1 『はい、隆平さん』 「やった~!」 『こっちは章ちゃん』 "ありがとぉ〜!" なんや... 章ちゃんとおんなじか... お菓子教室の帰りっていう彼女から チョコのプレゼント
2016-02-16 00:01:112 "どんなんかな?開けてもいい?" 『どうぞ』 "わー上手にできてるやんか! おいしそうやなーマル" きゃいきゃいするふたり... はやる気持ちを抑えて 綺麗な箱を開ける 「あーーっ! 章ちゃんのいっこ多い!」 "えぇ?"
2016-02-16 00:01:173 「ほらぁー!僕のん7個やのに 章ちゃん8個入ってるやんか~」 『え!?そうだったー?』 "わははー!ほんまや~" 『ご、ごめんね!わざとじゃ... 色で箱選んだから...』 僕のオレンジ色の箱は六角形で 章ちゃんの青い箱は丸いやつ
2016-02-16 00:01:264 「ずるいーっ!」 『えっと、 ちょっと失敗したやつでもいい?』 "ほら!マル、まだあるって!" 「いややー!」 立ち上がって地団駄踏む僕を 慌てて宥める君... 大笑いの章ちゃん 違うねん...
2016-02-16 00:01:355 そっちのちょっと不揃いなやつ 帰って信ちゃんと食べるんやろ なんや残り物かいな、 なんか言いながら あーん...とかしたりして... 君が作ったものぜーんぶ ひとりじめしたいのに... pic.twitter.com/cuFmMOk2Te
2016-02-16 00:01:441 『あーぁ…もう帰りたくないな』 「…ほぇ?」 なにその刺激的な台詞 もっかい言うてくれへん? 一瞬ウトウトしてもうて ちゃんと聞いてなかったやん 大好きな君とふたりきり 手を伸ばしたら届く距離で もうすぐ日付が変わろうという時間
2016-01-12 09:15:152 僕にとっては 最高のシチュエーション ただひとつ、ここがオフィス っていうのを除けば… 定時過ぎてから クレーム処理に追われて やっと片付いたと思ったら 今度はパソコンがバグって 気がついたら ふたりだけになってた
2016-01-12 09:15:233 『ごめんねー!まるちゃん 元はと言えば私の仕事なのに 巻き込んじゃって…』 「そんなん気にすんなって」 そんなん全然 むしろラッキー たまたま居合わせて 手伝うことになったのも ありそうでなかった偶然 今年は僕にも 運が向いてきたんかも
2016-01-12 09:15:324 帰りたくない…なんて そんな台詞に慌てて姿勢を正せば 椅子の背もたれに仰け反って 両手を投げ出して 電池が切れたみたいに 動かへんけど このまま寝たいって意味やんな 今から家に帰っても また数時間後には 出勤してこなあかんし
2016-01-12 09:15:405 それとも… 大好きな人の無防備な姿 長いまつ毛 ちょっと開いた唇 何も言わず抱きしめてしまおか ずっと好きやったって 言うてしまおっか こんなチャンス もう二度とない気がする
2016-01-12 09:15:486 いやいや… なに考えてんの ここ会社やで それにそんなことして 拒まれたら まるちゃんのこと そんな目で見てなかった… そんなん言われたら 立ち直られへん 仲のいい同期で このままでおる方がええんかな
2016-01-12 09:15:557 一瞬のうちに ぐるぐる考えを巡らす あ〜どうしよ! もうええわ 当たって砕けろ、や そーっと立ち上がって 柔らかそうな髪に手を伸ばす
2016-01-12 09:16:028 もう少しで触れそうなとこで ぱちっと目を開ける君 「…ぅわっ!」 ごまかしきかへんこのキョリ! 『チャンスタイムしゅーりょー』 「へ?」 『さっ!帰ろ、まるちゃん』 立ち上がって さっさと帰り支度をはじめる君 「ちょっ…ちょっと待って!」
2016-01-12 09:16:089 「チャンスタイムてなにぃー?!」 『知らなーい』 「えー?!」 笑いながら走り出す君を 慌てて追いかける エレベーターでつかまえたら もう離さへんで pic.twitter.com/8DfvQWNAvb
2016-01-12 09:16:201 微かに聞こえるエンジン音 しばらくして響くヒールの音 足音でわかる こんな夜中に帰ってくるやつも そうおらんし ゲーム画面を閉じて スマホをゆっくり置くと ソファーに横になる
2016-01-14 02:12:292 『ただいま…』 「遅いってぇ」 『仕事がトラブっちゃって…』 「今…誰に送ってもろたん?」 『ただの同僚…手伝ってくれたから』 「キスだけでこんな夜中まで 付き合わされたんや…かわいそ」 『なっ…!』 「口紅はげてんで」
2016-01-14 02:12:393 ハッと口をつぐむ君の 顎をつかんで顔を寄せた 『……』 「うっそー」 思わず身をすくめた君が 目を開けて睨む ふっ...わっかりやす 「あーあっぶな… 間接キッスしてまうとこやった」
2016-01-14 02:12:544 「早よ風呂入ってきぃ 明日も早いんやろ...」 『ん...隆平は...?』 「もう入ったし...もう帰るわ」 『なんで...!せっかく...』 「またな」 『またって...』 「それまでおあずけや」 pic.twitter.com/kBAW75a7sy
2016-01-14 02:13:111 『…さむ』 かじかんだ指先に息をかける君の 肩をそっと引き寄せた 『…隆平…さん?』 またほらそんな無防備な顔して 僕のこと見つめてくるから もう言うてまうで 泣きたいぐらい好きなこと
2015-12-24 02:14:542 「は、初めてあったときからずっと… ずっと好きでした…」 『…え』 はぁ…言うてもうた… 君はちょっと困った顔して 腕の中からすり抜けてって またなんにもなかったみたいに笑う はぁ… わかってる どうにもならんこと
2015-12-24 02:15:013 "なぁマル…マル!?" 「…ふぇ?」 "なんなんボーっとして" 「い、いやいやなんもないで…!」 やば!つい妄想グセが… なんか口走ってなかったかな "こんなん好きそうちゃう?信ちゃん" 「…あ、ああそう…やな」 『そお?じゃこれにしよっかな』
2015-12-24 02:15:104 章ちゃんと君と僕… 美容院に行った帰り 君が買い物に付き合ってほしいって …信ちゃんへのクリスマスプレゼント 頬をほんのり染めて 嬉しそうに選ぶ君を どんな気持ちで見たらええの
2015-12-24 02:15:185 急にクルッと君が振り向いて セーターを僕の身体にあてる ほわっ…! 『…こんな感じ、どぉ?』 僕の顔と鏡を交互に見比べて笑う君 あかん… わかってても…胸が早い
2015-12-24 02:15:246 こんなふうに君とデートして プレゼント選びあって… いつも夢にみてるよ ドキドキを悟られたくなくて ぎこちなく固まって 鏡の中にいるのは ヘラヘラ笑ってる僕 こんなそばにおんのに…な
2015-12-24 02:15:327 心の中に雪が舞って その雪を君が踏みつけて行く 逢えば逢うほど切なくて でも逢いたくて もう…どうしょうもないわ 永遠に手の届かないひと 〜Powder Snow〜 pic.twitter.com/1ct1Ke8vLL
2015-12-24 02:15:48