黒豚の生業録／大戦編・１

ストラベリー／５１ @_strberry

@schsch_schwein 「…………、　　」

シュシュ＠条約の邪紋使い @schsch_schwein

@_strberry 「……なぁに、君」――混沌の気配に気づいて、死体に掛けようとした手を止める。

シュシュ＠条約の邪紋使い @schsch_schwein

条件反射のように匂いを確認する。うん、悪くない。混沌の研究を行なっている研究機関にはツテがある、死体も充分に研究材料として（――いや、待て待て僕。殺しにかかるには、まだ早いよぉ） つらつらと考えながら、相手の言葉や出方を伺う。

ストラベリー／５１ @_strberry

@schsch_schwein 「……うん……」（死体漁りはよくない）（いや勝者の戦利品としてあっても良いものだ）（所持品で身元がわかることもあるのに）善としての思考と、荒れた戦地での思考が脳をしめてしまい、曖昧な表情で曖昧な声しか、出ない。きっと相手からしたらさぞ不気味だろう。

ストラベリー／５１ @_strberry

@schsch_schwein　「……よくない」と漸く一言、ぽつりと　伝えたいことを選ぶ。

シュシュ＠条約の邪紋使い @schsch_schwein

@_strberry 「っは……なんだよ、お説教しにきたの？　もしここで僕がやめなかったら、邪魔する気ぃ？」どうなんだよ、とお宝からは離れずに、それでも口調だけは詰め寄るような語気でそう口にする。

シュシュ＠条約の邪紋使い @schsch_schwein

@_strberry 「それともぉ、君がぁ……ここの連中の代わりに、『肉』や『身体』を僕に売り飛ばさせてくれるってわぇ？」そう言った後、けらけらと笑う。「あはは、そんなわけねぇよなぁー。知ってる知ってる」

ストラベリー／５１ @_strberry

@schsch_schwein その語調は苦手。こわい時の語調。それに沢山言葉が出てくる時の語調。その不安と、この現状を自分はどうしたいのかという迷いに眉根を寄せて。いたら。　「……あ、　それだったら、少しは、分けられるよ」なんて、出来る事を教えてもらった子供のような顔で。

シュシュ＠条約の邪紋使い @schsch_schwein

@_strberry 「うっそ、いいのぉ？　やっぱ返してーとか無しだかんね？　あ、そういうこと言わない？　わーいやったー！」ぱぁっと明るい表情になって、死体から離れて赤髪の青年に近づく。敵意はないことは伝わってきた。「ねーどこ分けてくれるのー？　僕的には、肝臓が良いなぁー」

シュシュ＠条約の邪紋使い @schsch_schwein

確かに少しだね　一部だもんね……さっきまでの思考回路と比べたらちゃんと遠慮はしてるね　えらいねぇ……（蒼白）

ストラベリー／５１ @_strberry

@schsch_schwein どうせ心臓を刺しても死なない身の臓器がどこまでちゃんと動いているのか自信がない、が、邪紋使いの臓器というだけで価値はそこそこある気がした。「死ににくい身体だから、大丈夫だと思う。だから、そこの兵と交換な」

シュシュ＠条約の邪紋使い @schsch_schwein

@_strberry 「はぁい、『そこの兵』と交換ねぇー。交換成立ー！」手慣れた動作でナイフを抜き、赤い髪の彼を座らせる。「臓器の場所は分かるから、だいじょぶ。違う物とかもってかないからねぇ……ほんとは死体が欲しいけどもね、なんちゃって」ナイフをそっと引き締まった腹部に滑らせ――

カムルル@同盟 @calm_lull_

@schsch_schwein @_strberry ――瞬間、突如として空に黒い雲が湧く。 痩躯の少年が思わず空を見上げた瞬間、一気にその場に暴風雨が吹き荒れ始めた。

ストラベリー／５１ @_strberry

@schsch_schwein @calm_lull_　「―――」ぱっと　頭が冷える。ルル。　ルルだ。　ルルだ！　ばっと周囲を探す。頭が冷える。　あ、悪い事してた。こんな選択がバレては悲しませる。ばれてしまったらもう渡せない。腹部を仕舞いつつ下がり、立ち上がって　ルルを探す。

シュシュ＠条約の邪紋使い @schsch_schwein

@_strberry @calm_lull_ 目を開けてられない程の暴風と冷たい雨。「うわ……あんだよこれぇ。今日は晴れつってただろがよぉ……最近ツイてたからかなぁ反動かぁ、くっそ」流石に作業なんて続けてられない。舌打ちをしてナイフをしまい、誰かを探してるらしい赤髪に声を掛ける。

シュシュ＠条約の邪紋使い @schsch_schwein

@_strberry @calm_lull_ 「肝臓はぁ……また今度会った時に、ちょーだいね？　気が変わってなければ、穏便に済ませたげっからさぁ」

ストラベリー／５１ @_strberry

@schsch_schwein @calm_lull_ 「……うん」また今度がなければいい、或いは相手を迷わず殴り飛ばせる自分であればいい。そんなことを祈りながら、決して嘘ではない返事をひとつ。　雨に濡れながら申し訳なさそうに立ち上がる様はまさに濡れた犬のような顔。

シュシュ＠条約の邪紋使い @schsch_schwein

@_strberry @calm_lull_ 「はは、犬っころみてぇ。……ま、そう言う僕は、意地きたねぇ豚だけども」そんな彼の姿を見て、おかしそうにけらけらと笑いながら、痩躯の少年はさっさとその場を立ち去った――またね、と次があることを、意地汚く期待する声音で。

シュシュ＠条約の邪紋使い @schsch_schwein

――苛々がやまない。 戦場を徘徊して、これで何日目か。少なくとも五日間の激戦区入りが決まるよりもずっと前から、休みなく屍の山に浸り切っているような気がする。 不相応な賞賛に苛立ち、一層乾く。ここ数日の利益は二束三文の代物ばかり。余計に心が欲しがり、卑しんでやまない。 #黒豚の生業

シュシュ＠条約の邪紋使い @schsch_schwein

@schsch_schwein （……、もっと） いい匂いを探して、そこいらを下品に嗅ぎ回る。彷徨ううちにディザ領の付近に差し掛かる。ああ、肥沃なこの地ならば、何かしらは稼ぎを見つけて帰れるだろう。周囲をふらりと一巡して、付近に戦跡や屍がないかを探す。 #黒豚の生業

ストラベリー／５１ @_strberry

@schsch_schwein （そして彼は、ある意味では『屍』を見つけるだろう。） 正直に言えば、身体にガタが出てきていた。僅か数日の休憩だけで暴れすぎた気がする。頭を冷やそうと遠く郊外の静寂の空気を吸いつつ歩いていた矢先、目にとまった痩躯の姿に、ゆっくり目蓋を見開いた。

シュシュ＠条約の邪紋使い @schsch_schwein

@_strberry 『匂い』を察知して――ゆらぁ、と緩慢な動作で、そちらに顔を向ける。 その赤髪と、くすんだ肌を見て、思い出す。思い出して、歓喜に瞳孔が開く。鬱屈が僅かに晴れる感覚。 「……ぁー……久しぶり、だねぇ。約束、守りに来てくれたんだぁ……？」 #GC模擬戦

ストラベリー／５１ @_strberry

@schsch_schwein 「あ」以前、酷く曖昧にかわした約束が脳の底で素早く記憶を成す。かつては自分の馬鹿げた行動を、天の激奏が冷やして、くれたが。 相手の期待を裏切る一言を発するのは、とても心が重かった。 「……いや、　あの約束は、守れない……」 #GC模擬戦