巨乳と外人(電車信五さんシリーズ4)

通勤電車で出会ったふたりのお話
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∞すみれ∞ @magic88word

1 忙しい一週間やったな… 出張続きでなかなか 一緒におれんかったけど 今日は久々に早よ終わりそう 帰りに落ち合ってどこ行こか 何食べたいって言うかな 家で食べるってのもありやな… 彼女の乗ってくる駅に 滑り込む電車 思わず緩む頬を押さえる

2015-03-13 23:16:32
∞すみれ∞ @magic88word

2 扉が開いて人が吐き出され 一瞬空いた車内に声が響く "あ!やっぱりや…信五!" 「えっ?…お、西やんか?」 乗り込んでくる人波で 奥に押される "似てるな~思とってん、久々ー" 「おまえどうしてん」 "出張や、いや東京はえらい人やな"

2015-03-13 23:16:40
∞すみれ∞ @magic88word

3 どうでもええけど こいつ声デカイな ドアの方に目を遣ると 『だいじょうぶ』 彼女が口パクで言うて ニコッとするとイヤホンをつける 「ごめん」 俺も返して拝むマネをする せっかく今夜の相談 しよ思とったのに… 後でメールするか

2015-03-13 23:16:48
∞すみれ∞ @magic88word

4 "おまえ全然帰ってこーへんから… 同窓会で会うたんいつやったかな?" 「就職したてやったな 今みたいに忙しなかったし」 "せや!CAの彼女どうした? 合コンやってくれる言うたやん" な、なにを言い出すねんこいつ…

2015-03-13 23:16:56
∞すみれ∞ @magic88word

5 あわてて彼女の方を見ると ドアにもたれて窓の外を見てる セーフ…音楽聴いてた…! それにしてもこいつ ちょっと黙らさな 「出張ていつまでなん?」 "月曜日帰んねん、どや?今夜一杯" 「悪い…この週末はあかんねん」

2015-03-13 23:17:05
∞すみれ∞ @magic88word

6 "お、巨乳のCAとおデートか?!" 「せや久しぶりにゆっくり逢えんねん てかCAてそれ何年前の話やねんな」 "ちゃうんかい今度はどこの巨乳や" 「おまえちょっと巨乳から離れろや 人聞きの悪い…」 "せやかておまえの彼女 歴代きょ…うグッ"

2015-03-13 23:17:18
∞すみれ∞ @magic88word

7 これ以上ほっといたら 何を言い出すかわからんから 持ってたマフラーで強制終了させた "ほんじゃな帰ったら連絡しろよ" 「おう、バイバイ!」 西やんが降りて電車が動き出すと ゆっくり真顔に戻る 流れにのって 彼女の隣にもやっとたどり着く

2015-03-13 23:17:26
∞すみれ∞ @magic88word

8 急に静かになった車内 あいつのおかげで すっかり巨乳の人やでほんまに… 「おはよ…あいつな、西やんいうて 高校の同級生やねん」 ちょっと咳払いしてから イヤホンをはずした彼女に話しかける 『…聞こえてた』 「うん…うぇっ?!」

2015-03-13 23:17:33
∞すみれ∞ @magic88word

9 あわててイヤホンをとって 耳に当てると…英会話…! 『ごめんなさい…巨乳じゃなくて』 ちっさい声で言うて俯く彼女 えーうそやろもう… 「ちゃうねん」 ってなにがちゃうねんな 雲行き怪しなってきたやん 楽しみにしてたデート pic.twitter.com/41UWWl9GPj

2015-03-13 23:17:46
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∞すみれ∞ @magic88word

10 ここで言い訳すんのもなあ… 黙ってたら彼女も口きかへんし マフラーに顔半分埋めて ドアに寄りかかってる いつもやったら 俺にもたれてくんのに… 結局何も話さんと駅を出た 怒ってんのか拗ねてんのか なんでこんな展開やねん

2015-03-20 01:15:33
∞すみれ∞ @magic88word

11 「定時で終わらして出るとき連絡する ここで待ち合わそ…な?」 『うん』 わろてないけど返事はしてくれた もうめちゃめちゃ頑張って仕事する お詫びっちゅうか ご機嫌取りやけど 今日は俺が鍋をつくろうと レシピ調べて材料も書き出した

