まこはる短文を剛速球でなげる。

ふぁぼ数だけまこはる短文をなげるというタグで投下したもの(*'ω'*) ①15/02/19~15/02/27(17ふぁぼ) ②15/05/13~15/05/19(15ふぁぼ) ③16/08/30~16/09/26(41ふぁぼ)
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利央🐧 @lio_017f

どれだけ言葉にしてもすべてが伝わる気がしなくて、唇を合わせて身体を重ねる。それでも もっと深く繋がりたいと、強く思った。 「ずっとハルの傍にいさせて」 死ぬまでの時間すべてを使っても、きっと足りない。来世も その先も、俺はハルの傍にいたいよ。 #1ふぁぼごとにまこはる短文をなげる

2016-09-26 19:20:47
利央🐧 @lio_017f

今日こそ先に着いてやると思っていたのに、改札を抜けたところで見慣れた姿が目に飛び込んできた。 悔しくて「そんなにケーキが待ち遠しいか」と言ってみたら、首を振った真琴に「早く会いたかったから」なんて、真剣な声で返される。直球勝負なんてズルい。 #1ふぁぼごとにまこはる短文をなげる

2016-09-26 07:45:46
利央🐧 @lio_017f

東京で暮らし始めて一ヶ月。気軽に会えない分、ハルと過ごす時間は一秒も無駄にできないと思うようになった。 改札の前に立つ俺を見つけた彼が「早いな」と驚いた顔を見せる。「そんなにケーキが待ち遠しいか」なんて笑うから、思わず「違うよ」と言い返した。 #1ふぁぼごとにまこはる短文をなげる

2016-09-26 07:38:57
利央🐧 @lio_017f

「ハル、大好き」と俺にだけ聞こえる声で囁いた真琴が二度目のキスをくれる。やさしくてやわらかな唇が、一瞬だけ触れて離れていった。 「ハルとこうなれるなんて、夢みたいだ」と真琴は言う。 初めてのキスは五歳の頃。たぶん、真琴は覚えていないんだろう。 #1ふぁぼごとにまこはる短文をなげる

2016-09-24 22:01:20
利央🐧 @lio_017f

「恥ずかしいから閉じてよ」と囁けば、あっけなく濃紺の瞳はまぶたに隠された。なんの抵抗もしないなんて、ハルにとってキスは なんてことないものなんだろうか。十八年越しの想いに心臓が壊れそうなのは俺だけか。だけど次の瞬間、微かに震える睫毛に気付く。 #1ふぁぼごとにまこはる短文をなげる

2016-09-24 20:24:19
利央🐧 @lio_017f

味噌汁を作るのが日課になった。一昔前に流行ったという言葉を、照れたように口にした真琴の顔を今でも思い出せる。 「ハルのご飯はおいしいね」 ふにゃりと笑った真琴は、出した料理をいつも綺麗に食べてくれる。ふたりで囲む食卓も悪くないと心から思った。 #1ふぁぼごとにまこはる短文をなげる

2016-09-24 19:55:44
利央🐧 @lio_017f

トントンと軽快な包丁の音が響く。「今日は何?」と問いかければ、こちらを見ずに「ネギと豆腐」とだけ返したハルが、刻んだネギを鍋に入れた。 ハルの作った味噌汁を ずっと飲んでいきたいなと言ったのを、律儀に守ってくれるハル。ふわりと漂う味噌の香り。 #1ふぁぼごとにまこはる短文をなげる

2016-09-24 18:54:16
利央🐧 @lio_017f

名残惜しそうな顔をするくせに、あっさりと帰ってしまう真琴。泊まっていけの一言が、いつも言えない。 ガランとした居間に戻ると ふたり分の食器を台所へ運び、ため息をつく。 真琴専用の茶碗と箸。家族ではないのに、この家には真琴の気配が色濃く漂う。 #1ふぁぼごとにまこはる短文をなげる

2016-09-23 07:41:06
利央🐧 @lio_017f

抱きしめていた腕をほどき「じゃあ……また明日」と告げると、ほんの数秒 こちらを見つめたハルが「おやすみ」と囁いた。 数時間後には また会えるとわかっていても淋しさに襲われる。離れがたいと強く感じてしまう。 ハルもそう思うことはあるんだろうか。 #1ふぁぼごとにまこはる短文をなげる

2016-09-23 07:32:17
利央🐧 @lio_017f

あの不器用な真琴がと、正直なところ驚いた。「へへ、頑張ったでしょ」と照れたように真琴は言う。俺のために特訓したのかと思うと、胸がいっぱいになった。 「うまい」と一言告げれば、心からしあわせそうに笑う真琴の顔。俺の20歳は、こんな風に始まった。 #1ふぁぼごとにまこはる短文をなげる

2016-09-23 07:20:30
利央🐧 @lio_017f

食べられなくはないという感想をもらって以来、密かに特訓していた鯖の味噌煮。成果をお披露目するのは今日と決めていた。 「今日は俺に任せて」と胸を張れば、シーツに身を横たえていたハルが不安げに俺を見上げた。そんな彼の頬に「大丈夫」とキスを落とす。 #1ふぁぼごとにまこはる短文をなげる

2016-09-21 19:42:33
利央🐧 @lio_017f

俺の名前を呼んだ真琴が目を覗き込んできた。 言葉で伝えるのは得意じゃない。俺のことなら何でもわかるんだろ、今考えてることも読み取ってみろよ なんて思いながら、見つめ返す。 「ふふ」 しあわせそうに笑みを漏らした真琴は「俺も大好き」と囁いた。 #1ふぁぼごとにまこはる短文をなげる

