【IFカップル】もしもアミダでカップルが決まったら【第二弾】

Nicola @Nicola_nn

@sousakuTL 【フィル×セシル】⑦ 先ほど出てきたばかりの防音の扉を振り返ってフィルが「でも面白い映画だったでしょ」と笑う。セリルは「それに関しては同意します」と眉間にシワを寄せた。「俺はセリルさんと違って、普段スタバですら縁ないんですからカフェとかハードル高すぎです」

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@sousakuTL 【フィル×セシル】⑧ そこを頑張ろうと思わないのか、とセリルは小さく息をつく。「じゃあ私が教えますから、ちゃんと覚えてください」「了解」軽い調子の返事に、セリルが口元を歪める。自分が学生だった頃も周囲の男性――同世代の男性ですら子供だとおもっていたのだ。

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@sousakuTL 【フィル×セシル】⑨ 6つも年下と付き合うには少し無理があったのかもしれない。つい自分がリードしてしまう、とセリルは実感しながらも「次何処行きましょうかね」と首をかしげているフィルの腕を掴んだ。「今日はせっかく車があるんですよ。少し付き合ってくれませんか？」

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@sousakuTL 【フィル×セシル】⑩ 「いいですけど。今日はどうして車なんです？」「ちょうど午前は仕事だったので、そのまま」「土曜なのにお疲れ様です」「そんな私の貴重な休みだというのに貴方は地下鉄の出口を間違えて遅刻でしたけれどね」「言い方きつくないです？すみませんでした」

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@sousakuTL 【フィル×セシル】⑪ なんだか機嫌が悪そうだな、と思いながらもフィルはセリルに引っ張られるように歩いて行く。駐車場に止まっていた車の助手席に押し込まれ「なんか怒ってます？」と思わず訪ねた。しかし、セリルは「どうでしょうね？」とバタンとドアを締める。

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@sousakuTL 【フィル×セシル】⑫ 「遅れたこと怒ってます？」「いいえ」「カフェじゃなかったこと怒ってます？」「そんなことでいちいち怒っていたら貴方とのデートで毎回ケンカになりますよ」「映画面白くなかったです？」「面白かったと言いました」フィルはお手上げだ、と首を傾げる。

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@sousakuTL 【フィル×セシル】⑬ セリルは駐車料金を払ってからまた車に戻ってくる。「そもそも」座席を元に戻してからブレーキペダルを踏み込む。「怒ってるなんて言ってません」その言葉にフィルは納得がいかないような顔で「そうですかね…」とシートベルトを締めた。

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@sousakuTL 【フィル×セシル】⑭ フットブレーキが外れ、セリルがブレーキペダルから足を離すとゆるゆると車が動き出す。だらだらと緩慢な動きにセリルが目を細める。今の関係もこのクリープ現象みたいなものだ。だらだらと、ずるずると。「何処行きます？」フィルが顔をセリルに向ける。

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@sousakuTL 【フィル×セシル】⑮ 「明日、授業はお休みですか」「日曜ですしね」「私もお休みです」「じゃあゆっくりできますね」フィルの何の事はない顔にセリルはため息をつく。「そんな顔したって俺、セリルさんの心は読めませんよ」「…貴方は本当に思ったこと全部口に出しますよね」

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@sousakuTL 【フィル×セシル】⑯ 「言いますよ、全部」フィルが苦笑いをして、セリルはアクセルを踏んだ。「目的地は？」「…私に任せて下さい」 ---- 「ここ」「私の部屋ですね」「ですよね」「どうぞ」「入ってもいいんですか」「嫌ならお引取りください」「そうは言ってません」

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@sousakuTL 【フィル×セシル】⑰ 部屋に上がったフィルがセリルを振り返る。「男、ここに入れるんですね」「彼氏くらい入れたっていいでしょう」「彼氏、か」フィルがぼんやりと呟き、「おじゃましまーす」と奥へ向けて踏み込む。彼の何か引っかかる言い方にセリルの眉間にシワがよる。

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@sousakuTL 【フィル×セシル】⑱ 「うわ、シンプルな部屋。本当にここで暮らしてます？」「他にどこがあるんですか」セリルの不思議そうな顔を見上げながら、フィルが柔らかいクッションの横に座り込んだ。そのまま僅かに目元を歪めて「他の男と別の所で住んでたりしません？」と笑った。

