正しくTogetter / min.tにログインできない不具合が発生中です。X側の修正をお待ちください(詳細はこちら)

忍殺二次創作【ニンジャ・ハンティング・バイ・ニンジャ】(原文のみ)

(これまでのあらすじ;ザイバツニンジャのサーチャーは、出奔したニンジャ、ファーコートを始末するために、かつてその相棒だったスナイパーニンジャ、アタランテーとともに岡山県を訪れた) こちらは原文のみです。実況付きはこちら→ http://togetter.com/li/802141
1
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

飛び交うバイオスズメに、狙いを合わせたその時だ。急に一羽のバイオスズメが落下した。「ナニ?」アタランテーは思わず呟く。隣のファーコートもその異常に気付いたか、厳しい表情で空を見上げた。また一羽、バイオスズメが落ちる。また一羽!24 #4215tk

2015-03-31 21:42:19
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

(コレハ)アタランテーは食い入るようにその異常を観測する。そして彼女はようやくその原因を察知した!「スリケンダト!?」思わず立ち上がって叫ぶ!彼女らから見て横合いから飛来するスリケンが、続けざまにバイオスズメを打ち落としているのだ!25 #4215tk

2015-03-31 21:45:06
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「ザイバツ?」表情を厳しくしたファーコートが、カラテ警戒しつつ周囲を探る。「イヤ……ソレニシテハ、オカシイ」アタランテーは怪訝な声を上げる。どこから狙撃しているかはわからないが、ザイバツニンジャだとしたら無意味に過ぎる行為だ。現に自分たちに存在を悟られている。26 #4215tk

2015-03-31 21:48:08
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

やがてスリケンが止んだ。残されたバイオスズメたちは混乱の中どこかへと飛び去る。「……コノ場ヲ離レルゾ、ファーコート」「わかった」頷き合い、移動しようとしたその時だった。アタランテーは背後に佇む存在に気づいた。「ナンダト?」27 #4215tk

2015-03-31 21:51:13
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

呆然と声を上げ、アタランテーはそれを見上げた。浅黒い肌。足元につかんばかりに長い銀の髪。キモノめいたニンジャ装束。十フィートはあろうかという女ニンジャなのだ!「ドーモ」立ち尽くすアタランテーを覗き込むように、ニンジャがオジギした。「ヴィルデフラウです」28 #4215tk

2015-03-31 21:54:04
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「ア……」「ドーモ!ファーコートです!」先にアイサツを返したのはファーコートだった。彼女はヴィルデフラウとアタランテーの間に割って入り、カラテを構える!それを見てアタランテーが正気に戻る!「ド、ドーモ。ヴィルデフラウ=サン。アタランテー、デス」29 #4215tk

2015-03-31 21:57:20
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「ファーコート=サンにアタランテー=サン。成る程」興味深げに目を細めたヴィルデフラウは、交互に二人のニンジャを見やり、問う。「先ほどあのスズメどもを撃ち落したのはどちらじゃ?」「アタランテーだよ!」本人よりも早く、ファーコートが答える。30 #4215tk

2015-03-31 22:00:13
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「ほう。オヌシか?」眼差しを向けられ、アタランテーは体を震わせた。このように簡単に間合いを取られたことは、一度としてない。そしてこのニンジャが纏うアトモスフィア……!「面白いオモチャをつけておるの。それは何に使う?」ヴィルデフラウが再び訊いた。31 #4215tk

2015-03-31 22:04:24
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「コレハ……スナイパーガントレット……」「ほう」「シャーテックノ、創設者ガ考案シタモノデ……カラテ・シャウト無ク、スナイプヲ……」途切れ途切れにアタランテーは答えた。平時の彼女からすれば舌打ちしてもおかしくないブザマである。しかし、彼女は完全に呑まれていた。32 #4215tk

2015-03-31 22:06:29
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ヴィルデフラウは不思議そうに首を傾げ説明を聞いている。「お前……お前ッ、なんなんだよ!?ザイバツなのか!?」痺れを切らしたファーコートが叫ぶ。ヴィルデフラウが怪訝そうに彼女を見た。「儂か。儂は近くの山に住まう者よ。ザイバツとはなんじゃ?どこぞのドージョーか?」33 #4215tk

2015-03-31 22:09:07
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「えっ……ザイバツ、知らないの?」ファーコートが気勢を削がれたように呟く。ヴィルデフラウの視線に促されるように、彼女はその問いに答えた。「ザイバツってのは、えーと、キョートにあるニンジャの集まりだよ」「やはりドージョーか」「いや、ドージョーとは違うけど……」34 #4215tk

2015-03-31 22:12:19
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ファーコートが答えに窮する。ようやく冷静さを取り戻したアタランテーが、逆に問いかけた。「シテ、貴女ハ何用デここに?我ラト、イクサヲ?」「あン?いや、そのつもりはないぞ。どうしてもというなら遊んでやってもよいが」ヴィルデフラウが意外そうに答えた。35 #4215tk

