忍殺二次創作【ニンジャ・ハンティング・バイ・ニンジャ】（原文のみ）

鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

＼ #4215tk エンタテイメント ／

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◇短◇ドーモ、シカナです。これよりニンジャ二次創作短編を投下しようと思います。オリジナルニンジャ中心であり、ニンジャスレイヤーは残念ながら出てこない。必要な方は #4215tk をミュートしたり、逆にこれを使って実況とかするといいのでは？ いつもお世話になっております◇編◇

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【ニンジャ・ハンティング・バイ・ニンジャ】 #4215tk

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IRCネットワークから断絶された秘境、岡山県。キョートより流れてくる汚染大気こそあれど、アンダーガイオンやネオサイタマなどと比較すれば遥かに空気は澄んでいる。故に、索敵ニンジャたるサーチャーにとっては仕事のしやすい環境であると言えた。1 #4215tk

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（楽な仕事とはいえ、このような辺境にいつまでもいられん）心中で愚痴る彼は、全方位サイバーサングラスから取得される視界を高速スキャンし、標的を探す。ザイバツニンジャたる彼に課せられた任務は破門されたニンジャの発見、及び始末。彼は索敵のついでに同行者を伺う。2 #4215tk

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向かい側の大木の枝に溶け込むように、ギリースーツ装束のニンジャが蹲っている。アタランテー。スナイパースリケンのドージョーたるシャーテックからザイバツ入りしたスナイパーであり……かつて出奔したニンジャ、ファーコートとタッグを組んでいたニンジャだ。3 #4215tk

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視線に気づいたのか、アタランテーが僅かに身じろぎした。サーチャーは慌てて索敵活動を再開する。ファーコートのジツは既にわかっている。ハゴロモ・ジツ。ヘンゲヨーカイ・ジツの亜種であり、毛皮を着込み動物に化けるのだという。厄介な手合い。4 #4215tk

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（毛皮を着込んでいる間は、ニンジャソウルすら抑えられるという話）サーチャーは索敵を続け思考する。（詰まる所、俺のような索敵手が標的を見つけんことには始まらん）地道な作業だ。ザイバツの情報網によって、この地にファーコートが逃げ込んだことはわかっている。5 #4215tk

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不意にサーチャーはサイバーサングラスの奥の目を細めた。2kmは離れた場所に、一匹のバイオウルフが彼らの前を通り過ぎようとしている。バイオウルフが、一匹。群れも作らずに。「……アタランテー＝サン。仕掛けられるか」「問題ナイ」アタランテーが静かに答えた。6 #4215tk

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そのコンマ数秒後！シュイン、という微かな音とともにスナイパースリケンが飛ぶ！アタランテー特製のガントレットから放たれたそのスリケンは、カラテ・シャウトなしでも充分すぎる殺傷力を持っている。そのスリケンを「アオーン！」バイオウルフは回転跳躍して回避！7 #4215tk

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「見つけたァ！」サーチャーはメンポの奥でほくそ笑む！あのような挙動のできるバイオ生物がいるわけもなし。つまりはハゴロモ・ジツを使ったファーコートだ！バイオウルフ……否、ファーコートはこちらへと全力疾走を始める！「来たぞ、アタランテー＝サン！やれアバーッ！？」8 #4215tk

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突如砕け散った視界に、サーチャーは絶叫した。彼はアタランテーに振り向く。アタランテーはガントレットをこちらに向けていた。つまり（俺を……撃った！？なぜ！？）それを糾弾する間も無く「サヨナラ！」サーチャーは爆発四散！アタランテーは音もなく大木から身を踊らせる。9 #4215tk

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地面に降り立ったアタランテーの元に、バイオウルフが到達した。彼らは少しの間お互いを見つめあった。次の瞬間、バイオウルフの体が奇妙に膨らみ、だぶつく。「……ぷはっ！」毛皮となったそれを脱ぎ捨て現れたのは、細身の少女。これがファーコートだ。10 #4215tk

