The Elder Scrolls V: Skyrim シュトラール放浪譚（13）

いかちゃん @ikachan77_game

スザンナからは、店主のエルダもダークエルフを毛嫌いしていることや、灰色地区にある「コーナークラブ」と呼ばれる場所で良い酒が飲めることを教えてもらった。そこは酒場なのだろうか？　機会があれば訪ねてみようと思う。 #skyrim

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フロントへ戻ってエルダから夕食を幾つか買い込んでいたところ、２階から男性が下りてきた。彼こそが宿屋の前でスヴァリス・アセロンと言い争っていた石拳のロルフだった。フロントにある長椅子へ腰掛けたところで声を掛けてみることにした。 #skyrim

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すると開口一番、ダークエルフびいきなら、この街から出て行けと横柄な口振りで応じてきた。何故そこまでダークエルフを嫌うのかと問うてみたところ、この街に住みながら何もせず、内戦の際にも従軍しないことから、帝都のスパイだと決めつけているようだった。 #skyrim

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サルモールの連中もエルフであることから、互いに結託しているのではないかと彼は考えているらしい。確かにサルモールに対する嫌忌の念には私も共感するものの、そこまで一方的に断定する考え方は気に食わないと反対意見を述べた。 #skyrim

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これがロルフにとっては売り言葉となったらしく、彼の怒りは頂点に達し、殴り合いの喧嘩を吹っ掛けてきた。スヴァリスの名代というつもりはないけれど、ダークエルフらの不満を代弁すべく受けて立った。彼が立ち上がると、その場から離れて空き部屋となっている客室へ彼を誘い込んだ。 #skyrim

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ここなら野次馬を巻き込むことも無く被害を最小限に抑えられるだろう。彼は石拳のロルフという通り名を持っているので、その腕前を確かめるようとするも、名前負けしているというか口程にもなかった。あっさり負けを認めた彼は、潔くその場から引き下がって行った。 #skyrim

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野次馬が散開して平穏を取り戻すと、２階から吟遊詩人のものと思われる女性の歌声が聴こえてきた。これまでに出会ってきた吟遊詩人は全て男性だったことから物珍しさに惹かれ、一目その姿を確かめる為に２階へ上がってみることにした。 #skyrim

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てっきりノルドかと思いきや、ダークエルフの吟遊詩人だったことに驚く。ロルフやエルダも居る中で揉め事は起こらないのだろうかと不安に感じるも、ルアフィンという名の吟遊詩人は臆する様子もなく堂々と歌い続けていた。彼女が歌い終わり、一区切りついたところで話し掛けてみた。 #skyrim

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彼女もソリチュードにある吟遊詩人の大学で学んだ一人であるらしく、ルアフィンの得意とする曲は「迫害の時代」と「ドラゴンボーンが来る」の２曲で、この内「迫害の時代」は曲名と歌詞は違えど、これまでに各所で聴いてきた「侵略の時代」と同じ旋律だった。 #skyrim

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なるほど、確かにウィンドヘルムで「侵略の時代」をそのまま歌えるわけがない。所変われば品変わるのは当然のことか。それを帝国軍の本拠地であるソリチュードの大学で教えているのかどうかは疑問に思うも、吟遊詩人の中では不文律になっているのかもしれない。 #skyrim

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「キャンドルハース・ホール」の名の由来となっている、暖炉の上で今も燃え続けている蝋燭の灯りを確認してからフロントへ戻ると、カウンター席にはトールビョルン・シャッター・シールドという名の男性が酒を飲んでいた。 #skyrim

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彼は両手武器専門のスキルトレーナーのようであるものの、今はニルシンという者の姉妹が殺されたと呟いて、悲嘆に暮れている様子だった。一体、誰に殺害されたのだろうか？　そのことについて詳細を知りたいと思い、彼にノルド・ハチミツ酒を一杯奢ることで話を引き出そうと試みた。 #skyrim

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しかし、こちらの意図は見透かされていたようで、娘の死をまだ受け入れられないとして、やんわりと発問を封じ込められた。そう言われてしまうと、今はそっとしておくしかない。ただし、それとこれとは話が別なのか、ハチミツ酒は戻ってこなかった…。 #skyrim

