【13話時点】たらればさん( id:tarareba722 )の『プリンセスチュチュ』ツイートまとめ #ptutu ☆

たられば @tarareba722

⑥簡単に言うと、あひるさんやふぁきあくんらは、「結末の決まっている物語」なのに、なぜ必死に生きようとするのか。それは滑稽だ、と作者（ドロッセルマイヤー）は笑います。しかしそれって「人生」も同じなんですよね。人は必ず死ぬ。それでもよりよく生きようとする。それを思い起こさせてくれる。

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⑦一番端的にそれを表しているのが作中のエデルさんの言葉です。曰く「運命を受け入れる者に幸いあれ。運命に逆らう者に栄光あれ」。 『まどマギ』のレビューでも書きましたが、優れた物語は私たちが生きるこの人生とどこか似ていて、普段は決して語り得ないところを照らしてくれるものであります。

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⑧構成上特筆すべき点の二つめは「バレエ」という表現手法を最大限利用したことです。これは第13話最大のネタバレなのでさすがに書くのを控えますが、小説でも戯曲でもマンガでもない、バレエとそれを取り上げたアニメでしか成立し得ない、本来は足かせとさえなりうる特徴を、綺麗に生かしています。

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⑨これは、「これまで出てきた【色々こじらせている敵役たち】が、なぜあっさりと（？）プリンセスチュチュに説得されたのか」の裏打ちとも捉えられます。それは「（王子がなぜか話を聞きたがったという）プリンセスチュチュだったから」に加え、「バレエだったから」なんだな、と納得できるんですね。

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⑩さらに本作は、数百年レベルで語られている「物語」に通底するテーマを見事に批評するセリフやエピソードがありました。例えば第9話『シンデレラ』。冒頭ナレーションで「王子様はその娘を、本当に愛したのでしょうか？」。人は人に恋するのか？　それは単に「状況」に恋しているだけでないか？

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⑪第12話『闇の宴』、冒頭ナレーションは「奴隷を縛るのは重い鎖ではなくお姫様の愛情でした。動けないのは奴隷とお姫様、本当はどちらなのでしょう」。本話に使われるBGMが『シェヘラザード』（千夜一夜物語のお姫様の名前）だと分かると、この言葉に途方もない「深み」があることがわかります。

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⑫具体的に言うと、シェヘラザード＝囚われの姫＝みゅうと、シャフリアール＝残忍な王＝るう、とストレートに解釈していいのか？　その逆でも成立するのでは？　これはヘーゲルの『奴隷と主人の弁証法』で詳細に語られています。「主人」とは、その人を「主人」と呼ぶ人がいて初めて存在できるのでは。

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⑬そうした「愛とは何か」、「表現とは何か」、そして「役割とは、生きるとはどういうことか」を私達に問いかけながら、物語はクライマックスへ進みます。13話で迎えたとりあえずの結末は、納得できるものでもあり、またどこか居心地の悪さを感じさせるものでもありました。次章が楽しみです。（了

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ちなみに14話以降は「折を見てなる早で視聴」となるんですが、しかしこのままでは明らかに騎士＝ふぁきあくんの扱いがぞんざいなので、次章では大活躍してくれると信じたい。王子＝みゅうとくんの役立たずぶりは「空白」として機能しているのでまだわかるんですが、騎士、役立たずすぎだぞ。頼むよ。