廃棄物日誌 LOG:9

夕立の話や色々と。 そろそろ今年(2015/5/8)からはちゃんとチャプター的に区切れるように書いていきたい所。
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廃棄物13号@カクヨム連載中 @eibis_splicer

「提督専用のSNSサイトでも立ち上げておくべきだったな」 彼女が見せたのはTwitterやフェイスブックだ。 表示されているのはドヤ顔でダブルピースしている泊地棲鬼。 そしてその画面には、提督のツイートがRTされていた。それも沢山の提督のツイートが。 #廃棄物日誌

2014-10-05 02:30:32
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その中には海軍本部の公式アカウントも含まれていた。 山城が珍しく「山城らしい」顔になる。 「ノーザンプトンが今中部海域にいるんだが、中部海域で潜水艦作戦を開始すると聞いたから万全の体勢を整えて待ってたら、ホントに潜水艦だけで来たらしいぞ」 #廃棄物日誌

2014-10-05 02:33:24
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「かと思ったら大鯨か軽巡艦を連れてきた時もあったらしいが、殉教者作戦か?無謀だと分かるだろうに。あんな紙みたいな潜水艦じゃあ…」 「…だから海軍本部は無能しかいないのよ」 素に戻った山城が呟いた。 #廃棄物日誌

2014-10-05 02:36:57
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「AL/MI作戦だって、貴方達は分かってたんでしょ…」 「空母の発言から、その作戦のリベンジをすると予想していたよ。だからいつでも来られてもいいように待っていたんだ。そしたらバカ正直にお前達は来た。ついでに新型艦載機「べスパ」の実戦試験も行ったよ」 #廃棄物日誌

2014-10-05 02:41:58
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べスパとは、白い球状をした新型艦載機のことだ。 提督の間では「白いたこ焼き」と呼ばれている。 因みに厳密には戦闘機ではなく、護衛要塞の仲間だ。 「しかしお前らは多少不可解な動きをしながらも幾つかはAL/MIを攻略した」 #廃棄物日誌

2014-10-05 02:46:41
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多分羅針盤の事だと山城は思ったが、もう喋る気力もなかった。 「…も、もう究極に不幸だわ…」 「運だの愛だの根性ではどうにもならないと、よく分かったか。性能強化を提案するべきじゃないのか?」 「何提案しようが本部は陸軍のクソよりも聞き入れないにゃん」 #廃棄物日誌

2014-10-05 02:54:30
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「金剛型か矢矧かビスマルクのケツ触ることしか脳がないのん。上官のクソは部下に押し付けられるにゃん。だけど、まだお前達を殺せるにゃん」 「最後に面白い事を教えてやろう。現在の我々の仮想敵はもう人間ではない。霧の艦隊だよ」 #廃棄物日誌

2014-10-05 02:59:51
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「お前らあいつらにも喧嘩売る気にゃん?」呆れ気味に山城が言う。 「そうだ。蒼き鋼の艦隊は我々に攻撃を行った。つまりは、いずれまた戦うことになる。ならば先手を打つか、対抗できる者を育てるかだ」 #廃棄物日誌

2014-10-05 17:06:18
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当然のように答える泊地に、山城はよくわからない敗北感を味わっていた。 彼女たちは目の前の敵だけではない、その先に待ち受けているかもしれない姿なき敵も視野に入れて戦っていた。 支配者の座を手にするために。 #廃棄物日誌

2014-10-05 17:35:43
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「元々はエンタープライズを抑えるために生み出されたレ級とベスパシリーズだが、≪通常形態≫に移行できるようになれば霧の大戦艦、更には超戦艦クラスにだって対抗できるだろう」 夕張から漫画やDVDを借りていた泊地は、アルペジオ原作とアニメを見たのだろう。 #廃棄物日誌

2014-10-05 17:51:04
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そして霧の超戦艦や他の霧の潜水艦を見たのだろう。 「あいつらに勝ってどうする気にゃん?それにお前らにはコンゴウ達がいるにゃん」 「アルペジオを見てないのか?最後コンゴウとイオナは和解していた。次来るときは、奴も私達を攻撃すると思っていい」 #廃棄物日誌