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彼女は眩い笑顔を浮かべ、アタランテーに抱きつく。「アタランテー！寂しかったよぉ……」ギリースーツに頬ずりする彼女をアタランテーは優しく撫でた。ファーコートがゴロゴロと喉を鳴らす。ややあって、彼女は思い出したように顔を上げた。「いつまで着てるの、それ？」11 #4215tk

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「ム……シカシ、ダナ」「もう他にザイバツの奴らはいないんでしょ？ダイジョブだって！」「ダガ」「ダイジョブ！」背伸びして顔を覗き込んでくるファーコートに、アタランテーは小さく唸った。しばしの間を置いてから、仕方なさそうにギリースーツ装束を脱ぎ捨てる。12 #4215tk

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現れたのは長髪の女である。サイバースコープ付きのフルメンポを外すと、その美貌が露わになった。ファーコートが嬉しげにその豊満なバストへ顔を埋める。アタランテーは呆れたように笑みを浮かべ、彼女の頭を再び撫でてやるのだった。「アブナイ橋ヲ、渡ッタモノダ」13 #4215tk

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アタランテーは無謀とも言える今までの作戦を……二人でザイバツを抜けるために編んだ策を思い返す。わざと痕跡を残し、岡山県へと高飛びしたファーコート。ケジメをつける意味でも、その追跡に自分が選ばれるのはそう難しいことではなかった。何はともあれ、うまくいった。14 #4215tk

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まだジュニア・ハイスクールにいてもおかしくない年頃のファーコートと組んだのはいつからだったか？アタランテーにとって、彼女はこの上なく優秀な相棒だった。優れたニンジャ第六感やニンジャ動体視力を駆使した索敵手としても、ハゴロモ・ジツによる追撃手としても。15 #4215tk

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だから彼女と気風の合わないザイバツを出奔することを決めた。あそこにいたままでは、ファーコートは押し潰されてしまう。そう危惧し、説得し、事を運び……このようになった。アタランテーはザイバツに愛着を持たない。スリケンの訓練ができれば、フリーだって構わなかった。16 #4215tk

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「ファーコートモ、元気ニシテイタカ」「うん！」ファーコートはニコニコしながら答える。「久しぶりに走り回れたからスッキリしたよ」「ソレハ、良カッタ」本心からアタランテーは言う。不意にファーコートが首を傾げた。「でも、まだザイバツの奴ら、来るかなぁ？」17 #4215tk

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アタランテーは思案する。彼女の脳裏をよぎるのは、恐るべき懲罰騎士、ブラックドラゴン。しかし。「……ドチラデモ、問題ナイ。コノ地ハ、我々ニトッテノ、フーリンカザン」「そっか！そうだね！」ファーコートの顔に笑みが戻る。アタランテーにはそれが嬉しかった。18 #4215tk

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その言葉に嘘はない。かつてフジ麓の森でサヴァイヴァルしたアタランテーにとって、自然豊かな岡山県はキョートよりも得意な場所だ。加えてファーコートのハゴロモ・ジツも、バイオ生物の多く棲むこの地帯においては身を隠す手助けとなるだろう。19 #4215tk

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「……ヒトマズハ、食料調達ダ。狩リヲスル」「ボクも手伝う！」「ファーコートハ、今マデガンバッテキタロウ？ 休ンデイルトイイ」「えーっ」頬を膨らませるファーコートに、アタランテーは微笑する。そして彼女はフルメンポを装着し、ギリースーツを着込んだ。20 #4215tk

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数日後。アタランテーは空を飛ぶバイオスズメの群れに狙いを定めていた。シュイン！スナイパースリケンが飛ぶ！一羽のバイオスズメに命中！「ブルズアイ！」楽しげに叫んだファーコートが駆け出した。走りながら毛皮を着込んだ彼女の姿が、バイオオオカミへと変わる。22 #4215tk

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数秒後、撃ち落とされたバイオスズメを加えてファーコートが戻ってきた。獲物を受け取り、アタランテーはファーコートの頭を撫でる。ファーコートがパタパタと尻尾を振った。バイオスズメもこれで五羽目。あと一羽狩ったら昼食だ。アタランテーは再び構える。23 #4215tk