2015-03-20 01:15:40
∞すみれ∞ @magic88word

12 「お疲れっしたー」 よっしゃ終わった 彼女にLINEして部屋を… …出ようとしたら 得意先からの電話が鳴った 今落としたばっかりの PCを立ち上げて応対する やっと終わったときは20分経ってた あかんあかーん 今朝の挽回せなあかんのに遅刻やん

2015-03-20 01:15:46
∞すみれ∞ @magic88word

13 一応メールするけど 既読ついてくれへんし LINEてほんま 便利なんか、なんなんか とにかく駅へ向かう 考えてるより走った方が早い 息切らして待ち合わせ場所に来たけど 姿が見えへん 30分以上遅刻してるし 怒って帰ってもうたんかな

2015-03-20 01:15:52
∞すみれ∞ @magic88word

14 それにしてもメールぐらい見るやろ スマホと駅前通りを交互に見ては 若干イライラし出した時 あれ? 見慣れたマフラーが見えた 近づいて行くと 背の高い外国人の男と一緒やった またかい…! モデルみたいなその男が 彼女の手を握ってるのが見えて 頭に血が上った

2015-03-20 01:15:59
∞すみれ∞ @magic88word

15 「…おい!」 『あ、信五さん』 「信五さんちゃうっちゅうねん」 俺より頭一個分ほどデカイ男から 彼女の手を奪い返す ペラペラなんか言うとるけど知らん 「俺の女に触らんとってくれ、ほな」 それだけ言うと 黙ってついて来る彼女の 手を引いて駅へ向かった

2015-03-20 01:16:07
∞すみれ∞ @magic88word

16 『あのね、あの人… ただ道を聞いてきただけで…』 わかってるそんなん だいたいそんなとこやって でも… 「あいつ手え握っとったやん」 『外国の人はフレンドリーだなって』 あかんあかん そういうとこがあかんねん 前にもあったやん 外人に気に入られたこと

2015-03-22 23:09:59
∞すみれ∞ @magic88word

17 なんかだんだん腹たってきた 元はといえば 俺の遅刻のせいなんやけど 「とりあえず家帰るで」 『あの…信五さん…?』 俺に握られたままの手を ゴソゴソやってた彼女も 観念したんか なんも言わんくなった

2015-03-22 23:10:12
∞すみれ∞ @magic88word

18 「フレンドリーな外人にキスとか されてないやろな」 『されてな… 「あったりまえや」 ベッドの上で手首押さえつける まっすぐ向かった俺の部屋 昼間書き出したレシピのことも どっかに飛んでもうてた

2015-03-22 23:10:21
∞すみれ∞ @magic88word

19 『待って…』 「もう一秒も待たれへん」 スカートを捲って 嫉妬の塊を擦りつける セーターをたくし上げて 膨らみに触れたとき 初めて彼女が抗った 唇を離して顔をのぞき込む

2015-03-22 23:10:29
∞すみれ∞ @magic88word

20 「なにぃ」 『…小さいと思ってる…』 「え?」 『…むね…』 「ぶっ、そんなん思てへんよ」 『笑ってるもん』 「おかしなこと言うからや」 そっと右手で片方の胸を包み込んだ

2015-03-22 23:10:36
∞すみれ∞ @magic88word

21 「ほら、俺の手にちょうどええ… 伸びしろもあるし」 『褒めてない!』 「ええねん」 『ホントは巨乳が…』 「ちゃうって」 もう一秒も待たれへん言うてるやん 西やんのせいでほんまに… すぐに繋がりたいのを我慢して 大事に大事に溶かしていった

2015-03-22 23:10:49
∞すみれ∞ @magic88word

22 「俺が特製鍋つくろー思てたのにな… なんか食べに出よか」 『なにかない?冷蔵庫に』 「なんもない、カップ麺ぐらいしか」 『それでいい…お鍋は明日にしよ』 そう言うて抱きついてくるからまた… 胸の成長に夜ふかしは毒やって 今は言わんとこ

2015-03-22 23:11:05