2014-10-05 17:53:17
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「こりゃマジで戦う気にゃん。海軍本部の間抜けがまたあいつらを呼び寄せるとは思えないにゃん」 「なら他の連中だ。紺碧の艦隊、旭日の艦隊、もしかしたら艦娘の技術で改修を受けたBSGやストライクウィッチーズかもしれないだろ?」 どれも夕張が持っていた本の存在だ。 #廃棄物日誌

2014-10-05 17:55:34
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特にBSGやストライクウィッチーズは実際に存在する。 霧の艦隊ではないなら、来ると踏んでいるのはそのどちらかだろう。 「あんなポンコツ連中また前線に投入するとは思えないにゃん」 「“かもしれない”だろ?確かに無駄な心配かもしれないが、用心に越したことはない」 #廃棄物日誌

2014-10-05 17:57:51
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「何せソ級は対強化BSG、ツ級は対ストライクウィッチーズまたはイオナ用に生み出されてるんだからな。いつでもお前たちの動向には気を配っている。情報封鎖しても無駄だ。どんな方法でもお前たちを常に見ているからな」 ピースで自分の両目を指し、それから山城に向けた。 #廃棄物日誌

2014-10-05 18:01:23
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「EYE HAVE YOUにゃん?」「その通り。所でこれに話を戻すが、セラピー用の物はここにあるか」 「あるけど、何に使うにゃん?」「仮想空間の海がどんなものか見てみたい」 「本物の海より綺麗すぎると思うにゃん」そう言う山城に泊地は指を振る。 #廃棄物日誌

2014-10-05 18:03:37
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「美しい物も汚いものも等しくある海は何物よりも綺麗だと我々は思っている。だから、お前たちの感性での美しい海を見てみたいんだよ」 「それも学習にゃん?」「違うね、興味だよ」 #廃棄物日誌

2014-10-05 18:04:43
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何処までも続く海、青い海。 色とりどりの珊瑚礁に、魚たち。イルカたちが楽しそうに飛び跳ね、 巨大な白鯨が雄大に海を泳いでいるーーー。 泊地はいつもと変わらない、しかし何処か綺麗すぎる海の中にいた。 ここは仮想空間。セラピーや初心者向けに使われている。 #廃棄物日誌

2014-10-05 18:12:03
廃棄物13号@カクヨム連載中 @eibis_splicer

普段と変わらないが、何処か落ち着く。 クラゲが蝶々のようにゆらゆらと海中を漂い、イルカが超音波で自分に語り掛けてくる。 人間はまだイルカの言葉を理解してないのか「あいうえお」と言い続けているだけだが。 いつも通り、最低限の浮力を生み出して海中に留まる。 #廃棄物日誌

2014-10-05 18:16:49
廃棄物13号@カクヨム連載中 @eibis_splicer

するとどうだろう、鮮やかな青い魚の下半身を持つ、人魚が興味深そうに近づいてくるではないか。 人は、こんな生き物がいて欲しかったのか。 人魚の翡翠のような色の髪を撫でながら、泊地はそう思った。 〈Log out〉 #廃棄物日誌

2014-10-05 18:41:54
廃棄物13号@カクヨム連載中 @eibis_splicer

演習用シミュレーターから出てきた泊地に、山城はいつものチェシャ猫を彷彿とさせる笑みを浮かべて近づいてきた。 「どうだったにゃん?」「いつもと何ら変わらなかったが、人間が我々に抱いていたであろうイメージが何なのかは理解できたよ」 「人間は現実逃避する生き物にゃん」 #廃棄物日誌

2014-10-05 18:44:40
廃棄物13号@カクヨム連載中 @eibis_splicer

「目の前の我々や隣のお前たちから逃避してほしくはないのだがな」 #廃棄物日誌

2014-10-05 18:45:05
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