150509 NEXTA'15 公開審査会（ #NEXTA15 ）

Ryuji Fujimura @ryuji_fujimura

対して相見の主張は確かに95年以後の文化って雑居ビルとメッセで生まれているし、それを単体の建築の要素として一体にして繋いでしまうという発想は限りなくシャープ。インターネットってこういうことかも知れないと教えてくれる建築。

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建築の価値は多様だが、議論に値する建築のひとつのかたちというのは、「◯◯ってこういうことかも知れない」と教えてくれる建築だと思う。藤本の作品も相見の作品も、「ネットってこういうことかも知れない」と教えてくれる建築だった。だから面白かった。

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他方の「メガ・コンテクスチュアリズム」対決は、佐藤案は表層と本体を分離して表層で町並みに対応し、本体でがっつり床面積を稼ぐというもので、これは今日の組織・ゼネコンが提案する巨大建築の定番となっているなかで、湯之上はパタンランゲージを駆使して5万㎡を設計しつくしていたことに驚いた。

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佐藤の上手さは表層と本体のあいだにボイドが設定されていることで、これが巨大建築の迷路性を回避しつつ外部から見たときにボリュームに不思議な透明性をもたらすことが期待でき、巨大建築の作り方として可能性を感じる、とても大人な作品であった。

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対して湯之上は2週間にわたる通行人の尾行調査(変態疑惑w)を経て敷地周辺の人々の行動を観察し、詳細な立面図、配置図を作成し、行為と空間のセットを24種類のパタンとして取り出し、5万㎡の本体そのものをパタンランゲージで設計してみせるという離れ業を披露。その労力は敬服に値する。

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討議では芦澤さんが盛り上がるメガ系のみならずスモール系の評価を主張し、竹口さんは建築空間のクオリティを、畑さんは何にトライしているかという立論を重視するとした。そうして最後は藤本・相見・植野の3者が残った。

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アーキテクトは常に藤本のような変態系と佐藤のようなスマート系が対比され、その緊張関係のなかで新しい表現が生まれる。そしてそうした議論の平面で強いのはそれらのハイブリッドである相見のような作品なのかも知れない。

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終了後の懇親会にて。結局選ばれるか選ばれないの差は審査のフレームによるので相対的。変態系では変態度の勝負になるし、スマート系ではスマート度の勝負になる。結局得意とするところを自覚し、そこを人より努力して伸ばそうともがくのが吉。

Ryuji Fujimura @ryuji_fujimura

ただ私が気になるのは「建築に今のところ前向きだけど、嫌いになりかけている人」。積極的に行動するNEXTAのメンバーも実のところそういう人が半分くらいを占めているのではないだろうか。それはいつの時代も変わらないのであるが、何事も出会いとかきっかけ次第。もったいないなと。

Ryuji Fujimura @ryuji_fujimura

いろいろと理由をつけているけれど、イマイチ建築にまっすぐ向かい合えないのは「評価されない」からに他ならない。そんな状況を打開するには、評価してくれる人に出会うか、評価されるように自分を変えるか、あるいはその両方か。

Ryuji Fujimura @ryuji_fujimura

絵や図面がうまかったり、なかなかいいキャラしているのに伸び悩んでいる人は端から見ると、少しだけ出会いが少なく、少しだけ自分の価値観に閉じているだけのように見える。そこで少しだけ行動範囲を広げて、少しだけ柔軟に構え直す人は急速に伸びて行く。NEXTA世代くらいがちょうどその境目。

Ryuji Fujimura @ryuji_fujimura

というわけで昨日お会いした皆さん陰ながら応援しておりますのでこれからも頑張って下さい。ひとまずお疲れさまでした。