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そろそろ日が暮れてきたことから、アベンタス・アレティノの家へ向かうことにした。施錠はされているものの、素人でも開けられるような簡単な鍵だった。屋内へ侵入したところ、何やら奥からぶつぶつと呟いているのが聞こえてくる。これが「黒き聖餐」と呼ばれる詠唱だろうか？ #skyrim

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「愛しき母、愛しき母よ。あなたの子をお送り下さい。卑しむべき者の罪は血と恐怖で清められなければならないのです」と何度も言い続けている。一体いつから始めているのだろうか？　宿屋「ナイトゲート」にまで噂が伝わっているくらいなのだから、昨日や今日のことではないだろう。 #skyrim

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リディアには玄関で待機してもらい、声のする方へそっと近づいてみる。時折、グレロッドという名の老女に対する恨み言も聞こえてくる。恐らく闇の一党に始末してほしい人物なのだろう。少年の姿を見つけて辺りを見回すと、その一室の中で怪しげな儀式を執りおこなっていた。 #skyrim

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ここから見えるのは人骨、何かの肉、１冊の本とその上にベラドンナだろうか？　１輪の花が添えてある。それらは円形状に配置された無数の蝋燭で取り囲まれており、彼はナイフのようなもので床を傷つけない程度に何度も突き刺すような仕草でコツコツと叩いていた。 #skyrim

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彼の執念と怨念からは恐怖を感じ、いつまでも直視できそうにない。いたたまれなくなって「大丈夫か？」と声を掛けたところ、アベンタスは手を止めて歓喜しながら振り返った。どうやら私のことを闇の一党の暗殺者だと勘違いしているようだ。 #skyrim

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彼を騙すわけにはいかないと思い、君が思っているような者ではないと否定するも、少年はまるで信じるつもりはないようだ。むしろ仕事を受けて欲しいと懇願してくる始末だった。「仕事？」と聞き返したところ、彼は事情を説明し始めた。 #skyrim

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母を病で亡くして孤児となったアベンタスは、リフテンにあるオナーホール孤児院へと送られた。ところが、周囲から「親切者のグレロッド」と呼ばれる院長には裏の顔があった。「親切者」とは名ばかりであり、彼女の本性は孤児を玩具のように扱う酷い女性だと言うのだ。 #skyrim

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そんな虐待に堪え兼ねたアベンタスは孤児院から逃げ出して、ここへと戻って来た。そしてグレロッドへの恨みを晴らすべく、黒き聖餐を始めたということだった。最後まで暗殺者だと信じて止まない彼は直ぐに依頼を果たして欲しいと急き立ててきた。 #skyrim

いかちゃん @ikachan77_game

彼はオナーホール孤児院には戻りたくないと言いつつも、本音はここにいることがとても寂しく、今も孤児院で苦しんでいる友達には会いたいらしい。アベンタスの言う通り、本当に孤児院でグレロッドが横暴を振るっているとすれば看過することは出来ない。 #skyrim

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しかし「親切者のグレロッドを殺す」かどうかは、一度、本人の為人を見極める必要がある。二つ返事で引き受けるわけにはいかないので、即答を避けた。ウィンドヘルムに来て早々のことではあるけれど、明日にはリフテンを目指さなければならないようだ。 #skyrim

いかちゃん @ikachan77_game

彼は最後に、コンスタンス・ミシェルという名の人物だけは誤って殺すことのないように気をつけてほしいと注意を促してきた。その者はグレロッドと違って善い人らしい。さて部屋を出て行く前に、彼の足許にある１冊の本を手に取ってみた。表題は「キス、愛しの母」と記されていた。 #skyrim

いかちゃん @ikachan77_game

しかし、題名からは想像できないような内容であり、まさしく闇の一党を呼出す「黒き聖餐」の儀式について詳細に記されていた。この儀式で必要になるのは、心臓、頭蓋骨、筋肉を含む本物の身体の部位で、最初にこれらを使って犠牲となる人物を模した人形を作ることから始まるようだ。 #skyrim