好きな本の心の残った1行を紹介する「キメの1行」のスゴ本オフまとめ

2015年4月18日に渋谷のHDEさんのロビーをお借りして開催した「キメの1行」のスゴ本オフのまとめです。
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根岸智幸 @zubapita

(承前)人間の社会と人間とは異なる熊の社会がふれ合ったときの状態が現れている。人間が築き上げた社会と人間が克服したはずの自然の境界にある。すぎうらさんが、かつて知床半島をカヌーで旅したとき、魚を釣ろうとして歩き回って熊の糞を見たとき凄く怖かった。(続く) #スゴ本オフ

2015-04-18 16:48:23
根岸智幸 @zubapita

(承前)熊はいないのに。この本でも熊が出るシーンは4、5回しかでてこない。記録文学なのだけど、ほとんどホラー。20年間、このセリフが心に残り続けている。(了) #スゴ本オフ

2015-04-18 16:48:26
スゴ本の中の人 @Dain_sugohon

強烈な一行、「おっかぁが少しになっている」は、吉村昭『羆嵐』より。実際にあった人食い羆事件に取材した記録文学なので、容赦がない一冊。人食い羆の話でありながらクマが登場するのは数えるほどで、「そこにいない事」で恐怖が増幅されるのはほとんどホラーの領域 #スゴ本オフ

2015-04-18 16:44:09
スゴ本の中の人 @Dain_sugohon

ALIENとかJAWSにも通じるものがありますね、『羆嵐』 #スゴ本オフ

2015-04-18 16:44:47
花岡猫子🧷 @okanekoko

「おっかぁが少しになっている」→『羆嵐』吉村昭(新潮文庫)/うわあああ!怖いというざわめきが広がります。実際にあった人食いグマの事件に基づいた本。セリフのスゴさは、人間という社会と、人の力ではどうにもならない自然の力との境目を表しているところがすごい #スゴ本オフ

2015-04-18 16:44:36
花岡猫子🧷 @okanekoko

読んだのは20数年前だが、ずーっと心に重くたまるセリフ。数年前に知床半島をカヌーでわたり、小説で描写されていた「熊がいない」ことの(からこそ感じる)恐怖を直に感じた。 #スゴ本オフ

2015-04-18 16:46:44
花岡猫子🧷 @okanekoko

『熊嵐』で熊が直接出てくるところはほとんど無い。が、そこかしこに「もしかすると熊がいるかもしれない」という恐怖感がすごい。『熊嵐』でなぜ熊が直接出ているシーンが少ないかというと、「熊を見た人がすでに死んでいるから」。 #スゴ本オフ

2015-04-18 16:49:27
花岡猫子🧷 @okanekoko

ローストビーフが予想以上にネタにされておる・・・ #スゴ本オフ

2015-04-18 16:50:11
根岸智幸 @zubapita

@milano2009さん。能楽が好きで若手(15〜20歳)の能楽に行くけど寝ちゃうw お金を奮発して高い能楽を見に行ったら涙が出ました。芸が違う。その能になっている。(続く) #スゴ本オフ

2015-04-18 16:57:34
根岸智幸 @zubapita

(承前)「謡曲集一 三道」頼政から、平等院で扇を敷いて自害するときの辞世の句「埋れ木の、花咲く事もなかりしに、身のなる果は、あわれなりける」。能は歴史の主流に慣れなかった人々のエピソードが多い。2冊目。.「豊穣の海 二 奔馬」三島由紀夫。(続く) #スゴ本オフ

2015-04-18 16:57:37
根岸智幸 @zubapita

(承前)38歳の裁判官が主人公。能楽を見る話がある。この時代の38歳は人生の終わりごろの感じ。キメの1行「正に刀を腹へ突き立てた瞬間、日輪は瞼の裏側に赫奕 (かくやく)と昇った」。(続く) #スゴ本オフ

