茂木健一郎氏 @kenichiromogi 第1457回【死闘を見せた日馬富士も、冴えない日馬富士も、同じ日馬富士である】連続ツイート

2015.3/23 茂木健一郎氏 【死闘を見せた日馬富士も、冴えない日馬富士も、同じ日馬富士である】連続ツイート …千秋楽の結びの一番はすごかった。弟弟子の照ノ富士を援護しようと、日馬富士が死力を尽くした。立ち会いから、張り手で白鵬を攻めて、がしっと胸に飛び込んでまわしを取る。その後も頭をつけて、必死の闘い。破れはしたものの、その後、ツイッターのトレンド欄に「日馬富士」の文字。強く印象づけた…
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茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート第1457回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、昨日思っていたこと。

2015-03-23 06:55:53
茂木健一郎 @kenichiromogi

千秋楽の結びの一番はすごかった。弟弟子の照ノ富士を援護しようと、日馬富士が死力を尽くした。立ち会いから、張り手で白鵬を攻めて、がしっと胸に飛び込んでまわしを取る。その後も頭をつけて、必死の闘い。破れはしたものの、その後、ツイッターのトレンド欄に「日馬富士」の文字。強く印象づけた。

2015-03-23 06:58:17
茂木健一郎 @kenichiromogi

立行司の第37代木村庄之助さんの最後の土俵だったこともあって、深い感銘のあった白鵬と日馬富士の土俵。やっぱり、大相撲は凄いな、と改めてその魅力を感じた人も、多かったのではないだろうか。

2015-03-23 07:01:06
茂木健一郎 @kenichiromogi

あのような凄まじい相撲を見てしまうと、「普通の相撲」は何なのだろう、と考えてしまう。「無気力」とまでは行かなくても、あっさり土俵を割ったり、変化したりといった「がっかりする相撲」も、大相撲のもうひとつの顔である。力士たちは、なぜ、いつも 「凄まじい相撲」がとれないのだろう?

2015-03-23 07:02:28
茂木健一郎 @kenichiromogi

昨日の白鵬と日馬富士のような相撲は、「例外」だからこそ成立する。大相撲では、巨漢の力士が張り手をして骨折したり、体重を乗せて勝負が決まって足を痛めたり、かなり厳しい勝負も多い。もともと、巨漢で、身体を鍛えぬいた力士同士が激しくぶつかり合う相撲は、怪我と紙一重でやっている。

2015-03-23 07:04:33
茂木健一郎 @kenichiromogi

大相撲の厳しさは、毎場所、すべての取り組みをリミッターを外してやっていたら、とても持たない、そのような領域にあるのだと思う。だからこそ、力士たちは、一番いちばんの取り組みでベストを尽くしながらも、お互いに怪我をしないような、間合いの中で、勝負を決めている。

2015-03-23 07:05:57
茂木健一郎 @kenichiromogi

ところが、昨日の結びの一番のように、あまりにも大きなものが懸かり、注目も集まり、気合が入ることで、リミッターが外れてしまうことがある。毎日そんなことをしていたら、力士生命が持たない。今日だけは、抑制を外してしまうのである。そんな「火事場のバカ力」を、私たちは目撃してしまった。

2015-03-23 07:07:42
茂木健一郎 @kenichiromogi

人生でも、そんなことがあるのだと思う。毎日抑制を外していたら、命が持たない。しかし、これぞ、という時には、リミッターを解除して、死力を尽くす。そんなことが、誰の人生でもあるのではないか。生きるということの普遍的な凄まじさを見せてくれるからこそ、ここぞという大相撲は魅せる。

2015-03-23 07:09:08
茂木健一郎 @kenichiromogi

昨日、白鵬に対してあれほどの死闘を見せた日馬富士も、冴えない日馬富士も、同じ日馬富士である。ここに、人間というものの日常と非日常の不思議さがある。そして、あれだけの非日常を見せるためには、やはり、それなりの鍛錬と積み重ねが必要なのだ。

2015-03-23 07:10:24
茂木健一郎 @kenichiromogi

以上、連続ツイート第1457回「死闘を見せた日馬富士も、冴えない日馬富士も、同じ日馬富士である」をテーマに、8つのツイートをお届けしました。

2015-03-23 07:11:36