節分の日【2/3】

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『余談だが、今日は節分だ。みんなは節分をどう過ごす予定だ？』 『一人暮らしなんでなんも予定ないっすー』 『寂しいな～。恵方巻ぐらい食べろ。まだもう少し時間あるから、節分の正しい過ごし方を教えてやる』 『え～別にいいっすよ先生～』 キ「ハルたちは今日節分しないの？」 遙「…節分か」

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遙「節分…やる。貴澄も来い」 キ「ホント！？わーい！じゃあ帰りに豆買って帰ろ～！」 遙「ついでに買い物に付き合え。昨日スーパーに行く予定が行けなかった」 キ「おっけおっけー！ハルとお買い物嬉しいな～♪」

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遙「貴澄、お前は鬼役をやってくれ」 キ「え！僕が！？宗介とかにやらせようよ～」 遙「さっき教授の話にもあっただろう。家に福が来るようにする儀式なのに、家の住人を退治しては意味がないって」 キ「う……、てかだから僕を呼んだんだねハル…」 遙「そうだ」

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キ「そういえば今日、みんな早く帰ってくるの？」 遙「ああ。19時前には帰ってくるは……」 パシャン キ「え？ハルっ！？」 遙「……」 キ「あちゃ～こんなところに水たまりあるなんて；ハル、大丈夫？」 遙「ああ……」 キ「もうすぐ家着くし、お風呂に入ったら…？」 遙「そうする」

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宗「ただいま」 キ「おかえり！」 宗「なんでお前がいんだ？」 遙「俺が呼んだ。豆まきの鬼役だ」 宗「豆まき？もしかして家ん中でか？」 遙「鬼だけ庭に出ればいいだろう」 宗「なるほど。そしたら片付けもしなくて済む」 キ「え…寒くない？」 宗「それより、なんでお前はその格好なんだ？」

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真「ただいま～う～外は寒いね～」 キ「やっぱり外寒いよね？」 真「あ、貴澄いらっしゃい。どうしたの？」 遙「今日は豆まきするぞ」 真「え？豆まき？というか…ハルはそんな格好で何を真剣に作ってるの？」 遙「恵方巻だ」

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キ「帰り道でハル、水たまりに入っちゃって…それでお風呂に入ってたんだけど、上がってきたらこの格好だったんだ；」 真「そういうこと；」 宗「風邪ひいても知らねぇぞ」 遙「ひかない」 真「だからその根拠はなんなの；」

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凛「ただいま。あ？なんで貴澄がいんだ？」 キ「いてもいいでしょ別に～凛は昨日僕に借りができたこと忘れてないよね？」 凛「え…あ、ああ。なんかハル守ってくれたってな？サンキュ」 キ「わかればよろしい！」 凛「つか、ハルと宗介はキッチンで何してんだ？ハルはともかく、宗介は珍しいな」

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宗「恵方巻作ってんだ」 遙「太くて大きいのを作ろうとしたんだが、俺の手には収まり切れなかったからな。山崎に手伝ってもらってる」 ガタッ 凛「ハル…んな格好で、わざと言ってんのか；」 真「ハルがわざとなわけないでしょ？さっきだって大変だったんだから…」 凛「え？」

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真「ハルが『太すぎて握れない…こんなに大きくするつもりなかったんだが…誰か助けろ』って言ったんだよ？」 キ「僕、持ってたグラス落としちゃった…プラスチックだから大丈夫だったけど…」 宗「そのあとそいつが零したお茶を橘が片付けて、こっちはしょうがなく俺が手伝ってるってわけだ…」

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凛「大変だったんだな…いやでも羨ましい。ハル、もう一回言ってくんねぇ？」 遙「何をだ…？」 宗「いいから早く作り終えるぞ」 遙「？わかった」 キ「ほんと、あんな天然で大丈夫！？ハルは本当に美人だから、大学でもけっこう大変なんだよ！」 真「ありがとう貴澄」 凛「マジ助かってるわ…」

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遙「できた」 宗「ふぅ」 真「お疲れ～」 凛「じゃ、早速食べるか」 遙「その前に豆まきだ」 凛「豆まきまですんのかよ…」 遙「当たり前だ。そのための貴澄だからな」 凛「…貴澄…なんかだんたん不憫に見えてきた…」 キ「今更！！」

