- ZF_phantom
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笠地蔵 昔、あるところに、貧しいけれどマッチョなおじいさんとおばあさんがいました。ある年の大晦日の事、おじいさんとおばあさんは、正月の餅を買うために笠を編みました。村はずれまで来ると、地蔵が六体ならんでいます。 これを見たおじいさんは、そのまま通り過ぎる事が出来ませんでした。
2015-03-01 11:13:32お爺さんは地蔵の目が隠れるように笠を被せました。最後の一つが足りずに自分の笠を被せましたが、間に合いませんでした。地蔵の目がうっすら開きました。「しまった!」おじいさんは猛烈な吹雪の中を家に急ぎます。
2015-03-01 11:15:50「ばあさん!家中の木材を持ってくるんだ!それに金槌と釘だ!」「どうしたの?」「いいから急げ!」おじいさんは必死の形相で戸板に角材を打ち付けます。「窓も塞げ!早く!」吹雪の音に混じって、ずしん、ずしんと何か重い物が落ちるような音が聞こえてきました。「ばあさん、扉を押さえるんだ!」
2015-03-01 11:19:48重い音はついに扉の外まで来ました。そして家全体が揺さぶられるような衝撃が起きました。「来た!押さえろ!」おじいさんとお婆さんは必死にドアを押さえますが、衝撃はどんどん強くなります。ついにばあさんの眼の前の戸板が破られ、錫杖の先が飛び込んできました。「ばあさん、屋根に登るんだ!」
2015-03-01 11:22:49おじいさんとおばあさんが屋根に登ってみると、家はすっかり囲まれて、無数の地蔵が家に体当たりしています。「ここももうじき潰される。」「どうしたらいいの?」「いいか、地蔵の弱点は頭だ。金槌で頭を割れ!さあ、飛ぶぞ!」「怖いわ!」「いいから飛ぶんだ!!」
2015-03-01 11:26:12屋根から飛び降りたおじいさんとおばあさんは金槌で地蔵の頭をたたき割ります。頭を割られた地蔵はそのまま倒れて動かなくなります。しかし、無数の地蔵がじわじわとおじいさんとおばあさんに迫ります。おじいさんが「こいつら何体いるんだ?」と行った時、おばあさんの金槌の柄が折れてしまいました。
2015-03-01 11:29:02「ばあさん、逃げるぞ!」「待って!」「どこへ逃げるの?」「村はずれに採掘場の廃坑がある!あそこなら電話がある!そこまで走れ!」おじいさんはおばあさんを連れて走ります。地蔵に追われながらおじいさんとおばあさんは村はずれの廃坑まで来ました。ですが、電話線は既に切られていました。
2015-03-01 11:33:32おひるごはんです。 昨日の残りです。 p.twipple.jp/idE4O p.twipple.jp/m9YTr p.twipple.jp/uQIV5
2015-03-01 11:40:11電話線が切れたことに気がついたおじいさんとおばあさんに地蔵の足音が迫ります。おじいさんはおばあさんに言いました。「広い場所では囲まれてしまう!坑道に逃げ込むんだ!」「怖いわ!」「地蔵よりマシだ!」地蔵に追われながら廃坑を走っていると、左右の坑道や縦坑からも地蔵が迫ってきます。
2015-03-01 12:12:14「坑道があちこちで繋がっているんだわ!」「前の方が少ない!前の地蔵をやれ!」「きゃあっ!」おじいさんが金槌で地蔵と戦っていると、おばあさんが地蔵につかまり、金槌をはじき飛ばされてしまいました。お爺さんはおばあさんにのしかかっている地蔵の頭を割っておばあさんを助け出しました。
2015-03-01 12:15:16地蔵を倒しながらしばらく進むと、小さな休憩所のようなところがありました。椅子、ランプ、針金、ツルハシ、ハンマー、マッチ、天秤棒がありました。 どれを選びますか?(おじいさん) 椅子 ツルハシ ハンマー 天秤棒 どれを選びますか?(おばあさん) 針金 ランプ マッチ ハンマー
2015-03-01 12:20:45おじいさんはツルハシと天秤棒を、おばあさんはマッチとハンマーを選びました。ツルハシもハンマーも金槌より強力なので、地蔵は一撃で頭を割られます。「こいつはいい。」おじいさんとおばあさんはたいへん喜びました。でも、地蔵は次々に襲って来ます。おじいさんとおばあさんは縦坑に逃げました。
2015-03-01 12:25:56地蔵は縦坑の下でずしんずしんとジャンプしていますが、縦坑に登ることができません。おじいさんとおばあさんは一息つきました。おばあさんは言いました。「なぜ私たちが地蔵に襲われなくちゃいけないの?笠を売りに行こうとしただけなのに!」おじいさんは言いました。「おそらく大統領が絡んでいる」
2015-03-01 12:30:30「地蔵は村人が村から出ないように監視していたんだ。俺が村を出て笠を売りに行こうとしたから、地蔵が襲って来たんだ。」「でもどうして?」「それはわからない。」下では無数の地蔵がジャンプしています。突然、縦坑の壁にヒビが入りました。「しまった!奴らは振動で落盤を起こそうとしている!」
2015-03-01 12:33:55縦坑の上から小さな石が降り始めました。「落盤するぞ!掴まれ!」おばあさんはおじいさんにしがみつきました。人一人がやっと通れるくらいの縦坑です。逃げる場所はありません。おばあさんは言いました。「このままじゃ岩が落ちてきて潰されるか、地蔵のまん中に飛び降りるしかないわ!もうダメよ!」
2015-03-01 12:37:26上の方からゴォーッという地鳴りがしました。「落盤だ!」お爺さんは下を見ました。地蔵がウヨウヨと動いています。とても飛び降りることはできません。おじいさんはとっさに天秤棒をとって壁に出来たヒビにハンマーで打ち込みました。「これで岩を支えられるか・・・」とうとう落盤が起きました。
2015-03-01 12:42:49ものすごい音がして、岩は天秤棒で止まりました。ですが、天秤棒がいつまで持ちこたえるかわかりません。「横坑を探すんだ!」おじいさんとおばあさんは今まで登ってきた縦坑をすこしずつ下がっていきます。上では天秤棒がみしみし音を立てています。「横穴なんかどこにもなかったじゃない!」
2015-03-01 12:45:50おじいさんとおばあさんは必死で横穴を探します。諦めかけたその時、おばあさんの頬に風が当たりました。「ここから空気が出ているわ!」おじいさんは言いました。「ツルハシで掘るんだ!早く!」お婆さんはツルハシで風の出てくる場所を崩しました。すると、隣の坑道に繋がっていました。
2015-03-01 12:48:51おじいさんとおばあさんが隣の坑道に逃げたとたん、天秤棒が折れて岩が落ちていきました。その下では地蔵がたくさん埋まってしまったようです。おばあさんは言いました「やったの?」「いや、まだだ。」かすかに地蔵のジャンプする地鳴りが聞こえいます。「とにかく使える物を探すんだ!」
2015-03-01 12:51:47おじいさんは廃坑の中で炭俵が積まれているのを見つけました。「昔の人夫が使ったものだな・・・」「持っていくの?」「こんなに持っていけないだろう。だが少しとっておくか」お爺さんは炭の塊をいくつか懐に押し込みました。いつの間にか地蔵の音はしなくなっていました。「静かだな・・・」
2015-03-01 12:58:44