「亮ちゃ……ん?仕事……は?」 「まだ、時間あるから、お前に少しでも誕生日祝ってもらいたくて」
2015-11-03 08:58:315 「どうせ、お前んことやから、またウジウジ考えとったんやろ?」 「別に、そんなこと……」 「ふっ、強がり」 そう言って、私の頭をポンってする。 「まぁ、えぇゎ。ケーキとか、プレゼントあるんやろ?」 全部お見通し……なんだね。 「うん、亮ちゃんのお誕生日だからね」 「ありがとう」
2015-11-03 08:58:346 「ケーキ食べよっか」 「うん」 そう、頷く私を優しい顔をして見てる。 「あ、ケーキの前に判子」 「判子?」 「お届けものあるって言うたやろ?コレが受領書で、コレがお届けものです」 目の前には婚姻届と結婚指輪と照れる亮ちゃん。今日は2人にとってもっと、特別な日になりそうです。
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