ア・クルエル・ナイト・ウィズ・レイジング・フォース・フロム・ソー・サイレント・フィアフル・レルム #6

日本語版公式ファンサイト「ネオサイタマ電脳IRC空間」 http://d.hatena.ne.jp/NinjaHeads/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ゲニンが左右に退くと、現れたのはサイズマスターである。ドモボーイは鼻を鳴らした。「テメェまで来やがったか。あっちこっち走り回ってご苦労なこった。今度は捕まえられるかよ?」「イヤーッ!」サイズマスターはカラテ粒子の大鎌で即座に襲い掛かる。狙いは正座する二人だ!アブナイ! 21

2015-01-31 00:26:09
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」ドモボーイは驚くべき瞬発力で眼前のペイルシャークに飛び蹴りを繰り出す!そして彼のガードを踏み台に、正座する二人の頭上を飛び越え、サイズマスターに襲い掛かったのだ!ワザマエ!「イヤーッ!」「グワーッ!」サイズマスターは思いがけぬ動きに翻弄され、蹴りを肩に受ける!22

2015-01-31 00:29:20
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

サイズマスターは大鎌を旋回させる。「イヤーッ!」「「アバーッ!」」ゲニン二人の首を巻き添えに切断しながら、カラテ粒子が迫る。ドモボーイは両腕をクロスしこれを受ける!キュイイイ……金属に旋盤を当てるような不穏な音が鳴り響き、サイバネ左腕の半ばまでカラテ粒子がめり込んだ。23

2015-01-31 00:31:48
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「籠手?否……ムテキ・アティチュード?否……?」サイズマスターは己の致命的武器を止めた若いニンジャに眉根を寄せた。「サイバネティクスよォー!」ドモボーイが吠えた!「イヤーッ!」「グワーッ!」懐へ踏み込み、右拳を叩き込む!左腕は危うく切断寸前だ。乱雑でアブナイなカラテである!24

2015-01-31 00:36:47
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」飛びかかるゲニンを蹴り飛ばし、今度はペイルシャークにスリケンを投擲し牽制!「イヤーッ!」「イヤーッ!」ペイルシャークは鋭い多層牙の生えたメンポ顎機構で飛来スリケンを噛み砕いた。「イヤーッ!」ドモボーイは更にスリケン投擲!25

2015-01-31 00:41:38
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」ペイルシャークは鋭い多層牙の生えたメンポ顎機構で飛来スリケンを噛み砕いた。「イヤーッ!」サイズマスターが背後からカラテ粒子鎌で再び斬りかかる!「イヤーッ!」ドモボーイは素早く振り向き、右腕でこれを受ける!旋盤めいたノイズ!右腕の半ばまでカラテ粒子がめり込む! 26

2015-01-31 00:44:50
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「やはり多勢に無勢を地で行くわい!」ペイルシャークはスリケンをメンポ顎機構で咀嚼しながらユカノに迫った。「何を呑気に礼儀作法に没頭しておるか!もはや観念したという事か?ドラゴン・ニンジャ何するものぞ!」ペイルシャークが掴みかかる!その瞬間、ユカノは括目!「イヤーッ!」 27

2015-01-31 00:48:02
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

瞬時に立ち上がったユカノはペイルシャークの腕を取り、イポン背負いで投げ倒した!「グワーッ!」「イヤーッ!」脇腹にケリ・キック!「グワーッ!」ペイルシャークは苦痛に吠え、転がって退避!「イヤーッ!」ドモボーイとせり合うサイズマスターにスリケン投擲! 28

2015-01-31 00:51:13
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ユカノが投げたスリケンはサイズマスターの両目を狙っていた。「チィーッ」サイズマスターはカラテ大鎌を打消し、バック転で飛び離れた。入れ替わるようにゲニン達が襲い来るが、「イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」ドモボーイが次々に蹴り倒してゆく! 29

2015-01-31 00:53:17
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「腕は?」ユカノがドモボーイに並び立った。「腕がイカレりゃ脚だ」ドモボーイは即答した。「テメェの心配しろよ。エンブレイス=サンはまだ使い物にならねえのか?」横目でシルバーキーを見た。正座したまま苦しげに顔を歪め、深い呼吸ルーチンを繰り返している。「彼次第です」ユカノは答えた。30

2015-01-31 00:57:49
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「スゥーッ……ハァーッ」点火されたエンジンめいて、彼は外から与えられた呼吸を繰り返している。その手には謎めいた立方体が固く握られたままだ。ユカノはこれを不穏に思った。彼に触れた折、悪しき力の流れをあの立方体から感じ取っていたからだ。だが詳しく問いただすにはいまだ時間を要する!31

2015-01-31 01:03:20
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「次はどうすンだ」ドモボーイは包囲ニンジャを挑発した。ゲニンは地面をのたうち、起き上がれぬ者も複数いる。「暇になってきたしよォ、そろそろ帰っていいか?ア?」「……」サイズマスターは言葉を発しかけ、止まった。一秒後……ドォン……絶望的なタイコの音が闇に轟いた。 32

