ジ・アイランド・オブ・ドクター・ベップ #6

togetterがTL取得漏れをするなど
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劉度 @arther456

◇◇◇◇◇◇◇ ←九十一式徹甲弾

2015-04-22 21:00:41
劉度 @arther456

【ジ・アイランド・オブ・ドクター・ベップ】#6

2015-04-22 21:01:53
劉度 @arther456

(これからSSを投下します。TLに長文が投下されますので、気になる方はリムーブ・ミュートなどお気軽にどうぞ。投下中はTLを余り見ないので、感想・実況などを #ryudo_ss に書いて頂けると、後でチェックして小躍りします。では、宜しければ暫くの間お付き合い下さいませ)

2015-04-22 21:02:36
劉度 @arther456

※注意※ 今回のSSにはホラー、スプラッター要素が多分に含まれます。苦手な方は明日まで本アカウントをミュートしておくことを推奨します。

2015-04-22 21:03:33
劉度 @arther456

別府博士の命令で海上を封鎖していたツギハギの深海棲艦たちは、突如として空からの攻撃に襲われた。彼女たちが受けた命令は、脱走者を島から逃さず、近寄ってくる深海棲艦を捕らえることのみ。改造過程で自我を奪われているツギハギたちは、爆撃されながら右往左往するばかりである。 1

2015-04-22 21:05:01
劉度 @arther456

流星、彗星がツギハギたちを攻撃する。要である数隻の戦艦があっさり沈んだ。数匹のツギハギが高角砲を撃つが、まるで当たらない。敵の航空隊は一機の損失もなく帰っていった。「なんてこと!」「海軍が来るなんて!」そこに近江が、精鋭の空母部隊を引き連れやってきた。 2

2015-04-22 21:08:17
劉度 @arther456

航空隊を察知した別府博士は、すぐさま近江に指揮をとるよう命じていたのだ。「戦艦、重巡洋艦は前方に展開!」「駆逐艦はその後に続き、雷撃戦に備えなさい!」双胴の艦娘の指示を受け、ツギハギたちが整列する。それから近江は、ヲ級やヌ級のパーツと共に艦載機を放った。 3

2015-04-22 21:11:26
劉度 @arther456

程なくして、敵の第二次攻撃隊が水平線の彼方に現れた。その下には、日本の艦娘たちがいる。「全機、迎撃しなさい」近江の命令を受け、戦闘機たちが飛来する航空隊に襲いかかる。数の上ではこちらが上、しかし敵航空隊の練度は高い。二機一組で相手に当たるよう指示を飛ばす。 4

2015-04-22 21:14:37
劉度 @arther456

その時、突然前衛のツギハギが吹き飛んだ。「「なっ!?」」直感的に、近江はその場から飛び退く。次の瞬間、後ろにいたヌ級が爆発四散した。魚雷によって、足元の海が爆ぜ飛んだのだ。「酸素魚雷……!?」「こんな遠くから!?」近江たちは、雷巡の甲標的による先制雷撃を見たことがなかった。 5

2015-04-22 21:17:52
劉度 @arther456

先制雷撃により、再び陣形が乱れる。そこに敵の戦艦が切り込んできた。「左舷、砲戦開始!」鋭いカーブで砲撃を回避しつつ、反撃の砲火を放つのは、航空戦艦の艦娘・伊勢。「ぬうっ!確かに伊勢の言う通り、奇っ怪な敵じゃのう!」その後ろから航空巡洋艦・利根が続く。 6

2015-04-22 21:21:04
劉度 @arther456

乱戦になった。相手は訓練を積んだ正規の軍隊。対して近江の側は、自我の薄い深海棲艦の複製。見る間に深海棲艦たちの数が削られていく。唯一制空権だけは均衡を保っている。「行きましょう、チカ」「ええ、コウ」近江は呼吸を合わせ、魔力を高めて前線へと躍り出た。 7

2015-04-22 21:24:20
劉度 @arther456

「えっ!?」「大将首か!……2つ!?」異様な風体の艦娘に、伊勢と利根が驚くも、すぐさま挟み撃ちにして彼女を撃とうとする。だが、彼女に挟み撃ちは無意味であった。「主砲!」「発射!」左右の腕の46cmプラズマ砲が火を噴いた。伊勢と利根の目の前に、白炎が吹き上がる! 8

