#スエズ鎮守府 活動記録その4

望月’sパンツ
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アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

「いいか、AXISには気を付けろ。警戒を怠るな」 「待てよ、話が見えてこないんだが。そもそもAXISってのは何なんだ。人なのか、兵器なのか、それとも何かのグループなのか? 正体が分からないんじゃ、こっちだって警戒しようがねぇよ」 親父は難しそうな顔で黙り込む。 #スエズ鎮守府

2015-10-20 12:51:28
アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

「こちらとしても、意味までは分かっておらん。ただ、日本の外でそういうモノが作られているということは分かっている」 「国連軍か?」 「さあな。人類も一枚岩ではない。全てを把握するのは不可能だ」 知らないのは本当らしい。 AXIS、枢軸か…… 「分かった。覚えとく」 #スエズ鎮守府

2015-10-20 12:54:44
アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

「言いたかったのはそれだけだ。……母さん、帰ろうか」 親父が席を立つ。 次にいつ会えるかも分からない両親。その背を、俺は呼び止める。 「親父、俺からも聞きたいことがある」 「どうした」 「親父は……"フラグメンツ"について何処まで知ってる」 親父の動きが止まった。 #スエズ鎮守府

2015-10-20 12:57:28
アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

俺の言葉に、望月が顔を上げる。 フラグメンツ――磯風や矢矧に搭載され、そして望月に発現してしまった力。 親父なら何か知っているはずだ。大将の権限なら、俺の大佐権限よりよっぽど深く事情を掴んでいるはず。 なのに、 「機密事項だ。大佐のお前に教えられることはない」 #スエズ鎮守府

2015-10-20 13:02:50
アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

「そんなひと言で諦めると思うか。こっちは、その力で秘書艦をなくすところだったんだぞ」 睨み、食いさがるも親父の態度は変わらない。 「弁えろ大佐。お前には権限がない」 大将の顔だ。こうなると、何をしてもその意志は変わらない。 「だけど!」 「何を言っても無駄だ」 #スエズ鎮守府

2015-10-20 13:06:44
アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

「フラグメンツについては、俺も限られた部下にしかアクセスする手段を与えていない機密扱いだ。お前には辿り着けんよ」 そう言い、親父は再び背中を向ける。 俺はその言葉を噛み締め拳を握り、ひと言だけ、絞り出すように投げ掛ける。 「舞風に、会ったよ」 「……そうか」 #スエズ鎮守府

2015-10-20 13:10:12
アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

舞風。親父の娘であり、俺の妹であった伽耶の身体を使い、人工的に作られた艦娘。 その存在は、俺達家族の中でも複雑なものだ。 「舞風には、野分という艦娘がついている。お前は心配するな」 「ああ、知ってる。彼女のこと、よろしく頼むよ」 「息子に言われるまでもねぇよ」 #スエズ鎮守府

2015-10-20 13:13:13
アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

今度こそ、両親が去っていく。その影が見えなくなったところで、 「息子の頼みなんだからさー、教えてくれたっていーじゃんね」 脱力したように、望月が机に突っ伏す。こいつ自身の話だ、色々不満なんだろうが…… 「いんや、収穫ならあったよ」 「今の会話で分かったことある?」 #スエズ鎮守府

2015-10-20 13:16:00
アフリカの星逆 @Hoshisaka_RevSt

正確には、情報への入り口を教えてもらったってところだな。 そう言うと、不知火と龍鳳も首をかしげる。 「親父は、情報は自分の部下でも限られた者しかアクセスできないって言ってたが……その部下は、既に俺達の元にいるだろ」 そう、親父がスエズに寄越した艦娘が1人いる。 #スエズ鎮守府

2015-10-20 13:19:34
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