廃棄物日誌 LOG：7

廃棄物13号@カクヨム連載中 @eibis_splicer

今日も提督の書類を纏める仕事をしている。 彼女は傭兵だ。だから色んな所から依頼が来ている。書類の大半がそれだ。 要人の護衛や現金輸送車を襲撃するとか、 輸送船団の護衛または襲撃などが依頼されているようだ。 #廃棄物日誌

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また、依頼の中にはビデオレターが付属したものもある。 ホルヘ・サンタナとアディ・ネイサンという人物からの依頼は殆ど動画が同梱していた。 再生してみると、ホルヘからのものは豪快そうな男がジェスチャーを交えながら話していて、アディのはプレゼン画面みたいだった。 #廃棄物日誌

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「珍しいですね。貴方が…あれ、どなたですか？」 若い男の声。オーメル・サイエンスの仲介人のアディ・ネイサンだろう。 彼女に届く依頼ビデオレターの送り主の一人だ。 「佐世保鎮守府群13031番所属の日向だ」あえて処理場とは名乗らない。 #廃棄物日誌

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因みに私の今の格好はいつもの装備ではなく白衣の下は艦娘用のバトルアシストスーツだ。 傍目から見れば戦隊もののコスプレか、パイロットスーツに見えるだろう。 睦奥のような大火力艦の戦闘力向上の為に設計し、自分でテストしている。 #廃棄物日誌

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「ええ。と言っても依頼を受ける側と斡旋する側という立場でしたが。所謂ビジネスパートナーの一人です」 「そうか。しかし君は昔の彼女を知っている。夢現の記憶の中の彼女を」 彼女はよく言っている。 私の中の記憶は空想と混ざっていてあてにならないと。 #廃棄物日誌

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入院中に過剰投与された鎮静剤によって、自分の記憶は空想と混ざっている。 そう言っている所を何度も見ている。 だが、空想の産物である筈の人物や兵器が次々と現れた。 エイリーク、アーマードコア、ナガトワンダー。 どれも彼女の中では空想の産物だった。 #廃棄物日誌

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その夢現の記憶に興味がある。 財団が彼女に対して言った「黒い鳥」の意味。 ギガベース提督ことDfJとの関係。 そして彼女の高いAC操縦技術。 ヴァンツァーでの操縦技術も同じくらい高いが、ACはかなりのものだ。 その理由は、きっとその記憶にある。 #廃棄物日誌

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「その為に私を呼んだのですか？」 「忙しい中時間を割いて教えて欲しい。君の知る彼女についてだ」 「別に構いませんが…本人に聞けばよろしいのでは？」提督は今鎮守府にいない。 「それが出来ないから君を呼んだんだ」 #廃棄物日誌

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「お話する前に、ミッションを一つ紹介させてください」 「受けるか分からないぞ」小さな笑い声が聞こえる。「彼女ならきっと引き受けますよ」どんなミッションなのだろうか。 「話は聞くがまずは提督からだ」 「せっかちですね」「気になるんだ」 #廃棄物日誌

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「では…昔話をしましょう。かつて、カラードに二人のリンクスがいました。一人は貴方もよく知るDfJ。もう一人は、首輪つきと呼ばれる独立傭兵です。二人はすぐに頭角を表し、カラード最強のリンクスと言われるようになりました。…天敵種と呼ばれるまでは」 #廃棄物日誌

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「二人はORCA旅団と合流したのち、オールドキングというリンクスと共にクレイドル03を襲撃。10億もの人命を奪いました。 その後の話は後にしましょう。その頃、もう一人優秀なリンクスがいたのです。それが、詩藤志津江でした」 #廃棄物日誌

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「ORCA旅団の事件が起きるまでは、彼女がランク3でした。機体名はフロワゲート。 最初はGA社が専属で雇った傭兵でしたが、アームズフォート「スピリットオブマザーウィル」撃破後に独立傭兵となり、様々なミッションを遂行しました」 「事件の時彼女は何をしてたんだ？」 #廃棄物日誌

