【テドイア】御伽噺の神
今日のネタ。BGMはサンドリヨン。 テドイアで完全パラレルだがバッドエンド。 書けるとこまで書く。相変わらずあまり時間がない。
2015-02-26 12:38:59すべての始まりは、時の王が欲のために魔物を呼んだ事から。 生け贄という餌に食らいついた魔物に願いを叶えてもらう。 そして力を求めた王に、一人の魔物が答えた。その欲を叶えられる、強い魔物がいるよ、と。
2015-02-26 12:40:57その魔物が代償に要求するのは人の娘。 処女の娘を喰らい、魔物は代わりに願いを叶える。 そして王は奴隷の娘を使い、魔物を呼ぼうとするが、呼び掛けに応じてはくれない。 恐ろしく強い魔物と聞いて俄然手に入れたくなるが、それなりの娘では餌として不十分だったわけです。
2015-02-26 12:44:18そして王は魔物を釣る餌を求める。 人里離れた小さな村。神を崇める少数民族がそこで暮らしている。 自国民でもない少数民族。失敗しても痛手のないそれに王は目をつけた。 軍を放ち、娘を奪っていく。元より少ない村人。餌になれる娘も少なかった。
2015-02-26 12:47:09そして力ずくで連れ去られた一人の娘。それがイア。 両親も守ってくれた男達も虐殺され、有無を言わさず連れてこられた。 そうして、王はイアを餌に魔物を呼ぶんですね。 何人も娘を犠牲にしてきた。そしてイアを使った時、魔物が呼び掛けにとうとう応える。
2015-02-26 12:50:20そうしてテッドさんはやってくる。 召喚した男の願いを叶える代わりに処女の娘を要求した。それに王はイアを引き渡すんですね。 その娘を捧げるから、力を貸してほしいと。 テッドさんは王と契約を交わし、その国の為に力を使った。
2015-02-26 12:52:45テッドさんは望まれるまま戦場を駆ける。 敵は一人残らず皆殺し。王は侵略で得られる富を手に入れた。 ちなみに初戦の日。イアたんはテッドさんに手を出されています。処女の娘を抱く事で、テッドさんは力を手に入れるから。
2015-02-26 12:55:34味をしめた王はテッドさんに望み続ける。 見返りに、と要求された女達を次々犠牲にしながら。 そしてイアはふと気付く。 テッドさんに生け贄として捧げられる女達は全員彼に喰われて命を落とす。 ならばなぜ、自分は生きているのだろう?と。
2015-02-26 12:57:41テッドさんは戦に出る前に補給として娘を抱く。そして終わればそのまま食べてしまうんですね。 体液を吸い付くされた女の死体をイアは何度も見てる。けれど、テッドさんはイアを抱きはしてもそれ以上の事はしない。 何故?と問いかけると、自由になる女が欲しいと答えが返る。
2015-02-26 13:00:42イアに身の回りの世話をさせてるから、そういった手足となって動く女が必要だった、と。 久しぶりの人の世で。まだ帰る気はないから、みんな殺してしまったら面倒だろう?と。 勿論、用がなくなったらお前も食い殺してやるよ、ってテッドさんが笑う。
2015-02-26 13:02:41王の望みを気紛れに叶えながら、テッドさんはのんびり暮らしてた。イアたんはそんなテッドさんのお世話をしていたから、一緒に居る時間も長くなっていく。 そうして、この人は本当に魔物なんだろうかって疑問が沸いてくるのね。
2015-02-26 23:00:52のんびり庭園で休んでいる時とか、テッドさんの周りには動物達が集まってくる。 それにテッドさんはとても優しい表情を向けて笑う。 でも戦場に向かうその姿はとても恐ろしく、返り血を浴びて帰ってくる時も彼は笑う。酷く恐ろしい笑顔で。 その二つの顔をイアは見るようになり、疑問になる。
2015-02-26 23:02:38本当は優しい人なんじゃないか、と思いながら、でも恐ろしい姿は確かに魔物なんだ、とも思わせて。 わからなくなっていく。乱暴に抱く時もあれば、優しくする時もある。 気紛れで、掴み所が無くて。
