燃料デブリ取り出しに「気中工法」なる新語が登場したことに関する椹木 野衣 Noi Sawaragi(@noieu)氏の連続ツイートまとめ

東京電力福島第一原発の燃料デブリ取り出しに関して、「気中工法」という新しい(?)方法の提示がなされました。 これに関する椹木 野衣氏が行った連続ツイートをまとめました。 まとめ主もこの指摘は非常に合理的だと考えます。
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NHKニュース
福島第一原発 廃炉計画 「気中工法」を明記
4月9日 20時28分
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150409/k10010043201000.html

時事通信
溶融燃料取り出しへ3工法=福島第1でプラン提示-廃炉支援機構
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2015040900704

椹木 野衣 Noi Sawaragi @noieu

この場に及んで、廃炉の方法として「気中工法」なる新奇な言葉が飛び出して来た。先日のミューオンを使った実験で、メルトダウンした核燃料が原子炉=格納容器を突き破っているのが明らかになった。発表は、これを受けてのことだろう。炉が穴のあいたバケツなら、もとより冠水などできるはずがない。→

2015-04-09 23:43:37
椹木 野衣 Noi Sawaragi @noieu

→ それでも、これまで冠水での廃炉が断念されなかったのは、今は不可能でも、将来的に炉の水漏れを直す技術が確立するのを見積もっての底上げ工期だったからではないか。逆に言えば気中工法が出てきたのは「シェルショック」で、水漏れをどころか炉が破壊されている可能性が出てきたからだと思う。→

2015-04-09 23:45:54
椹木 野衣 Noi Sawaragi @noieu

→ 炉を冠水できないなら、猛烈な放射線を遮蔽できないまま「気中」に飛び散った核燃料をすべて回収しなければならない。しかも三基も。つまり、これはもう冠水か気中かという選択肢の問題ではない。廃炉への望みが著しく遠のいたということだ。が、僕には、それさえシナリオ通りに思えてならない。→

2015-04-09 23:48:37
椹木 野衣 Noi Sawaragi @noieu

→ 事故を起こした原子炉のなかの核燃料は最初「健全性を保っているか不明」とされ、次に「破損」となり「溶融」に至り、ついに「噴射」さえ匂わされるようになった。つまり、発表にも手順が置かれている。廃炉への道も、最初に冠水が示され、次に気中が出されたのは、そういうことだろう。しかし、→

2015-04-09 23:51:37
椹木 野衣 Noi Sawaragi @noieu

→ もっとも現実的だが、当面は絶対に口に出せないのが「石棺」だろう。石棺は読んで字のごとく「埋葬」であって廃炉ではない。しかし、いよいよ気中工法さえ困難となれば、もはやそれしかあるまい。だとしても、それは容易な話ではない。チェルノブイリと違い、福島原発では底が抜けているからだ。→

2015-04-09 23:53:10
椹木 野衣 Noi Sawaragi @noieu

→ 三基の原子炉を石棺するための土木工事は巨大なスケールと化し、必要となるセメントも膨大となる。デブリから十分な距離を取って埋めなければ、作業員がみな死んでしまうからだ。地下水の問題もある。セメントの劣化は潮風でずっと早く進むだろう。地震や大津波への対策も考えなければならない。→

2015-04-09 23:56:04
椹木 野衣 Noi Sawaragi @noieu

→ 加えて、ひとたび石棺を選んでしまえば、もう後戻りできない。次世代から次世代へと、石棺の解体と新設を、ただただ繰り返していくしかない。絶望的なことだ。しかし、そうしなければ放射性物質は環境中に放置されたままとなる。周辺地域の復興や帰還どころではない。政府の計画はすべて崩れる。→

2015-04-09 23:57:54
椹木 野衣 Noi Sawaragi @noieu

→ だからこそ、廃炉の余地を少しでも残すためには、石棺は具体的な選択肢とならない。たとえそれが今の人類が取りうる、もっとも現実的な対策だとしても。が、事態は確実に悪くなっている。というより、より悪い事態を徐々に教えられていく。この先、いったいどんな現実を知らされることになるのか。

2015-04-10 00:02:11