@nightcat_works 「ええ、そうでしょうね。そうでしょうとも」 銃を鞘に収める。 金属が擦れる硬質な音ともにその凶器は再び元の瀟洒で凝った握りの杖へと。 彼女が内包する狂気を隠すかのように澄ました顔のそれに為った。 目の前にいる少年と自分は三度相対した。
2015-04-07 01:41:55@nightcat_works 一度目は全てが始まる前に。 二度目は転機の前に。 三度目は今、まさに終わりの時に。 三回も、彼が変わっていくところを見ていた。 最初の飢えたケモノの様は鳴りを潜め、いつしか少年はまるで。 物語に出てくる英雄のようなしっかりとした顔つきだ。
2015-04-07 01:43:34@nightcat_works 「それで十分。少し残念ですけれど、私もお約束をしてしまったので」 かつて殺されたかった、目の前の英雄のような存在に。 恐ろしい魔女が最後に”そう”なるように、無様に惨たらしくも華々しい最後を迎えたかった。
2015-04-07 01:45:46@kinoakira 「こちらこそ、だ」 晴れやかに笑う。屈託なく、遊び相手に笑いかけるように。 「元気でやれよ、異郷の風。アンタいい女なんだから、安い奴に殺されたりするんじゃねえ。それはオレが我慢できそうにない」 言葉をいい終えると同時。 →
2015-04-07 01:51:19@kinoakira ――長きに渡る大戦の終わりを告げるラッパの音が、高らかに鳴り響いた。 (こちらはこれにて。お付き合い感謝です)
2015-04-07 01:52:14@nightcat_works @kinoakira 「――はっはっはっは、互いに死ねなくなったか。良いことだ、良いことだ!」 義弟の肩を支え、《銃猫》に語りかける。 「お前も、つまらぬ所で死ぬなよ。いずれいつか、貴様の身柄は貰い受けに行く」 「それまで健勝でいろ。ノーラよ」
2015-04-07 01:55:29@nightcat_works 「あら。そういった類の褒め言葉は宿敵ではなく、貴男のお姫様に仰ってあげたほうが良いのではなくて? ミスタ・フーガ」 やはり、目の前の彼にはそういう笑い方が似合う。 「お元気で、若く美しい風。いいえ、気高く美しい騎士様」
2015-04-07 01:56:07@nightcat_works 「どうか。貴男の旅路に幸多からんことを。これで、お別れですわね」 目を閉じて、高らかな音を聞いた。 (此方こそ本当に!本当にありがとうございました!)
2015-04-07 01:58:16@stray_mk @nightcat_works 「熱烈な告白をありがとうございます。ロード・セリザワ」 「私にも仕えるべき、主人がおりますからそうなることはあまりないと思いますがそうですね。その時は、お茶でも淹れて丁重にお帰りいただきましょうか」 (にっこー!)
2015-04-07 02:02:00@stray_mk @kinoakira 「……なんだよ、来てたのか」 安堵で揺らぎそうな足に喝を入れて、なんとか自力で立ちなおす。 せめてこの相手の前では意地を張り通したい。 「じゃあな、ノーラ」 笑って、別れを口にして。
2015-04-07 02:06:09@kinoakira @nightcat_works 「はっはっは、身持ちが堅いのは良いことだ。――その時を楽しみにしている」
2015-04-07 02:07:40@nightcat_works @stray_mk 「ええ、では」 「See you」 そして、紳士に礼を取る時のように丁寧にお辞儀をして別れを述べた。 最上のそれを
2015-04-07 02:11:13