2015-04-22 21:27:33
劉度 @arther456

「くうっ!?」「ぬおおおおっ!」熱と光が二人の艦娘を灼く。直撃しなければプラズマ砲弾は効果が薄い。しかし目眩ましにはなった。二隻の間をすり抜け、近江は後方を強襲するため増速!「ちいっ!」利根が追いかけようとするが、後続のツギハギに砲撃され足を止められる。 9

2015-04-22 21:30:46
劉度 @arther456

後方にいた海軍の空母部隊が、射程に入った。近江は砲を構える。装填するのはプラズマ弾だ。直撃しなくとも、空母は弓か甲板を焼ければ無力化できる。「「当たれっ!」」12門の主砲が、一斉に火を吹いた。砲弾は放物線を描き着水、その衝撃で辺り一帯にプラズマの熱が吐き出される! 10

2015-04-22 21:34:00
劉度 @arther456

だが、敵空母はプラズマ弾を避けていた。近江の頭上から彗星の一群が急降下!近江は肩の機銃を展開、これを迎撃!「足元がお留守ですよっ」その隙を突いて北上が肉薄、雷撃を狙う。だが、近江はすぐさま彼女を見つけ、副砲で追い払う。「お、お留守じゃなかったみたいねえ」 11

2015-04-22 21:37:20
劉度 @arther456

敵陣の中央で、近江は砲と機銃を振るい続ける。360度、時には水面下からも魚雷が襲いかかる状況で、近江は的確に攻撃を防ぎ、最適な反撃を行い続ける。一つの体に二つの頭脳。生まれた時からこの体で生きてきた彼女たちは、混戦でこそ真価を発揮できる艦娘であった。 12

2015-04-22 21:40:31
劉度 @arther456

二度目のプラズマ砲斉射。「きゃあっ!?」赤い袴の空母の艦娘が、熱に巻き込まれた。その途端、頭上の艦載機の半分が大きく統制を失う。プラズマの光が収まると、赤い袴の艦娘はまだ立っていた。轟沈させられなかったのは誤算だったが、これで制空権は奪った。 13

2015-04-22 21:43:47
劉度 @arther456

航空攻撃が始まり、崩れかけていた戦線が大きく押し戻される。「このまま押しこめば」「勝てる!」勝利への道筋を見出した近江は、残る空母の艦娘に狙いを定める。だから、気づけなかった。彼女たちの後方から、赤い影が迫ってきていることに。 14

2015-04-22 21:46:59
劉度 @arther456

海の向こうで航空戦が始まっていた。大量の艦載機同士が機銃を撃ち合い、相手を撃ち落とそうと躍起になっている。「どう?」「互角だな」二人はそれを海岸から見守っている。続いて大きな水柱が吹き上がった。「大井、はしゃいでるなあ」「……よくあれを笑って見れるな、お前は」 16

2015-04-22 21:50:27
劉度 @arther456

2つの艦隊が入り乱れ、混沌とした砲戦を繰り広げている。それを見守るのは、装甲空母姫と提督であった。「そろそろ」「まだだ。奴が後方にいる」空母姫が提督の腰についた縄を引っ張り、座らせる。暫くしてから、水柱に混じって、特大の火球が炸裂した。 17

2015-04-22 21:53:47
劉度 @arther456

「……さっき出てったら、あれで丸コゲだったねえ」「私は平気だがな。それより、行くぞ」「うん」提督は空母姫の艤装によじ登り、彼女の肩にしがみついた。「今だ、出るっ!」そして空母姫は抜錨した。人間が深海棲艦に乗って海を往く、史上初めての出来事だった。 18

2015-04-22 21:57:02
劉度 @arther456

前方に展開する海軍に集中していたツギハギたちは、後方から回り込んでくる装甲空母姫に気付いていない。無論、装甲空母姫も提督を乗せたまま戦うつもりはない。作戦のために、提督を艦娘たちに合流させなければならなかった。「そろそろ気付かれるぞ。踏ん張れ!」「わ、分かった!」 19

2015-04-22 22:00:33
劉度 @arther456

装甲空母姫が言った通り、横を通り過ぎた所でとうとうツギハギたちに気付かれた。多数の砲弾が装甲空母姫に降り注ぐ!装甲空母姫は小刻みにカーブを重ね、これを連続回避!「うわあああっ!」「耳元で騒ぐなっ!」提督は振り落とされないよう、必死に装甲空母姫にしがみついている。 20

2015-04-22 22:05:25