マザーウィル泊地 #23 冬の大惨事最規模作戦

燃料が尽きた柱島。
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Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

柱島に残った叢雲、叢雲食堂の叢雲数名がその背中を見送った。 解体されたり、退役したり。彼女らには資源高騰は無縁、というわけでもないが、動けなくなることはない。 その姿が水面下に消える頃、バティラス級3番船ピエール・ジョーマが水平線に見えた。定期輸送便だ。 #マザーウィル泊地

2015-02-25 20:51:34
Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

天龍率いる護衛艦隊に率いられているが、それは敵艦に襲われることを危惧していたのではなく、柱島の植えた獣に襲われることを恐れてのことだ。 「どけどけ喰うだけの無能ども!資源様のお通りだ!」 「また初風が囮になったの?」 首だけの初風が、天龍の肩に担がれていた。 #マザーウィル泊地

2015-02-25 21:00:19
Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

希少艦と名高い初風も、SoM泊地ではそう珍しくもなかった。 「何人目の私かしら?」とはまさに彼女らしい自己紹介だった。大破すると必ず首だけになるのも特徴的だ。損傷の度合いが首から下全部と確定なので、資源の計算が易く囮や盾に使われるのだ。 #マザーウィル泊地

2015-02-25 21:24:32
Rey.Redeyesers @S_O_M_Harbor

続々と遠征艦隊が帰ってくる。数多くの同じ顔、同じ体躯。量産された兵力のうち、信用されるものだけが許された誇り高き艦隊。飢えた艦は敵味方問わず沈める。輸送船が一隻失われれば、都市が一つ崩壊するのだ。それくらいの非情さを求められるのは当然だった。 #マザーウィル泊地

2015-03-06 15:58:38