- love_suzume
- 5500
- 0
- 0
- 0
1. ちょっと、これ...ほんまにどーゆーつもりなん? 突然、俺んち来たりして。 それが貸したノートを返すだけの用事であったとしても...。 期待すんなって言う方が無理なこの状況。 「ねえねえ、ついでにね、ちょっと教えてほしいとこあるんだ」
2014-09-11 12:10:132. バリ眠い一限に欠かさず出席してノートとってんのも、朝が弱い彼女のため。 俺の女神さま。 片想いももう2年やし、たまに虚しくなるけど、でもテスト前に、 「しょうたくんお願い。ノート貸して?」 って、うるうるの上目遣いで言われると、ああもぉ、生きててよかったって思ってしまう。
2014-09-11 12:10:223. なんてダメな俺。 彼女は俺の真向かいに座って、ノートを広げる。 「この実験のとこなんだけど...」 話を聞いてるフリしながら、とりあえずヤバいもんは全部クローゼットの中に押し込んだし、トイレの掃除はたまたま昨日したしトイレの神様ありがとう...とかいろいろ考えてる。
2014-09-11 12:10:304. 「しょうたくん、聞いてる?」 「え、あ、これは...」 説明し始めると、彼女はノートに顔を近づけてふんふん聞いてる。 ...ちょっと、あの、その、胸元がゆるいってゆーか...さ...。 ガン見したいのをギリギリ抑えて、視界の端っこで捉えたものを頭にしっかり焼き付けた。
2014-09-11 12:10:365. 俺は...ユーワクされているのでしょうか...。 まさかまさか、そんなこと。 だって、彼女に告白した奴らはイケメンも金持ちもめっちゃおもろい奴もみんな玉砕してて、揃いも揃って同じことを言われてた。 ごめんなさい。好きな人がいるの。 「え、どういうこと?」
2014-09-11 12:10:446. 彼女がそう言って膝立ちになったから、隣に来てくれんのかなって緊張したら、はす向かいに移動して座った。 がっかりしたような、ホッとしたような...。 や、でもこれはこれで...脚がさ...。 白くてすべすべで柔らかそうな...。 あかんわ。 なんかもう、いろいろあかん。
2014-09-11 12:10:537. ぶるっと頭を振って、できるだけ手短に説明した。 「そっかぁ。ありがとう。しょうたくんやっぱりすごーい」 ぱちぱち拍手されて、もう俺、今日死ぬんちゃうかってくらいに舞い上がってる。 「じゃあ、帰るね」 「えっ?」 彼女がなに?って小首を傾げた。
2014-09-11 12:11:038. だって...。 これって誰がどう見ても千載一遇の大チャンスなワケで。 今言わんかったら一生言われへん。 「あ...あのっ!」 立ち上がろうとしてテーブルの脚につまづいて...。 「しょうたくん...?」 俺の下に彼女の顔があって、ゴクリと唾を飲み込んだ。
2014-09-11 21:00:289. 「あ...ごめん...」 そう言ったくせに彼女を押し倒したまま身体が固まって、動けない。 「...いいよ...?」 「は、えっ?」 彼女の手が、俺の頬を撫でた...。 「しょうたくんなら...いい...よ?」 「...えっ、ちょっと、や、ば、何をゆーてんの、もぉ」
2014-09-11 21:00:3310. 慌てて彼女の腕を引っ張って身体を起こした。 「しょうたくんは...」 「な、なな何?」 「...好きな人...いる...の?」 彼女がうるうるの上目遣いで聞いてくる。 君が好きや...って。 どう考えても今やぞ、俺...。
2014-09-11 21:00:3711. 口を開こうとしたら、柔らかいものに唇を塞がれた。 はっ? ちょっと...俺、キスしてる...? 唇を離すと、彼女は真っ赤な顔で俯いた。 「帰る」 えっ? 彼女は立ち上がって、もう靴を履いてる。 「ちょ、待って!今の...」
2014-09-11 21:00:4312. 「...だって...しょうたくん、全然きてくれないんだもん...」 え.......。 好きな人がいる...ってのは...。 「私...言わなきゃダメ...?」 ...それって...。 俯いた彼女に、今度は俺からキスをした。 「...す、好きです。大好き...」
2014-09-11 21:00:4913. 「...私も...大好き...です...」 そのまままた、彼女を部屋に引っ張り込んで...。 そっから先は、まあ...言われへんけど。 嘘みたいなほんまの話。 とにかく。 女神さまは俺の彼女になった。
2014-09-11 21:00:58