- sakatamaki
- 1202
- 0
- 0
- 0
(「'ω')「◇アニメの◇ これから連投するツイートは、ツイッター連載翻訳小説「ニンジャスレイヤー」の私的二次創作小説です。 原作の設定諸々を用いますが、原作ストーリーとの関連は一切ありません。あくまで趣味の物としてお楽しみ頂ければ幸いです。 (「'ω')「◇前に◇
2015-04-16 16:48:41(「'ω')「◇やっとこうね◇ 拙いアソビではございますが、お楽しみ頂けましたら嬉しく存じます。 また、もし実況頂けるというブッダ同然な方がいらっしゃいましたら、#shishi_nj タグをお使い下さい。 (「'ω')「◇そうだね◇
2015-04-16 16:50:06過去分 #1 togetter.com/li/804322 #2 togetter.com/li/806656 #3 togetter.com/li/806657 #4 togetter.com/li/808501 #5 togetter.com/li/808503
2015-04-16 16:51:39ウシミツ・アワー。堅牢な塀に囲まれたドージョー敷地。燃え上がる本堂の激しい炎と虚無的な闇とのコントラストが、焦燥感を煽る。平安時代から伝わる、ウォータードラゴンを象った門は無残に焼け焦げ、破壊されていた。1
2015-04-16 16:54:19泥にまみれたリプルリングが、破壊された門をくぐる。中庭は本堂の炎に照らされ、不気味なほどに明るい。センセイは?セラギ・センセイはどこへいった?レンゲは?一緒だろうか?それともあの炎の中に…?「おう、おう、お客様とは驚いたぜ。グレイウィング=サンはしくじりやがったのか?」2
2015-04-16 16:57:01突然の声に、リプルリングは振り向いた。大柄な男が、中庭の石灯籠に尊大に腰掛けてこっちを見ている。禍々しいオレンジ・ファイアパターンの装束。ひしゃげた鉄のようなメンポ。ニンジャである。この男はいったい?ニューロンに何らかの忌まわしいイメージが像を結ぼうとしている。3
2015-04-16 16:59:11だが…口をついて出たのは愚にもつかない言葉だった。「センセイは…ここの人は…?」オレンジ装束の巨漢は面白そうに嗤った。「センセイ!センセイ!アアッ!それなら……なあ?ブラックマンバ=サン!」巨漢は肩越しに背後に声を掛けた。4
2015-04-16 17:03:49石灯籠の背後、整えられた池の淵に、腰を下ろしている男がいた。顔面にバイオ包帯を巻きつけている。「どうだろうな?アンタの足元じゃないか?」闇にぽっかりと浮かんだような白褐色装束の男は、不吉な響きの声で指し示した。中庭の中央。リプルリングの足元だ。「エッ?」5
2015-04-16 17:06:24抉れたような後。そこだけ、何かが弾けたように土がめくれ上がっている。…それとセンセイが…?何かが分かりかけている。だがリプルリングのニューロンは頑固に理解を拒否した。機械めいて口だけが動く。「レンゲ=サンは…ここの娘さんで…」6
2015-04-16 17:08:46レンゲ。可憐な娘。その名を聞いたオレンジ装束の大男は、心底面白そうな笑みを浮かべた。「レンゲ=サン!レンゲ=サンだってよお!ハイウェイマン=サン!」声に、ガラリと燃え残っている離れのフスマが開く。野卑な笑みを浮かべた半具足毛皮装束の男が現れた。7
2015-04-16 17:11:05「うるせえぞ、ファイアワール=サン!お楽しみが中断しちまったじゃねえか」オレンジ装束のニンジャがニヤニヤと応える。「いや、こちらの兄さんがよ、レンゲ=サンをお探しらしいんだよ。俺達にオモテナシしてくれた娘さんじゃねえかなあ?ハイウェイマン=サン?」8
