Fallout鎮守府　メガトンの爆弾

スフィルナ＠治療中 @finad8

「あんな街、怖いですわ。」 「熊野、そんなおびえてたらダメだって。」 Vault45監督官、もとい提督代行の陸奥に下された指令に熊野はため息をつく。 メガトンに行く道はコンクリートがはげ、タイヤやホイールのない廃車が放置されていた。 #Fallout鎮守府

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道の先に見えるメガトンは廃材を寄せ集めて作られた壁といった様相で、熊野は真っ先に「汚らわしい」「危険」といった感情が沸き起こる。 鈴谷はそんな熊野の手を引き、メガトン正面のゲートに到着する。ゲート上の航空機用ジェットエンジンが稼働すると、ゲートが開く。 #Fallout鎮守府

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『メガトンへようこそ、爆弾に危険はありません。』 人の形状ににたロボット、プロテクトロンの声を聞きながら２人はゲート内部に入る。 中央部の大きなクレーターを中心に高低差のある廃材で作られた建物が並び、クレーター中心部には大型の爆弾が突き刺さっている。 #Fallout鎮守府

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「ば、爆弾じゃありませんのあれ。」 「そうみたいだね……ヤバくない？」 ２人は爆弾に近づいてみると、腕に付けられたPip-Boyが放射線を検出しカリカリといやな音を立てる。 「これって戦術核って奴かな？」 のんきそうに鈴谷は爆弾をじっと見ている。 #Fallout鎮守府

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「立派な爆弾だろう？こいつのおかげでレイダーが来なかったんだ。」 ２人の元に、レーザーライフルを背負いコートを着用し、ひげを生やした中年男性が話しかけてくる。 「誰ですの？」 「メガトンの保安官だ。お嬢さんたち、爆弾にはうかつに触るなよ。」 #Fallout鎮守府

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保安官がそういうと、熊野は首をかしげる。 「信管はまだ生きてますの？」 「あぁ。だがここには解除できる人はいない。解除したら豪華な家1件をやるといっても怖気つくか技量のない奴ばかりだ。」 保安官がため息をつき、二階建ての廃材で建築された家を見つめる。 #Fallout鎮守府

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熊野はその家を見て複雑そうな表情をする。彼女のセンスにはまったくと言っていいほどあわない家だ。 「そうですの……」 「解除する気が無いならうかつに近づくなよ。」 そういうと保安官は去っていく。鈴谷は少し考え込むような表情をする。 「どう思う？報酬の話。」 #Fallout鎮守府

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「あんなボロ家は嫌ですわ。拠点ならもっと豪華な建物のほうがいいですわね。」 「だよねー。爆弾解除してあんなあばら家なら自分で建築したほうが早いよね。」 鈴谷の言葉に熊野も笑みを浮かべてうなずく。すると、スーツ姿の男性が近づいてくる。 「屋敷に住みたいか？」 #Fallout鎮守府

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「誰？」 鈴谷はとっさに背負っていた99式小銃を抜いて構える。スーツの男性は銃口におびえる様子もなく話を続ける。 「簡単な話だ。1000キャップと豪華な家をやろう。こっちの依頼に従えばな。」 「本当ですの！？」 豪華な家と聞いて、熊野は真っ先に食いつく。 #Fallout鎮守府

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「あぁ。まずはこのモジュールを爆弾にはめ込んでくれ。それからついてきてほしい。」 スーツの男はモジュールを熊野に手渡すと、そのまま街の酒場に入っていく。 「……怪しくないそれ。」 鈴谷はスーツの男が信用できないのか、表情を険しくする。 #Fallout鎮守府

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「でも乗るだけ乗ってみてもいいのではなくて？」 熊野はそういうとモジュールを爆弾にセットする。電線を所定の場所にセットするだけの簡単な作業だ。 「任務忘れないでよー？メガトンと取引するためのきっかけを作れって任務。」 「もちろんですわ。」 #Fallout鎮守府

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セットし終わると、熊野はボロボロの酒場に入っていく。 「セットし終わりましたわ。」 「そうか。次は私について来い。」 スーツの男はメガトンの外に出る。熊野は鈴谷を連れて外に出ると、外に稼働状態の6輪軍用トラックが待っていた。米軍で使う大型のタイプだ。 #Fallout鎮守府

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「乗れ。」 スーツの男が運転席に座ると、鈴谷は荷台に乗り込む。 「ちゃんとそいつから話聞いてよ？」 「もちろんですわ。」 熊野は助手席に乗り込むと、スーツの男はトラックを発進させる。 「それで、わざわざモジュールなんか取り付けてどうするつもりですの？」 #Fallout鎮守府