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キ「お面…これでいい…？」 遙「……！！」 キ「えっ！」 宗「おい！」 真「ハル！」 凛「何貴澄に抱きつこうとしてんだ！」 遙「この鬼…やっぱり可愛い」 キ「あ、そういえばハル、たくさんある鬼のお面の中から迷わずこれを掴んでた！」 凛「だからってコイツは貴澄だぞ」

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キ「う～やっぱり寒いよ～」 凛「ほら、お前は上着ぐらい着ろ」 遙「ああ。…よし、やれ！」 ビシィ！！ キ「ひぃ！めっちゃ本気の豆が飛んできたんだけど！？」 凛「所詮は豆だ」 真「ハルと買い物に行ったことなんて気にしてないよ？」 宗「ちょっと力が入っただけだ」 キ「ひどくない！？」

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遙「よし。次は福は内だ。そこからビニールを敷いている所に投げろ」 宗「準備いいな」 真「ゴミ袋を広げたらしいよ」 凛「そこまでやるか；」 キ「ちょっと～！なんで窓閉めんの！？」 凛「あ……」 宗「開いてるから自分で入ってこい」 キ「やっぱりヒドイ…」

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真「豆食べようか」 凛「年の数っつーと…」 遙「20個だ。凛も同じ数だけ食べられるな」 凛「ああ、そうだな」 遙「食べ終わるまで喋るなよ」 真「え？」 キ「今日講義の時に、節分の正しいやり方っていうので、教授が説明してたんだ」 宗「だから急に節分やりだしたのか」 真「なるほど；」

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凛「……いよいよ恵方巻か」 キ「そうだね……」 真「なんか…見ていいのかな？」 凛「何言ってんだ。ただ恵方巻を食べるだけだぞ」 キ「そうだよ」 宗「カメラの準備はできてる」

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遙「どうした？そんな真剣な顔して」 宗「気にするな」 遙「？じゃあ、全員で一斉に食べ始めるぞ。食べ終えるまで喋るなよ」 凛「ちょっと待て」 キ「ハルは食べるの遅いし、先に食べたら？」 遙「一緒でいい」 真「ハルは正しい食べ方を聞いてきたんでしょ？お手本みたいな～！」

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遙「しょうがないな」 凛&キ「（ナイス！真琴！）」 宗「七瀬のタイミングで食べ始めていいぞ」 キ「方角は…あっちだよ！」 遙「わかった。いただきます」

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遙「あ……んっ」 (遙をガン見しながら) 凛「やべぇ…想像以上だ…」 キ「収まりきれてないじゃん」 真「ハルの口小さいもんね」 宗「あの格好だから余計にクるな…」 真「…腕のせいで見えそうで見えない」 キ「余計にエロいよ～；」 凛「さすがに格好だけはやめさせるべきだったか」

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遙「ん…(もぐもぐ)、ぁ…」 キ「刺激が強すぎるよ～」 凛「夜のあいつを思い出…」 真「凛！それは言っちゃダメ！！このまま見続けるのが辛くなる…」 宗「しかし目が離せねぇな…」 キ「5分でまだ半分だよ？これをあと5分も見てなきゃダメなの？」 凛「拷問だ…」

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遙「(もぐもぐもぐ)…んっ。ふー、疲れた」 真「お、お疲れっ！」 凛「よ、よく食べきったな！」 遙「ああ…自分で作っておきながら、太くて顎が疲れた」 キ「ちょ！それは…っ！」 遙「？山崎は何してるんだ？」 宗「いや。ちょっとカメラの調子悪かったからいじってたんだ」 遙「そうか」

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遙「次はお前らだ……どうした？」 凛「あ、いや、食べる」 真「食べるんだけど、ちょっと待って」 宗「落ち着かせてくれ」 キ「深呼吸深呼吸…すーはー」 遙「そんなに緊張するものか？」

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凛「はぁ～美味かった～！」 真「本当におっきかったから食べるの疲れたねぇ～」 遙「山崎は早かったな」 宗「足りねぇぐらいだ」 遙「まだあるぞ？今度は切って普通に食べるか？」 キ「あ、食べたい！」 遙「わかった。ちょっと待ってろ」

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凛「ふぅ～なんとか終わったな…」 真「なんだろこの疲労感…」 キ「でもいいもの見れた～」 宗「お前は最初で最後だ」 キ「ええ～」 凛「やべ…夜思い出しそ；」 真「確かに…」 宗「お前らやるなら静かにやれよ」 凛「お前もな」 キ「あ、宗介！写真じゃなくてムービー撮ってたでしょ？」