2015-04-16 17:13:21心臓が高鳴る。何を言っている?毛皮装束の男がニヤリと笑い、戸口からなにかを引っ張りだした。人だ。細い人影が戸外に倒れこむ。引き裂かれた衣服の……レンゲだった。「兄さん、この娘かい?俺達、この娘の名前も知らないんだよなァ。一生懸命オモテナシしてくれたんだけどなあ!ゲハハハ!」9
2015-04-16 17:16:29毛皮装束の…ハイウェイマンがなにか言っている。分からない。耳に入らない。こちらを見たレンゲと…目が合った。「ケナゲだよなァ?てめえの父親をぶっ殺されたってのによォ!俺達をオモテナシしてくれてよォ!グフッ!グッハハハハ!」オレンジ装束のファイアワールが巨体を揺らして笑う。10
2015-04-16 17:19:11レンゲはじっとこちらを見つめたまま、静かに涙を流した。ゆっくりと立ち上がる。傷つき、汚れた姿だった。「おやおや、そちらの兄さんがいいらしい。色男はいいなァ」暗闇からブラックマンバの不吉な笑い。レンゲがゆっくりと歩いてくる。引き裂かれた衣服を胸の前で掻き合わせて歩いてくる。11
2015-04-16 17:21:53レンゲの涙は止まらない。歩いてくる。リプルリングの方へと。リプルリングは自分がどのような表情をしているのかわからなかった。レンゲの両手が動いた。掻き抱いた衣服がはだける。痛々しい裸体がほの見えたが、レンゲは構わず動作を続けた。12
2015-04-16 17:24:21両手の人差し指を合わせる。右手の人差し指と親指を胸の前に当てた。最期に…両掌を己に向け、胸の前で交互に動かした。レンゲは涙を流しながら…微笑った。美しい笑顔。生涯忘れることはできないだろう。リプルリングが最期に見たレンゲは美しかった。次の瞬間。「イヤーッ!」CABOOOMM!13
2015-04-16 17:27:01炎。リプルリングのタタミ1枚手前で、レンゲは消えた。消し炭になった。「…ァ…」「グフッ!グッハハハハ!グッハハハハハハァーッ!」凄まじい熱。吹き付ける熱風。ファイアワールの哄笑。自失し、回転する視界の中で、リプルリングは理解した。14
2015-04-16 17:29:23センセイは死んだ。こいつらに殺された。そしてレンゲは…レンゲは…たった今…。「アア…!」リプルリングの中で、何かが弾けた。リプルリングは絶叫した。15
2015-04-16 17:32:03リプルリングは…そのとき、どういう表情をしていたのだろう?どんな言葉を叫んでいたのか?どんな…どんなカラテを?覚えていない。身体はよく動いたような気がする。遮二無二殴りつけ、蹴り飛ばし…憶えた技を反射的に何度か使い……。「おっと!こいつ、意外とやるぜェ?イヤーッ!」16
2015-04-16 17:34:59岩のような拳に殴られ、その度に殴り返し…「ドクは使うなよ?つまんねェからなァ!」「わかったよ…ほら、隙だらけだぞ?イヤーッ!」執拗に何度も蹴り倒され、その度に立ち上がり…「こいつで殴られるとな!イヤーッ!痛えだろ!イヤーッ!」刺だらけのボーで肉を抉られ、その度に叫んで…。17
2015-04-16 17:37:43「…終わりか。まぁ、頑張ったほうじゃねえか?」不吉な響きの声。「アノヨで再会できるといいな?俺達の使い古しの姉ちゃんとよ?」下卑た口調のもう一人の声。「口ほどにもねェ。ジジイも浮かばれねえなァ、こりゃァ…。まァ、俺が殺したんだけどなァ!グハッ!」ヨタモノめいた巨漢の声。19
2015-04-16 17:42:40身体がひどく冷たい。視界の隅でチラチラと炎が踊り、彼の家族、彼の居場所を燃やし尽くしていく。(((俺は…)))肉が抉れた傷から血が流れ出ていく。ひどく不格好に放り出された体勢なのに、まるで身体が動かない。口の中がひどく乾いていた。20
2015-04-16 17:45:12