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@sousakuTL 【フィル×セシル】⑲ パシン、と乾いた音。フィルは叩かれた頬を気にした様子もなく「俺のこと、遊びじゃないんですか？」と首を傾げた。「誰が」セリルの長い爪が引っかかったのか、フィルの頬に一本だけ筋を作っていた。「誰が、そんなこと言うんですか」「みんなです」

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@sousakuTL 【フィル×セシル】⑳ フィルはクッションを抱え込むようにして座りながら「セリルさんみたいな人が俺なんかと付き合うわけ無いだろってしょっちゅう言われますよ」「貴方はそれを信じるわけですか」「だって」フィルが視線を外して口元だけを笑の形にする。

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@sousakuTL 【フィル×セシル】㉑ 「俺、カフェにも連れて行きませんしね」「遅刻もしますよ」「デート代だって割り勘です」「学生にたかる気はありません」「セリルさん」「何ですか」「意地悪いってすみません」「許しません」セリルが彼が持っていたクッションを引き剥がす。

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@sousakuTL 【フィル×セシル】㉒ 「私を信じなかった罪は大きいですよ」セリルが赤い筋の残ったフィルの頬に手の平を添えた。フィルはまっすぐにセリルの目を見返しながら「俺はセリルさん好きですよ」「ありがとうございます」「でもセリルさんは俺のこと好きと言いませんね」

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@sousakuTL 【フィル×セシル】㉓ セリルは僅かに笑ってから「私を信じてくれない人にそんな言葉は与えません」とフィルの唇を奪った。一瞬だけフィルが抵抗するように手を伸ばすが、その前にセリルが離れた。目を瞬かせている彼を見て「貴方と居るのは本当にもどかしいです」と苦笑する。

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@sousakuTL 【フィル×セシル】㉔ 「これ、何のキスですか」「さあ、なんでしょうね」セリルが鼻で笑ってから立ち上がろうとすると、フィルはその腕を掴んで慌てて腰を浮かせた。「俺のファーストキス奪っといて、理由はお預けなんてどういうことですか」「さあ、どういうことでしょうね」

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@sousakuTL 【フィル×セシル】㉕ しかめっ面になったフィルが「あの」とセリルの腕を強く引いた。「言わないなら勝手に解釈しますよ」セリルは目を細めて彼を振り返る。「何も言わないなんて本当にずるい人ですよ」「ええ、私はずるく生きてきましたから」ぐっとフィルが彼女を引き倒す。

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@sousakuTL 【フィル×セシル】㉖ そのままフィルが彼女の顔を両手で掴んで、半ばやけくそ気味に顔を近づけた。まず鼻がぶつかって、セリルが小さく笑って、気まずそうにフィルが離れかけ、それを追いかけるようにセリルが覆いかぶさる。フィルの手が迷子のように空を彷徨う。

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@sousakuTL 【フィル×セシル】㉗ しばらく空中をかき乱した手は、そのまま華奢な腰にたどり着いてそのままぎゅっと力を込めて抱きしめた。 「遅いです」「そ、んなこと、言われたって」「貴方は本当にもどかしいですね」「…以後気をつけます」フィルが目を泳がせる。

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@sousakuTL 【フィル×セシル】㉘ そして今度はしっかりと唇に狙いを定めてから「好きです」と言葉を閉じ込めるようにそれを押し込んだ。

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@sousakuTL 【フィル×セシル】（終劇） あああもうチュッチュチュッチュしてんじゃねえよ！！！！！！！ 途中でこいつら別れるんじゃないかと思って大慌てで軌道修正したらこうなりました。 何でも言うフィルと言わないセシルの組み合わせ超面倒くせえ！！！！

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誰か殴るようにフィルとセシル用意してくれませんか。 「やめろよ」 「何言ってるんですか」

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@sousakuTL 恋愛ベタなフィルと手慣れた感のあるセリル嬢でした。フィルは本当に最低だと思います。悪気もなくああいうこというので最低だと思います。 セシルさんは何人か経験したあとのフィルだから「私に全然気を使ってこないけどなにこれ」って未経験してそう。