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「乗れ。」 スーツの男が運転席に座ると、鈴谷は荷台に乗り込む。 「ちゃんとそいつから話聞いてよ？」 「もちろんですわ。」 熊野は助手席に乗り込むと、スーツの男はトラックを発進させる。 「それで、あんなモジュールを取り付けてどうするつもりですの？」 #Fallout鎮守府

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「それは着いてから話す。」 トラックはウェイストランドの荒野を走りぬけ、巨大なマンションへと向かう。 「な、何ですのあれ！？」 写真でしか見たことのない場違いな高層マンションを見つけ、熊野は興奮した様子でスーツの男に尋ねる。 #Fallout鎮守府

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「あれが我が主の館にて貴方達が住む館、テンペニータワーだ。」 「そうですの……！」 トラックがゲート前で止まると鈴谷が荷台からおりて、熊野も助手席から降りる。 正面ゲートをスーツの男が開き、タワー内部に入ると豪華なシャンデリアに大理石の床が2人を出迎える。 #Fallout鎮守府

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「こんなところに住めるなんて夢のようですわ……！」 熊野が目を輝かせるが、鈴谷はそっと耳打ちする。 「絶対なんか裏があるよね、こういううまい話。」 「そうですの？」 「もう、熊野警戒心なさすぎ！ちゃんと責任とってよ？」 鈴谷は熊野の能天気さにあきれてしまう #Fallout鎮守府

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「こちらだ。」 スーツの男はエレベーターに案内し、最上階で降りると豪華な一室に入る。 内装に熊野が見とれ、鈴谷は興味なさそうに引っ張っていくとバルコニーに出る。 「すばらしい仕事をしてくれたな。後は分かるだろう？」 スーツの男はやや興奮した様子でたずねる。 #Fallout鎮守府

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「おぉ、Ｍｒバーク。いよいよ準備は整ったか？」 椅子に座り赤いスーツを着た老人がスーツの男、Ｍｒバークに尋ねる。 「もちろんです。さぁ、スイッチを押す権利をやろう。」 テーブルの上に置かれたアタッシュケースをＭｒバークが開ける。 #Fallout鎮守府

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「起爆装置……やばいじゃんそれ。」 鈴谷はアタッシュケース内部の装置を見て、すぐ起爆装置と見抜く。 「あの不愉快なガラクタを吹き飛ばしてくれるのだろう？」 テンペニーは何も悪びれる様子もなく爆破を促す。その態度に熊野は表情を険しくし、鈴谷に耳打ちする。 #Fallout鎮守府

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「どうしますの？街吹き飛ばすなんて聞いてませんわ……！」 「熊野、ここは私達の好き勝手に出来る世界だよ？あるよね？報酬も屋敷も取れてメガトンのためになる選択肢が。」 鈴谷はそっと耳打ちを仕返す。熊野は複雑な表情で考え込んでしまう。鈴谷の意図が分からないのだ #Fallout鎮守府

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「……ど、どうしますの？」 「ちょっと銃撃戦になるけど、あの2人倒しちゃえばいいじゃん。ここのガードと戦うけど。」 鈴谷の案に、熊野はにやりと笑みをこぼす。 「いいですわね。ではさっさと。」 「どうしたんだ？さっさとしろ。」 Ｍｒバークが鈴谷と熊野を急かす #Fallout鎮守府

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「あー、悪いけどこの話なしね。」 「そうですわね。」 鈴谷と熊野は離れると、鈴谷は99式小銃をＭｒバークに、熊野はレーザー拳銃をテンペニーに向ける。 「とぉぉぅ！」 「！？」 気が抜けそうな熊野の声が響き、同時に赤いレーザーがテンペニーを焼き尽くす。 #Fallout鎮守府

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同時に鈴谷は99式小銃を発砲、近距離でＭｒバークの頭を吹き飛ばす。 「楽勝ー」 「ですわね。」 鈴谷がＭｒバークから鍵と契約書、キャップを抜き取る。 「ほら、熊野屋敷の契約書と鍵だよー。これで……」 「いりませんわ。」 熊野は契約書を取ると破り捨てる。 #Fallout鎮守府

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「あれ、いらないの？」 「いりませんわ。こんな嫌な奴のところに住むくらいならあの違法建築でガマンしますわ。」 熊野はそういうと、明るい表情で鈴谷を連れて室内に戻る。そしてエレベーターに乗り込むが、鈴谷は表情が晴れない。 「どうしましたの？」 #Fallout鎮守府