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何となく予想はできてはいた。 「彼女もDと同時期にORCA旅団に入団した模様です。記録によれば、彼女が 撃破したORCAのリンクス、ラスター18の後釜として入団したようですね」 支配を嫌うわけでも、革命を望むわけでもない、平穏を望む彼女にしては 珍しい選択だ。 #廃棄物日誌

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「実は、オールドキングたちがカーパルスで決着をつける際、彼女はアルテリア・クラニアムにて死亡したと思われていたオッツダルヴァとマイブリスと交戦。 これを撃破しクラニアムを占拠。クレイドルを着陸させたようです」 そして彼女は、言われたことをこなそうとする。 #廃棄物日誌

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彼女らしい行動だ。まともに動くリンクスなど、自分しかいなかっただろうに。 最後に残された命令に従った提督は、その後どうしたのだろうか。 揺り籠を地上に降ろし、虐殺者となった友を見た彼女は、はたして。 「その後の彼女は？」「それについては、私より詳しい方が」 #廃棄物日誌

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彼はすぐに答えた。彼はリンクスの依頼仲介人だ。 彼女は今リンクスではない。だから分からないのだろう。 「ホルヘ・サンタナ。だろう」「話が早いですね。はい、彼ならその後の彼女の事をよく知ってるはずですよ」後でその人物にも話を聞いてみるとしよう。 #廃棄物日誌

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「では、ミッションの説明をしてもよろしいでしょうか」 「ああ、構わない。彼女のその後はホルヘ・サンタナに聞くとするよ」 椅子に座り直し、画面を見つめる。一瞬几帳面そうな男の顔が表示され、 またブリーフィング画面に戻った。 #廃棄物日誌

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ミッションをご説明しましょう。 依頼主はGAとオーメル・サイエンス。 目標は、平戸島に在住する非戦闘員と潜水母艦「大鯨」の救助になります。 まだ未確定ですが、トーラス最高戦力のギガベースが平戸島を襲撃する動きを 見せている模様です。 #廃棄物日誌

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貴方がたも分かってると思いますが、ギガベースの艦娘はどれも強大な戦力であり まともに戦闘するのは愚の骨頂でしょう。 そのため、依頼主には機動兵器「ガルネーレ」による救助活動を重視するべきと 推奨されています。確かに、あの機体なら救助は容易でしょう。 #廃棄物日誌

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大鯨は複数おり、その改装後である龍鳳も何隻か確認されています。 今回は貴方たちの安全も考慮し、一隻でも救助できればミッション成功です。 非戦闘員と大鯨を救助した後は、可能な限りギガベース艦隊を迎撃してください。 現在の貴方たちの戦力では難しいかもしれませんが。 #廃棄物日誌

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平戸島要塞は、GAグループとオーメルグループの利害が一致して建造された要塞です。 非戦闘員の救助はGAグループから、我々オーメルサイエンス社は大鯨の救助を依頼、海軍からはギガベース艦隊の迎撃を依頼されたと思ってください。 #廃棄物日誌

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勿論、ミッションが成功した際には報酬はお支払いしましょう。 GAグループだけではなくオーメル・サイエンスとの繋がりを強くするまたとない 機会です。そちらに取っても、悪い話ではないと思いますが。 #廃棄物日誌

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[契約しますか？] >YES NO [出撃準備に移ります…] 艦隊を選択してください。 旗艦：日向 二番艦：蒼龍 三番艦：飛龍 四番艦：長門 五番艦：雪風 六番艦：島風 [随伴兵器の編成に移ります…] #廃棄物日誌

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さて、勢いで契約してしまったがどうしよう。 死なない程度に頑張ればいいが、民間人の救助か。 確かにガルネーレなら大和型も振りほどいて島風天津風を追い抜けるが、 最大速度で走るガルネーレに人間が耐えれるかが心配だ。 専用にコンテナを作るとしよう。 #廃棄物日誌