2016-09-21 07:41:27
利央🐧 @lio_017f

「……あんまり気軽に言うな」と不機嫌そうな声をあげたハルに「ごめんね」と返して抱きしめる。本当に嫌がっているわけじゃないのは、何となくわかる。 好きと伝えられるようになったのが嬉しくてたまらなくて、我慢できないんだと続ければ、頬をつねられた。 #1ふぁぼごとにまこはる短文をなげる

2016-09-21 07:32:48
利央🐧 @lio_017f

「まこちゃんだって、ハルちゃんの全部が好きでしょ?」なんて言いながら、渚が部室に入ってきた。出るタイミングを失って所在なく扉の前に立ち尽くしていた俺に、渚は微笑みながら先を続ける。 「ふたりが傍にいるのは自然だし、運命だなぁって僕は思うよ」 #1ふぁぼごとにまこはる短文をなげる

2016-09-20 19:04:13
利央🐧 @lio_017f

「ねぇ!ハルちゃんは、まこちゃんのどこが好きなの?」なんて、渚が無邪気に訊いてきた。 怖がりなところもお節介なところも全部ひっくるめて真琴なんだから、どこが好きかなんてわからない。 そう口にすれば、嬉しそうに微笑んだ渚は「だよね!」と頷いた。 #1ふぁぼごとにまこはる短文をなげる

2016-09-20 18:55:56
利央🐧 @lio_017f

「くすぐったい」と非難の声をあげても、真琴は無視して首筋を柔らかく噛んできた。 噛むなら噛むで思い切りしろと言っても、彼は首を縦に振らない。「オフシーズンだから」と許可を出しても無駄だ。 「っ……ばか」 中途半端にされると、こっちが困るのに。 #1ふぁぼごとにまこはる短文をなげる

2016-09-20 18:11:41
利央🐧 @lio_017f

雨音だけが満ちる室内。窓から空を見上げるハルの後ろに立ち、そっと腕を回して抱きしめた。 「なに考えてるの」と囁けば「何も」とそっけなく返された。 目の前の滑らかなうなじに唇を寄せて肌を食む。ほのかに香る石鹸のにおいは、俺と同じものだ。 #1ふぁぼごとにまこはる短文をなげる

2016-09-20 18:06:37
利央🐧 @lio_017f

トクントクンと響く心臓の音に耳を傾けながら、こんなにも落ち着ける場所は 水の中か真琴の傍だけだなんて、柄にもないことを考えた。 真琴がいつも応援してくれているとわかっているからこそ、離れていても俺は自分を保っていられるのだと、真琴は知らない。 #1ふぁぼごとにまこはる短文をなげる

2016-09-19 23:09:14
利央🐧 @lio_017f

雨の音が聞こえる。肌寒くなってきた秋の夜更け、隣で眠るハルの髪を撫でた。 「だいすき」 そう囁いて頬にキスを落とす。手を伸ばせば触れられる距離にいることが心から嬉しい。 「俺たち以外の時間が止まればいいのに」 そうすれば別れの朝は来ないのに。 #1ふぁぼごとにまこはる短文をなげる

2016-09-19 22:54:54
利央🐧 @lio_017f

「食べないの?」と首をかしげる真琴に「食べてる」と一言返すと、スプーンでオムライスをすくった。 「本当とろふわで、ハルの作るオムライスはおいしい!」なんて真琴は笑顔で頬張る。 お前のその顔を見るために何個卵を使って練習したと思ってるんだ。 #1ふぁぼごとにまこはる短文をなげる

2016-09-17 12:19:18
利央🐧 @lio_017f

「わぁ!」 黄金に輝くふわふわの卵につつまれたオムライスに、思わず声をあげた。昨夜「ハルのオムライス、また食べたいな」と言ったのを覚えていたらしい。 「おいしい」 その言葉にハルがふっと口元を弛める。そんな嬉しそうなハルの顔を見るのが好きだ。 #1ふぁぼごとにまこはる短文をなげる

2016-09-17 12:12:58
利央🐧 @lio_017f

怖がりで泣き虫で、俺の後ろに隠れてばかりだった真琴は、いつこんなに成長したんだろう。毎日見ていたはずなのに、いや、毎日見ていたからこそ気付かなかったのかもしれない。 「遙」 禁止した呼び名を口にする真琴のことを、悔しいけれど格好いいと思った。 #1ふぁぼごとにまこはる短文をなげる

2016-09-13 07:29:54
利央🐧 @lio_017f

キスをする瞬間に ぎゅっと強く目をつむるのも、抱きしめると鼻先を胸元にこすりつけてくるのも、愛しくてたまらなくて「ハル、可愛い」と頬にキスを落とした。 「男に可愛いはないだろ」と不機嫌そうに言うところも ぜんぶ大好きだなぁと思わず口元が弛む。 #1ふぁぼごとにまこはる短文をなげる

2016-09-12 21:26:28
利央🐧 @lio_017f

「はるちゃんの泳ぎは ほんとうに きれいだね!一番かっこいい!」と、真琴は目を輝かせて言った。あの瞬間、俺は魔法をかけられたのかもしれない。 「ハル、金メダルおめでとう」と顔をくしゃくしゃにした彼の首にメダルをかけてやりながら、そう思った。 #1ふぁぼごとにまこはる短文をなげる

2016-09-12 18:51:24
利央🐧 @lio_017f

強くて美しいハルは、いつだって俺のヒーローだ。 水の中では誰にも負けないハル。そんなハルを最強にする最後の魔法をかけられるのは自分だけだと信じている。傲慢だと言われると思うけれど。 「ハル」 一番にここへ戻ってきてと、思いを込めて名前を呼ぶ。 #1ふぁぼごとにまこはる短文をなげる

2016-09-12 07:47:53