2015-03-31 22:15:10
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「山の方からスリケンがスズメを撃ち落とすのが見えてな。年甲斐もなく張り合ってから、誰がやっているものかと思って見に来たのよ」「張リ合ウ?ツマリ、アレハ貴女ガ?」驚きにメンポの奥の目を見開き、アタランテーはヴィルデフラウを見上げる。36 #4215tk

2015-03-31 22:18:16
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「嘘だあ。スナイプできる距離にいたにしても、ここに来るのがハヤイすぎるよ」ファーコートが言う。その声にもう敵意は込められていない。ニンジャ第六感で相手に悪意のないことを察知したのだろうか。ヴィルデフラウが笑う。「嘘ではないぞ。証拠に……」37 #4215tk

2015-03-31 22:21:11
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

不意にヴィルデフラウがむんずと二人を摘み上げる!「ウオッ!?」「な、何すんだよ!」「まあ、少し大人しくしておれ」言うやいなや、ヴィルデフラウが疾走!風よりも早く森の中を駆け抜け、山を駆け上がる!ニンジャ二人にとってもジェットコースターめいた体験!38 #4215tk

2015-03-31 22:24:20
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

……「ほれ。数秒もあればできるであろうが」ようやく止まったヴィルデフラウが、二人を地面に放り出した。よろよろと立ち上がったアタランテーは、周囲を見渡す。見晴らしがいい。どこかの山の中腹部だろうか?「先ほどまでおったのが、あそこじゃな」39 #4215tk

2015-03-31 22:27:14
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ヴィルデフラウが指差したのは、遥か遠くの森林部である。「ウソ……」ファーコートがぽかんと口を開けていた。彼女がハゴロモ・ジツを使ったとしても、数分はかかる距離だ。呆然と見ていたアタランテーは、ふと気づく。「ソシテ、コノ位置カラ、スナイプヲ?」40 #4215tk

2015-03-31 22:30:10
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「おうとも」ヴィルデフラウは空に目をやり……ある一点を指差した。「ほれ、あそこ。ハゲタカが飛んでおるじゃろ」「エ?」アタランテーは間の抜けた声を上げた。慌ててスコープの倍率を調整する。言葉通り、バイオハゲタカが悠々と空を飛んでいた。41 #4215tk

2015-03-31 22:33:10
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「ソレガ、何カ」ヴィルデフラウに向き直ったアタランテーは言葉を失った。ヴィルデフラウの手にスリケンが生成されていたからだ。そして「イヤーッ!」彼女の手が霞んだ。アタランテーは慌てて放たれたスリケンの行方を追う。「オオ……」彼女は呆然と声を漏らす。42 #4215tk

2015-03-31 22:36:06
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

アタランテーのスコープは、地に落ちていくバイオハゲタカを……その額に突き刺さったスリケンを確かに捉えていた。あの距離を、特製ガントレットなしで?あのディアハンターならばやってのけるかもしれない。しかし、極度の集中が必要だろう。43 #4215tk

2015-03-31 22:39:03
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

それをこのニンジャは、いとも容易くやってのけたのだ。ベイビー・サブミッションだと言わんばかりに!「オオ……オオ……!」アタランテーの言葉に感嘆が篭る。その体が震え始めた。あれほど素晴らしいスリケン・ジツを見るのは、生まれて初めてだった。44 #4215tk

2015-03-31 22:42:11
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「ま、このような具合よ」降ってきた声に、アタランテは弾かれたように振り仰いだ。ヴィルデフラウと目が合う。「ドノヨウニシテ、アノヨウナ……!」「鍛錬じゃの」事も無げに答えられ、アタランテーは目を極限まで見開いた。その体がわなわなと震え始める。45 #4215tk

2015-03-31 22:46:02
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

ファーコートが目を丸くして見守る中、アタランテーは……迷うことなくドゲザした。ドゲザである!「ドウカ……ドウカ私ヲ、弟子ニ!」アタランテーは叫んだ。彼女は一目でヴィルデフラウのワザマエを見抜き、学ぶに十分な技術であるという結論に至ったのだ!46 #4215tk

2015-03-31 22:48:09
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「ほう!」ヴィルデフラウが驚きと喜びの入り混じった声を上げた。「本気か?いや、本気じゃの。見ればわかる。オヌシのように熱心な志願者は初めて見たぞ」「デハ……!」「うむ。構わん。我がドージョーへ来るといい」顔を上げたアタランテーに、彼女は笑みを見せた。47 #4215tk

2015-03-31 22:51:09
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「さて。連れはこう言っておるが、オヌシはどうするね。ファーコート=サン?」呆然とそのやりとりを見ていた少女に、ヴィルデフラウがからかうように声をかけた。「エッ……エート」ファーコートが困ったようにアタランテーを見やり、視線を戻す。48 #4215tk

2015-03-31 22:54:17