- kanesadax2
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蜂須賀「山姥切」 山姥切「蜂須賀、……どうしたその瓶」 蜂須賀「先の検非違使との戦いで誉を貰ったから、歌仙殿がくれたんだ。一緒にどう?」 山姥切「……俺で、いいのか」 蜂須賀「こんないい酒、飲兵衛達に知られたら一瞬で飲み干される」 山姥切「ふ、…そうだな。ご相伴に与る」
2015-04-01 21:03:46蜂須賀「はい、肴」 山姥切「準備がいいな。……これ、堀川か」 蜂須賀「よくわかったね。そう、厨に行ったら、残り物で悪いけどって、くれたんだよ。いいお兄さんじゃないか、彼」 山姥切「……そうか」 蜂須賀「嬉しそうだね?」 山姥切「見るな。その視線やめろ」
2015-04-01 21:09:18蜂須賀「全く、これほど探してもまだ浦島には会えないなんて」 山姥切「……いずれ、会うべき時に、会えるものだろう。お前の兄も」 蜂須賀「あの男は兄ではない」 山姥切「…なあ、蜂須賀。ずっとききたかったんだが。そんなに、贋作を嫌うのに、何故写しにも、…堀川にも、良くしてくれる」
2015-04-01 21:16:36蜂須賀「……君は正真正銘、名工堀川国広の傑作だろう。堀川君も、真贋定かではないとは言え、彼は、土方の愛刀だ。堀川国広の名前を高めこそすれ貶めた事などない」 山姥切「ああ、確かに、そうだ。堀川は、自慢の兄弟だ。……けれどそれは、お前の兄もじゃないのか」
2015-04-01 21:26:05蜂須賀「……はは。君に言われたら仕方ない。結局のところ、よそはよそうちはうち、としか言えないんだ」 山姥切「……蜂須賀」 蜂須賀「あ、いや、あの男はうちの者ではないけれどな」 山姥切「お前のそういうところ凄いとおもうぞ」
2015-04-01 21:28:04蜂須賀「逆にきくけれど」 山姥切「なんだ、写しになにかきいて楽しいのか」 蜂須賀「……君のその一貫したこじらせ方も凄いよ。さておき。ねぇ、山姥切、君さっき堀川君を自慢の兄弟と言ったね」 山姥切「自慢の兄弟だからな」 蜂須賀「ならどうして"兄"と呼ばないんだ?」
2015-04-01 21:31:36山姥切「……それは」 蜂須賀「それは?」 山姥切「……その、」 蜂須賀「どの?」 山姥切「問いつめ方が歌仙に似てるぞ蜂須賀」 蜂須賀「歌仙拵えの本歌殿、之定殿に似てるなんて江戸の世の生まれとしては光栄かな。それで、どの?」
2015-04-01 21:38:05山姥切「……兄と思ってない訳じゃない」 蜂須賀「うん」 山姥切「……たぶん、あんたと逆なんだろうな。……あいつは、堀川国広の一振りだと、実際どうだろうが、俺はそう思ってるから、そう言いたいから、そう呼んでる」 蜂須賀「うん」 山姥切「その目、気に入らないな」
2015-04-01 21:42:05蜂須賀「ところで山姥切」 山姥切「なんだ、これ以上なにかあるのか」 蜂須賀「ここに鶴丸殿から借りた無線機があって」 獅子王『国広部屋と繋がってるんだが!』 山伏『カカカカカ! 驚いたか! 兄弟!』 山姥切「!!!!?!?」
2015-04-01 21:49:01愛染「ん? 山姥切の悲鳴?」 蛍丸「今日負けたんじゃない、川の字真ん中争奪じゃんけん。なんか悶え苦しんでる堀川の声も聞こえるし」 愛染「みたいだな、山伏が笑ってるし、今日は山伏が勝ったのか」 蛍丸「早くこないかなー国行、俺たちも寝よ国俊」 愛染「おーう、おやすみ蛍」
2015-04-01 22:01:38鶴丸「はは、俺は言ったとおり嘘はついていないぞ? 無線機を渡したのも昨日だし今日はなにもしていない。驚いたか? うんうん俺も驚かせて貰った。だから下ろしてくれないか。なあ山姥切さすがにこの老体に逆さ吊りで放置は厳し、ちょっ、アッー!」
2015-04-01 22:23:20山伏「落ち着いたか」 山姥切「俺は強い」 鶯丸「落ち着いていないな、どれ、俺が引こう」 三日月「先駆けは譲らんぞ、先頭は静かだ」 獅子王「どっから出てきてどこに連れて行くきだじーさま達!」 三日月「なに、箱根の」 今剣「やまのはなしをしました?」 獅子王「皆寝ろ!」
2015-04-01 22:30:24蜂須賀「浦島の気配を察知」 獅子王「蜂須賀アンタも寝ろ!酔ってんだろ!じゃーな邪魔したぜ三兄弟!」 山伏「うむ!」 獅子王「あ、なー、山姥切の国広」 山姥切「……なんだ」 獅子王「茶々入れた側から言うのもアレだけどよ、あーゆーのは面と向かって話せよな!んじゃおやすみ」
2015-04-01 22:46:22堀川「……」 山姥切「……」 堀川「……」 山姥切「……」 山伏「では拙僧は寝るとしよう」 山姥切「待て寝るな」 堀川「待って寝ないで」
2015-04-01 23:08:06堀川「あのね」 山姥切「なにも言うな」 堀川「でも」 山姥切「なにも言うな」 堀川「…うん、でもこれだけ。ありがとう、山姥切君」 山姥切「……別に、礼を言われることじゃない」 山伏「拙僧は寝ても」 堀川「もうちょっと待って」 山姥切「まだ待て」
2015-04-01 23:14:00堀川「僕もね、兄弟って、呼びたくない訳じゃないから。……君はその号を嫌だと思ってるかもしれないけど、山姥切国広は、君の号なんだ。だから僕はそれで呼びたい」 山姥切「…ああ」 堀川「山伏君もね」 山伏「カカカ、存じておる。兄者よ」 堀川「うん、じゃあ、じゃんけんしよっか!」
2015-04-01 23:20:54
和泉守「……っくう、国広、よかったなぁ……」 歌仙「そこの丸きり不審者な愚弟、物陰から様子を窺うその格好良くも強そうでもない姿は見なかったことにしてあげるからせめて顔を拭きなさい」 和泉守「ぐ」 歌仙「誰が僕の服で拭けといったこの不作法者めが」
2015-04-01 23:27:24歌仙「全く……。君がなんだかんだ堀川君を心配していたのはよぉく知っているけどね、ほら彼らも寝たようだ、君も寝なさい」 和泉守「……」 歌仙「……仕方ないな。僕の部屋に泊めてやろう。布団を持ってきなさい」 和泉守「歌仙が言うなら仕方ねーな」 歌仙「万死」
2015-04-01 23:32:02歌仙「今日は彼らに付き合ってくれてありがとう。日付が変われば、終いとさせて貰うよ。鶴丸殿じゃあないけれど、思った以上に沢山の人に見ていただけて、驚いた。重ねて感謝する。今日の彼らの話は、また後日まとめるから、気長に待っていておくれ」
2015-04-01 23:38:59歌仙「堀川の子たちを目当てに縁を結んでくれた者も多いだろう。すまないね、本来の主役は僕だ」 和泉守「オレだろ」 歌仙「今日という今日は手討ちにしてくれる。首を差し出せ」 和泉守「悪かった!」 歌仙「嘘だよ」 和泉守「ったく物騒な嘘はやめろっての」
2015-04-01 23:49:36