2015-04-18 16:57:40
根岸智幸 @zubapita

(承前)主人公が暗殺に成功して、清らかな気持ちで自害したいという気持ちをうたっている。(了) #スゴ本オフ

2015-04-18 16:57:46
花岡猫子🧷 @okanekoko

埋れ木の 花咲く事もなかりしに 身のなる果はあわれなりけり→『謡曲集1 三道』能楽がお好きな方からのオススメ #スゴ本オフ

2015-04-18 16:54:39
花岡猫子🧷 @okanekoko

正に刀を腹へ突き立てた瞬間、日輪は瞼の裏に赫くように昇った→『奔馬』三島由紀夫/最後の描写の一文。その後の三島由紀夫が歩んだ道を表すようです。 #スゴ本オフ

2015-04-18 16:57:47
花岡猫子🧷 @okanekoko

わたしが死んだら、そこに埋めてもらえばいい。(I can be buried anywhere when I die.)→『すばらしい墜落』ハ・ジン(白水社)/NYに暮らす中国系移民を描いたお話。作者自身を表すセリフとも読める。 #スゴ本オフ

2015-04-18 16:59:31
花岡猫子🧷 @okanekoko

分が悪いと思ったら頭がおかしくなってしまうんだ、俺はもうこれから先何があっても自分が悪いなんて思わないぞ。→『テニスボーイの憂鬱』村上龍(幻冬舎)/金持ちがモデルの愛人を作ってテニスするだけの、どのページを開いてもバブリーな小説。 #スゴ本オフ

2015-04-18 17:01:52
根岸智幸 @zubapita

うえださん。まずはキメの1行を『すばらしい墜落』ハ・ジン(白水社)から、わたしが死んだら、そこに埋めてもらえばいい。(I can be buried anywhere when I die.)ニューヨークに暮らす移民の中国人たちの話。(続く) #スゴ本オフ

2015-04-18 17:02:49
根岸智幸 @zubapita

(承前)そのひとりのセリフであり、作者自身の気持ちでもある。ノン・ネイティブじゃないのに米国でヘミングウェイ賞をとった人。もう1行。自分の裏、座右の銘。(続く) #スゴ本オフ

2015-04-18 17:02:53
根岸智幸 @zubapita

(承前)『テニスボーイの憂鬱』村上龍(幻冬舎)から、「自分が悪いと思ったら頭がおかしくなってしまうんだ、俺はもうこれから先何があっても自分が悪いなんて思わないぞ。」金持ちの男がモデルの愛人を作って遊んでいるだけの酷い小説。(続く) #スゴ本オフ

2015-04-18 17:02:57
根岸智幸 @zubapita

(承前)人間が他人を幸せにすることはできない。ただキラキラした自分を見せることしかない、みたいなセリフがある。バブリーだけど、たしかな生き方の基準が示されている。『嫌われる勇気』に通じるものがある。@milano2009さん。(続く) #スゴ本オフ

2015-04-18 17:02:59
花岡猫子🧷 @okanekoko

他人の期待に応えるために、自分は生きているわけじゃない。こういう考え方もある。 #スゴ本オフ

2015-04-18 17:03:09
花岡猫子🧷 @okanekoko

「墓地から来たんでせうが。」 頭から水をかぶった様な気がした。→『とほぼえ』内田百閒(「名短編、さらにあり」ちくま文庫所収)/知る限り最も怖い小説の背筋に錐を通されたほどの、凍りつく一言。夏の夜に寄った休み所での会話・・・。 #スゴ本オフ

2015-04-18 17:05:16
花岡猫子🧷 @okanekoko

『名短編』シリーズはどれも面白い小説が詰まっています。短編好きはぜひ! #スゴ本オフ

2015-04-18 17:05:57
花岡猫子🧷 @okanekoko

夢は 真冬の追憶のうちに凍るであらう そしてそれは戸をあけて 寂寥のなかに 星くづにてらされた道を過ぎ去るであらう→『のちのおもひに』立原道造(「立原道造詩集」岩波文庫所収)/わずかな言葉に人生を、四季を語りつくした名詩。 #スゴ本オフ

2015-04-18 17:07:28
花岡猫子🧷 @okanekoko

日も暮れよ、鐘も鳴れ 月日は流れ、わたしは残る→『ミラボー橋』G・アポリネール(詩集「アルコール」所収)/悠久の時の流れの中で、一つところに留まる人の、短い一生の哀しみを美しく描いている。一節を読んでくださっています。いいなぁ。 #スゴ本オフ

2015-04-18 17:11:00
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