医療と健康に関する考察

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樋口耕太郎 @trinity_inc

鬱、アトピー、花粉症、化学物質化敏捷、若年性痴呆症、癌・・・。 化学肥料、農薬、食品添加物、そして中産階級の生活と共同体の崩壊が社会の疾病率を押し上げ、社会保障費を破綻に追いやろうとしている。これは私の仮説に過ぎないが、仮説が実証されることには社会が崩壊しているだろう。

2010-10-15 11:02:19
樋口耕太郎 @trinity_inc

つまり、社会を良くしたいのであれば、仮説の証明を待たずに、これらの問題に対処しなければならないということだ。我々が進むべき道を、議論や証明や組織ではなく、一人の行動によって示さなければならない。科学や政治が問題解決の有効な手段として機能しにくい理由はここにあると思う。

2010-10-15 11:06:22
樋口耕太郎 @trinity_inc

そもそも医療本来の目的は、国民を健康にするということであり、医療そのものの存在を極小化しなければならないというジレンマがある。この問題に、政治は対処できるだろうか?科学は何を証明すればいいのだろうか?組織ではどのような議論が有効だろうか?

2010-10-15 11:07:36
樋口耕太郎 @trinity_inc

翻って、現代医療の大半は対症をして「治療」とされている。そちらのほうが圧倒的にお金になるからだ。病になる前の予防医療と、病になった後の対象医療では、必要な社会コストが100倍違うといわれているようだが、裏を返せばこれが医療の大半が対症療法であることの根源的な理由である。

2010-10-15 11:08:25
樋口耕太郎 @trinity_inc

もちろん、私は対症が悪いと言いたいわけではない。苦しんでいる人たちに手を差し伸べる、本当に価値のある仕事だ。ただし、社会全体で考えれば、対症に偏重した医療の基本構造が著しく非効率であることは明らかだろう。

2010-10-15 11:10:05
樋口耕太郎 @trinity_inc

国民を健康にすることが真の医療であるならば、それはすなわち、労働時間を減らし、大家族と共同体を復活し、石油化学に頼らない自然な作物の地産地消を進め、毎日自分で料理を作り、愛する人と一緒に、心から味わって食事をすることこそが、医療と呼ぶに相応しい。

2010-10-15 11:12:08
樋口耕太郎 @trinity_inc

豊かな共同体が疾病率の減少と強い相関があることはロゼト効果として知られている。人が実質的に老衰でしか死なない町「ロゼト」。その理由は社会のあり方そのものにあった。グラッドウェルの『天才!』でも紹介されているが、より詳しくは ”The Roseto Story"など。

2010-10-15 11:13:20
樋口耕太郎 @trinity_inc

その地位から転落しかけているものの、沖縄が日本一の長寿県である(った)理由はこれだと思う。沖縄県庁では、よく長寿県復活を目指して「沖縄の食のキャンペーン」という議論になるのだが、結局物を売ることが見え隠れする貧相な発想であるだけでなく、そもそも的外れだろう。

2010-10-15 11:18:53
樋口耕太郎 @trinity_inc

健康な社会、人生という観点からは、何を食べるかよりも、誰と何をどのように食べるか、の方が遥かに重要だ。おいしいものを愛する人とゆっくり食べるということは、社会を良くするための投票行為だ。予防医学の概念は、医療というよりも、豊かな人生を、今、生きるというものであるべき。

2010-10-15 11:24:41
樋口耕太郎 @trinity_inc

経営と労働のあり方を変え、労働時間を減らし、生産性を高め、従業員(とその家族)の疾病率を大きく減らす事業会社を実現することも広義の予防医学だ。業種は問わないが、労働集約サービス業において実現可能性とその効果が最も高い。その企業は首都圏よりも地方にある方が圧倒的に優位である。

2010-10-15 11:39:11
樋口耕太郎 @trinity_inc

沖縄7000人、全国30万人。精神病棟に入院し社会復帰が事実上不可能とされる人数だ。イタリアでは精神医療改革によって精神病院が廃止され、収容中心の精神医療から、社会生活そのものへと切り替わった(http://p.tl/0Rlg)。

2010-10-15 11:43:41
樋口耕太郎 @trinity_inc

都会のホワイトカラー労働者の欝が社会問題化してから久しいが、各社は問題発生に対応する対症療法に終始し、積極的に対応する方法を持たない。この問題は今後も悪化する一方であることは確実で、生産性の大きな足かせになる。地方における新たな事業モデルこそがこのパズルの解だ。

2010-10-15 11:44:46
樋口耕太郎 @trinity_inc

精神医療と自然な農業の相性は非常に良い。自然な農業にリゾートなどの三次産業を融合させる事業は、次世代社会の有力な事業・社会モデルにもなりうる(http://p.tl/7RvO)。この方法が優れているのは、政治や行政の助けを借りなくとも、事業家一人で実現可能な点だ。

2010-10-15 11:47:57
樋口耕太郎 @trinity_inc

精神医療は患者の「社会復帰」を目指すものだが、この社会に復帰するのは本当に価値あることだろうか?「社会復帰できない」とは、既存の社会を前提とした価値基準に過ぎない。患者を社会に戻すのではなく、社会そのものを変えた方が早いかもしれない。

2010-10-15 11:50:02
樋口耕太郎 @trinity_inc

鬱、不眠症、精神疾患の激増など、現代(資本主義)社会そのものが健常者を病んだ人間に変えてしまうシステムだ。そこに復帰したところでどれだけの意味があるのか疑問だ。

2010-10-15 11:51:40
樋口耕太郎 @trinity_inc

全国で30万人といわれる、「社会復帰が不可能な」精神医療患者は、現在社会の「費用」とされている。彼らが自立できるということは、それらにかかる費用がゼロになるということで、限界生産性は無限大だ。社会は維持するよりも変わることによって生産性が生まれる所以である。

2010-10-15 11:56:53