沖縄の神秘体験

樋口耕太郎 @trinity_inc

沖縄では神秘体験や出来事が日常茶飯事だ。私が沖縄で知り合った方は、私が沖縄に来る何年も前から（つまり私を知る何年も前から）私の夢を繰り返し見続けていたという。だから私をはじめて見かけたときは、既に私のことを知っていたし、私がどんな服を着て現れるかも知っていた。

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6年前、私が沖縄に来て間もなくの頃、偶然知り合ったオジイに、「樋口さん、男が真に大きくなるためには、三つの失敗を経験しなければならない。ひとつは、女の失敗、ひとつは、仕事の失敗、ひとつは、男の失敗。沖縄がそのきっかけになるだろう」。

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その後の1年で私はそれまで手にしていた全てのものを一旦「捨てさせられる」ことになる。離婚を経験し、一切の仕事を解任され、（世間的に表現すれば）事業パートナーから手痛く裏切られた。それは私の人生に起こった最高の出来事のひとつだった。

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これも偶然知り合った人からいわれたこと。「何か本当に新しいことに踏み出そうとするとき、両手いっぱいに荷物を抱えていると、大事なものはなにも掴めないよ。両手の荷物を一旦全部降ろすことがなにより大事なんだ。」

樋口耕太郎 @trinity_inc

沖縄は自分自身に向き合わされる土地だ。資本主義社会で自分が積み上げてきた「荷物」に、本当に価値のあるものか、ひとつひとつ検証させられるのだ。沖縄では本土で手にした荷物の上に実績を積み上げようとしても全く機能しない。沖縄で成功した本土企業が実質的に存在しない最大の理由だ。

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自分自身に出会う場所、これが沖縄の本当の価値だと思う。青い海青い空のんびりとした生活に憧れるのは分かるが、それは本土から見た沖縄に過ぎない。こんなに矛盾だらけの社会なのに「沖縄大好き」とナイーブに語るのは現実逃避の延長だ。自分自身に向き合ったとき沖縄は初めて本当の姿を現す。