2015-02-26 23:03:50そんなふらふら揺れた気持ちを抱えていたイアだったんだけど、それが動き出すエピソードがある。 それはイアたんが子供にお伽噺を聞かせてあげた時の話。 とても、とても優しい神様の物語。
2015-02-26 23:05:06天に住む神々の一人であったその人はとても優しく、そして正義感の強い人で、地上の人達にもとても良くしてくれていた。 人間達はその神を慕い、仲良く暮らしていたけれどある時。その神は天に刃向かい、たった一人旅だってしまったという。 正義の為に、人を守る為に、その神はたった一人戦う。
2015-02-26 23:06:54その神の話はイアの村では誰もが聞いて育つお伽噺。 でも、それを聞いていたテッドさんは一笑に付すんですね。都合の良いお伽噺だ、って。 そうしてテッドさんはイアに言う。そのお伽噺の神は正義感なんて持ってないよ、って。 その神は己の欲望の為に天を裏切った馬鹿な奴だ、って。
2015-02-26 23:08:32嘲るように笑いながらテッドさんはイアの言葉を否定した。 けれど神を祭り、神を慕う村で育ったイアはそう簡単にテッドさんの言葉を信じられない。 イアはその神がいると信じて教えられてきたから。だからそんな事はない、とテッドさんにいうのね。 馬鹿だな、って笑われながらも。
2015-02-26 23:10:08イアはテッドさんにわかって欲しくてその神様の話をする。 小さい頃から教えられてきた事。自分達はその神様の為にいるのだと。 優しい神がたった一人戦い続けている。自分達はそんな神が寂しくないように、その神を支える為にいるのだ、と。 イアははっきりそう告げるんですね。
2015-02-26 23:11:29私は神様を支えるの。その為にいる、と真っ直ぐに告げてきたイアに、テッドさんは口を開くのです。 本当はな、って。その神はたった一人の女の為に天を裏切ったんだよ、って。 凄く、凄く寂しそうに。
2015-02-26 23:12:40遠い遠い昔。一人の少女がいた。身体も不自由で目の見えない。そんな少女は神の巫女として村に大切にされていた。 けれどそれは表向き。少女は神に捧げるために生かされていた。彼女を疎んじる村の人達によって。 その少女はとても美しかった。だからこそ、人は彼女を憎んだ。
2015-02-26 23:14:09その少女の心はとても綺麗で、美しさに沢山の男が彼女に言い寄った。しかし、誰の手も取る事がなかった少女を一人の男が力尽くで奪おうとした。 拒絶され、逆上した男に少女は傷付けられ光さえも失った。目を潰したのは自分の犯行を知られない為。それでも少女は何も言わなかったけれど。
2015-02-26 23:16:57神の巫女として祭り上げられ、彼女は神への供物として捧げられる事が決まっていた。それもその男が先導した結果。 事実を知られる事を恐れ、証拠隠滅とばかりに少女を始末したかった。そして彼女の美しさに嫉妬した女達もそれに賛同し、彼女は孤立していく。
2015-02-26 23:18:13仕方ない事よ、ってそれでも少女は笑った。 誰も憎んでいないわ、誰も可哀想なだけなの。そう告げて。 そんな少女の前に一人の神がやってきた。その神は少女の事が知りたかった。何故、神々達が彼女を放っておくのかと。 その意味をすぐに知る事になるのだけれど。
2015-02-26 23:19:36綺麗な心を持った少女。彼女には生まれつき不思議な力が備わっていた。 本当は天使として生まれるはずだったのかもしれない。それとも、どこかで力が紛れ込んだのかもしれない。それは神々でさえわからない事だったけれど、彼女はその為に祭り上げられ、そしてその為に天に見捨てられた。
2015-02-26 23:20:54