「あきらめる」こと

”あきらめる”の本当の意味って?
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和佐大輔&木坂健宣 @wasakisakaradio

今日の沖縄は風が異常に強い。いや、「異常」というのは東京の感覚と比較してだから、地元の人としては普通なのかもしれないけれど。そんな轟音を聞きながら、ふと、思い出したこと。徒然に書くので、ちょっと長くなるけど。

2015-03-10 05:15:19
和佐大輔&木坂健宣 @wasakisakaradio

僕のセミナーの生徒でもあり大切な友人でもあった人が、「木坂君、諦めるってのは、“明らかに見る”ってのが語源らしいよ。だから、“あるがままに何かを見る”ためにはいろんなことを諦めないといけないんだよ」と話してくれたことがある。

2015-03-10 05:15:40
和佐大輔&木坂健宣 @wasakisakaradio

僕とほぼ同世代なのに坊さんみたいなことを言うなぁと思ったが、Etymologyとしてどうかという話はともかく、この言葉は「人間関係」の最も根本的な、大切なこととして、現在僕の対人関係の土台をなしている。期待をするから目が曇る。見返りを求めるから感性が腐るんだ、と。

2015-03-10 05:16:04
和佐大輔&木坂健宣 @wasakisakaradio

だから僕は何かにつけて「冷めている」と思われることが多いが、それは「諦める」という言葉の理解が、ほとんどの人とはズレているからだと思う。あの日以来、諦めるというのは、僕の中でとても前向きな概念として生まれ変わっている。でも世間では、とても後ろ向きな言葉だ。

2015-03-10 05:16:33
和佐大輔&木坂健宣 @wasakisakaradio

「明らかに見る」とは、こちらの希望や好き嫌い、解釈を差し挟まない相手を「そのまま見る」こと。僕はそれを「好意」だと思うし、多少の言い過ぎを許してもらえるならば「愛」だとすら思っている。そこにあるのは、相手を(自分勝手に)歪めたりせず受け取ろうという純然たる意志だから。

2015-03-10 05:18:03
和佐大輔&木坂健宣 @wasakisakaradio

つまり、「愛」は感情みたいな刹那的なものなのではなく、「意志」というどこまでも理性的なものであり、だからこそ「普遍的なもの」なのだなと。僕はそういう理解の片鱗を、彼からもらったと思っている。

2015-03-10 05:18:22
和佐大輔&木坂健宣 @wasakisakaradio

その意味で僕は、「明らかに見る」ことができない人が、誰かを理解することなんてできないと思うし、人間「関係」を構築することもできないと思う。悩みのほとんどは人間関係の悩み、なんて言われるが、そりゃあ、ほとんど誰もエゴを諦められないから、当然だなと。

2015-03-10 05:18:43
和佐大輔&木坂健宣 @wasakisakaradio

人は概ね、愛を「くれ」と叫ぶだけ叫んで声を枯らして死んでいく。まさか、「諦める」ことが「愛」に結びつくとは夢にも思わないで死んでいく。もしかしたら、彼がいなければ僕もそうだったのかもしれない。

2015-03-10 05:19:05
和佐大輔&木坂健宣 @wasakisakaradio

僕の人生をちょっとだけ(意図せず)変えた彼は、一年半くらい前に突然(と言っていいと思うが)癌で死んでしまった。彼から「明らかに見る」ことを、「愛」の片鱗を教わり、そのおかげで彼の死を普通に乗り越えられたのは、何の因果かなと今でも思う。

2015-03-10 05:20:00
和佐大輔&木坂健宣 @wasakisakaradio

半年前の一周忌、彼の地元名古屋にそっと挨拶をしに行った。あなたが意図せず発した言葉が僕の人生を確かに変えたということを、初めて伝えることができた。目の前の石はもちろん無言だが、不思議なもので、何か返事が来たような気がした。

2015-03-10 05:24:31
和佐大輔&木坂健宣 @wasakisakaradio

彼のように「諦める」ことができていた人が早く死に、僕のような何でもない人間が長生きする。人生スタートも不公平なら終わりも不公平だなと思うけど、その不公平さが人生なのだと、今日もまた一歩諦められるように、ちゃんと生きよう。

2015-03-10 05:25:11