2015-01-31 01:06:54
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「時間切れだ」サイズマスターが嘲笑った。「威勢よく頑張ったこと、ほめてやる」……ドォン!再びのタイコの音と共に、遠くの闇に紫の炎が吹き上がった。点火された超自然の松明は、精強なニンジャ達の姿と、恐るべき「災禍忍軍」のカンジが織られた旗を照らし出した。ドモボーイの表情が凍った。33

2015-01-31 01:11:34
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

匍匐前進でサイズマスターの傍らまで退いたペイルシャークが起き上がり、嘲笑を重ねた。「これで貴様らの命運尽きた!頼もしき増援……おお、おお?」彼は近づいてくる紫の松明を二度振り返った。「なんと頼もしき増援!」ナヤミ!ホワイトノイズ!ヴァストバルク!ライノハイド! 34

2015-01-31 01:19:52
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ドォン!さらなる松明が焚かれると、ペイルシャークとサイズマスターは驚愕に目を見開いた。炎に浮かび上がったのは、ゲニン達がかつぐ奇怪な神輿……その上に坐する不明瞭な存在こそ、彼らが殿に戴く超自然ニンジャ存在、メイルシュトロムその人ではないか!「お……御大将自ら」彼らは呻いた!35

2015-01-31 01:24:38
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」ヴァストバルクは担いでいた巨大な杭を神輿の傍らに突き刺した。杭に磔にされているニンジャの姿がドモボーイを強く打ちのめした。あのような有様のスパルトイを、普段どれほど望んだことだろう。だが、いざ目にしてみればどうだ?それは絶望の指先にほかならぬではないか……! 36

2015-01-31 01:28:54
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

息はあるか?ドモボーイが訝しむ間もなく、メイルシュトロムが片手を掲げた。ゲニンが火打石を用いて杭の根元に点火。「グワーッ……」スパルトイの呻き、ヴァストバルクの野卑な笑いが聞こえた。ドォン、ドォン、ドォン、松明が次々に増え、今やこの広間は紫の光で満たされた。 37

2015-01-31 01:32:56
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ドーも」神輿の上で、メイルシュトロムが尊大にアイサツした。「メいルシュとロムです」ゲニン達が左右に分かれた。ナヤミが威圧的に指さして叫んだ。「降参せよ、ドラゴン・ニンジャ=サン!貴様は今や……」「グワーッ!」悲鳴を上げ、バネ仕掛けめいて立ち上がったのはシルバーキーだ! 38

2015-01-31 01:39:59
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ナヤミは神輿の上の主君を振り返った。然り、メイルシュトロムがシルバーキーにそれをさせたのだ。立方体を固く掴むシルバーキーの右手はピンと張り、メイルシュトロムの方向へ突き出されている。シルバーキーは歯を食いしばって抗うも、メイルシュトロムの手招きが否応なしに彼を歩かせる。39

2015-01-31 01:43:05
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「シルバーキー=サン!」「畜生……」チャドー呼吸の甲斐あってか、シルバーキーの意識は今や明瞭であった。彼はユカノを見返した。ユカノは叫んだ。「その立方体を手放すのです!」「……ダメだ」シルバーキーは呻いた。「こいつは……こいつが鍵なんだ。こいつを離したらよォ……」 40

2015-01-31 01:45:54
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「参れ!我ガもとニ!」「グワーッ!」引きずられまいと抗いながら、シルバーキーが叫んだ。「こいつを捨てたらダメなんだ!ここはオヒガンだろ?あ……あの時と同じなんだ!」抗いながら、彼はゲニン達を見渡した。「こいつらは、あの時の天守閣……」「シルバーキー=サン!」ユカノが飛び出す!41

2015-01-31 01:51:17
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

サイズマスターとペイルシャークは素早く状況判断し、シルバーキーへのユカノの接近を妨げるように進み出た。「イヤーッ!」「イヤーッ!」ドモボーイがペイルシャークに襲い掛かった。ユカノはペイルシャークを任せ、サイズマスターに向かって行く。「イヤーッ!」ホワイトノイズが両手を掲げた。42

2015-01-31 01:56:49
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「「グワーッ!」」ナムサン!?その瞬間、ユカノ、ドモボーイ、そしてペイルシャークとサイズマスターすらも……四人の戦闘者はまとめて白い半球状の霧に呑まれた。ホワイトノイズはメンポの奥で両目を光らせ、掲げた両手に力を漲らせる!「ボガイ・ジツ!イヤーッ!」「「グワーッ!」」43

2015-01-31 02:00:20
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

霧の中で四人は苦しみ悶え、膝をつく。「「グワーッ!」」そして引きずられてゆくのはシルバーキー!「ユカノ=サン……グワーッ!」ゲニン達はシルバーキーに、否、その手のジュエルに魅せられ、ゾンビーめいて手を差し出す。近づきすぎた者は火傷めいて怯み、引き下がる。不可解な光景であった。44

2015-01-31 02:03:56
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「来たレ!」メイルシュトロムは手招きを繰り返した。「グワーッ!」シルバーキーはなおも抗おうとした。(ジュエルを手放せば楽になるか……?)彼のニューロンに誘惑めいた選択肢が閃く。(きっと、こいつを運べるのはここでは俺だけだ。情報量が過大なんだ……だから、俺がこれを捨てちまえば)45

2015-01-31 02:09:01