グレゴリー・ヤツコ元アメリカ合衆国原子力規制委員長の考える原発事故

『科学』2015年4月号に掲載されたグレゴリー・ヤツコ氏の言葉の抜粋。原発事故がいかに広範囲の事故をもたらす特殊なものであるかを述べています。
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岩波『科学』 @IwanamiKagaku

モニタリングポストを増やすとか、ヨウ素剤を整えるとか、防災体制の整備には財源の手当てがなければ実現されません。 ここで、そもそもの問題を『科学』4月号掲載のヤツコ元NRC委員長の指摘から以下に紹介します。

2015-04-03 18:45:58
岩波『科学』 @IwanamiKagaku

「原発事故だけが,汚染が敷地を越えてはるか遠方にまで及ぶ。これがそもそもおかしいのだ。立地基準とか緊急対応計画の基準が云々ではなく,事故が発生してその影響が敷地内に収まらない設計自体が問題なのだ。」(ヤツコ元NRC委員長、『科学』4月号)

2015-04-03 18:49:18
岩波『科学』 @IwanamiKagaku

「(福島第一2号機・3号機が)3 日間の猶予がありながら安定化できなかった事実は重大だ。強大な津波が原子炉を襲う。炉心が露出する。炉心溶融が起こる。それで簡単に原子炉事故へと直行してしまう設計がそもそも欠陥なのだ。バッド・デザインなのだ。」(ヤツコ氏『科学』4月号)

2015-04-03 18:51:35
岩波『科学』 @IwanamiKagaku

「リスクをゼロに近づけるだけの今のアプローチは意味がない。福島事故がある。これは実際の事故であり,起きてしまえば,確率が100 万分の1の事故ではない。確率は1 だ。どんな原子力発電所も,事故の発生確率は1 なのであり,問題はその発生タイミングだけである。」(ヤツコ氏)

2015-04-03 18:53:13
岩波『科学』 @IwanamiKagaku

「原子力防災計画などあれこれと,ただ「バッド・デザイン」に覆い被せるものを重ね続けているだけだ。…原子炉事故が起これば,寝る所すら失い,家族とも同じコミュニティの人たちとも会えなくなるかもしれない。なぜ,そのような発電技術に頼り続けようとするのか。」(ヤツコ氏『科学』4月号)

2015-04-03 18:54:57
岩波『科学』 @IwanamiKagaku

「温暖化ガスの排出を抑え,事故のリスクのない発電技術の開発と普及を,日本ができないとは思わない。国際マーケットの規模を考えても巨大で,取り組む価値が大いにある。…米国を見てみれば,原子力がこれから伸びるとは考えがたい。」(ヤツコ氏『科学』4月号)

2015-04-03 18:59:11
岩波『科学』 @IwanamiKagaku

写真はヤツコ氏の講演(収録前日の2月12日、参議院議員会館)での言葉:福島事故後の原子力の安全とは、避難を要する事故はあってはならないということ、です。この講演の要旨は前号の『科学』3月号に簡潔に紹介。サインはご本人のものです。 pic.twitter.com/Q3v59N97cp

2015-04-03 19:26:13
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