「フタバから遠く離れて」(舩橋 淳)についての東浩紀さんのつぶやき
今週金曜のイベントのために「フタバから遠く離れて」見ているけど、この2011年の怒りや熱狂はどこへ行ったのだろうなあ。
2015-04-28 02:02:12わずか4年前のドキュメンタリーが、こんなに遠く感じられるとは。2011年と2015年のあいだで、日本はずいぶん変わったということだろう。ぼくたちはそのなかにいるので気づかないけど。
2015-04-28 02:07:015/2との監督とのトークショーに備えて「フタバから遠く離れて」第2部を見ているので、なにげなくグーグルの検索窓に「双葉町民」と入れてみたのだが、出てきたサジェストにのけぞった。あえて書かないが、悪口だらけ。日本、どんな国なんだよ。
2015-04-28 11:08:03しかし、こう、政府に怒るとか原発事故に怒るとかいう勢力は、なんだって鼻血系(科学的にまちがった認識)と結びついてしまったのかな。
2015-04-28 11:20:47第2部、いまの僕の関心からだとおもしろい。タイトルの「遠く離れて」の意味がだんだんわかってきたよ(というか第1部と変わってきてるように見えるし、それを淡々と映しているのがいい)。
2015-04-28 11:27:31土曜日のイベントのため、舩橋淳監督の「フタバから遠く離れて」第1部と第2部を見、後者については同名の書籍も読んだ。舩橋氏は井戸川前双葉町長の支持者(といってかまわないだろう)であり、昨年の『美味しんぼ』騒動についても雁谷哲側。今月のはじめにお呼びした開沼博氏とは対極の立場だ。
2015-04-30 14:16:15ぼく自身といえば、いわゆる低線量被曝の健康被害の存在については懐疑的である。井戸川氏の主張にも事実誤認が多いと感じる(この点で舩橋氏とは考えも異なる)。しかし、2つの映画を読み1冊の書物を読んで、井戸川氏の「怒り」そのものは正当だと感じた。土曜日には、そこらへんについて話したい。
2015-04-30 14:20:20去る3月11日、ぼくはいくつかの媒体で「双葉郡の人々はもっと怒りを表明したらよいではないか」と記した。そうしたところ強い批判に晒された。「ありがた迷惑」の典型だと言われた。対面で直接「被災者は実際怒っていない、復興のほうが大事で割り切っている」と諭してくれたひともいた。
2015-04-30 14:23:22そうかもしれない。そうでないかもしれない。福島のひとがなにを考えているのか、ぼくにはわからない。ただそれでも、あの事故のときに東京にいて、これからも復興や廃炉のために税金を提供するひとりの日本国民として、ぼくにもあの事故について考え、発言する自由はある。
2015-04-30 14:25:30一方に、被災者は怒っていない、中間貯蔵施設の建設も復興のためと割り切っている、それこそが県民性であり賢さなのだと語るひとがいる。他方で、それとはまったく別の物語を語るひとがいる。たぶん両方真実なのだろう。だとすれば、結局はぼくは自分が共感できるひとと仕事をするしかない。
2015-04-30 14:30:43そんなことを考えました。「フタバから遠く離れて」はとてもよいドキュメンタリーだと思うので、みなさんもぜひ。(監督は井戸川支持者だと思いますが、作品は特定の信条を訴えるプロパガンダにはなっておらず、むしろ現実の醜さやどうしようもなさをきちんと切り取っています)
2015-04-30 14:32:56しかし、フタバから遠く離れて第2部を観て思うのは、政府や東電が悪いというより、日本全体が愚かだって印象だな・・・
2015-04-30 15:47:35