せるろの夢日記

せるろが見た夢をまとめました。 長いものはevernoteへのリンクが貼ってあったりします。随時更新。
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ㄝʓʒ @cello_orgnl

くたびれた人たちはその宇宙人たちを前に泣いているみたいだったが、私はその空間の向かい側へ行って出口を探したかったので、そこへ足を踏み出そうとした。その時、向かい側の通路から二人の若い男が出てきて、空間に踏み込む一歩手前でものすごい力で跳躍し、こちらへ戻ってきた。人々がわきたった

2013-12-13 06:48:54
ㄝʓʒ @cello_orgnl

「だめだった。戻ろう」と短く言って、男の一人は私の首根っこを捕まえて私が元きた道を引き返し始めた。「何するつもりだったんだ?」男が声を潜めて聞いてきた。「私、向こうへ渡りたかったんだけど」「やめとけ。あいつらに殺されて終わりだ」「でもあの白いの、なんか可愛いし無害そうだよ」

2013-12-13 06:52:36
ㄝʓʒ @cello_orgnl

「かわいい?」もう一人の男が苦笑した「それ、彼女の前で言ってくれるなよ。跳べなくて友達を亡くしたんだ」男は背後でまだ泣いている若い女を見て言った。どうやら、向こう側への跳躍はかなりの鍛錬が必要で、失敗して空間の途中で足が着くとたちまち宇宙人に殺されるシステムになっているらしい。

2013-12-13 06:56:14
ㄝʓʒ @cello_orgnl

私の来た入り口は閉じて無くなっていた。男たちはその脇の柵を乗り上げて、屋根もなければしきりもない、住居とも言えない家具だけの空間へ私を連れてきた。ここが彼らの居住区らしく、老人がひとりいた。ここでは五六人でまとまって相互扶助的に居住区ごとに住む決まりになっているらしい

2013-12-13 07:01:07
ㄝʓʒ @cello_orgnl

彼らは順番に自己紹介してくれた。老人はバリといって、気難しいがこの家の長。首根を掴んだ男がアトーで、親切で頼れる。もう一人の男がロロといって、こちらはぶっきらぼうで皮肉屋のようだった。私は名乗ろうと思って、声が出ないことに気が付いた。そこで初めて、呼吸していないことにも気が付いた

2013-12-13 07:05:34
ㄝʓʒ @cello_orgnl

私はなんとか意志を伝えようと、スマートフォンを取り出して自分の名前を打とうとした。しかしなぜだか忘れてしまって思い出せない。電話帳のプロフィールを開くと、そこにカタカナでリコリとあった。もともとは違う名だったはずだが、どうやらこの世界で与えられた名はリコリというらしい。

2013-12-13 07:09:33
ㄝʓʒ @cello_orgnl

仕方がないから私はそれを示した。「リコリか。ああ、無理に喋ろうとしなくていい。来たばかりなんだろ?喉が慣れてないんだ」アトーが無邪気に笑った。「しかし、へえ、携帯か。懐かしいな」彼らも以前は人間だったらしい。彼は私の制服を見て、いい身なりをしていると褒めた。

2013-12-13 07:15:30
ㄝʓʒ @cello_orgnl

粗末な共同生活が始まった。食事は古い炊飯器で炊いたおこげのついたご飯だけが一日二回。どうやらよせあつめで作られたこの廃棄の街は、身分関係なく、家々によって調度や設備の程度に差があるようだった。良いものは金を払えば他の家から借りられる。ここでの通貨はカミノモトというらしかった。

2013-12-13 07:21:11
ㄝʓʒ @cello_orgnl

価値がいくらか知らないが、12000カミノモトで隣の家からよい炊飯器が一晩借りられる。週に一度それでご飯をたくさん炊いた。ごはんを炊いて掃除をするのは私とバリの役目になった。アトーとロロは毎日家を出ては泥だらけになって帰ってくる。多分またあの向こう側へ行っているのだろう

2013-12-13 07:24:31
ㄝʓʒ @cello_orgnl

その頃にはとっくに携帯の充電も切れて、私は意思伝達の手段を持たなかったが、平坦な日々はやることが決まりきっていたのであまり言葉は必要なかった。淡々と家事をこなす私をバリは哀れに思ったか、それとも単に自分が退屈だったのか、古ぼけてしわしわに厚くなった未使用の日記帳を私にくれた

2013-12-13 07:31:19
ㄝʓʒ @cello_orgnl

はしゃいだ私は帰ってきたアトーたちに話しかけた。「よかったじゃないか。バリがものをやるなんて珍しいな」ロロが言ったが、バリはいつも通り不機嫌そうに米を頬張っているだけだ。「アトーたちは、いつも向こう側で何をしてるの?」私が書くと、アトーは「ああ」と頷いて目を細めた。

2013-12-13 07:36:54
ㄝʓʒ @cello_orgnl

「向こう側へ行って、壁を掘ってるんだ。男たちが大勢でね」「どうして?」「皆外へ出たいからさ。だから『開拓』する。俺たちも皆、もう忘れてしまったけど、愛する家族がいたはずなんだ」私は家族へ想いを馳せた。けれど、自分の名前を忘れてしまった時点で、残酷なほどもう何も覚えてはいなかった。

2013-12-13 07:45:49
ㄝʓʒ @cello_orgnl

この廃棄の街の仮初めの秩序に簡単に慣れてしまったのは、記憶に不全があったからかもしれない。そう思うと、彼らが帰りたいと願いながらお互いにうまく暮らしているのは、必要といえど、なんだかひどくアンバランスなことに思えた。

2013-12-13 07:49:39
ㄝʓʒ @cello_orgnl

ある朝、バリが食卓へ出てこなかった。聞くとアトーは「死ぬんだ」とだけ言った。「顔のへこんだ女の人を見たろ?あれは死の兆候なんだ。俺たちはああして、パズルのピースがくり抜かれるみたいにどんどん体が無くなって、最後には消えちまう」バリは翌朝も食卓に来なかった。その次も、その次の日も。

2013-12-13 07:55:28
ㄝʓʒ @cello_orgnl

バリがいなくなって、穴を埋めるように現れたのがシダという男の子だった。彼もやっぱり人間の世界から来たみたいだった。まだ幼く、泣いてばかりで話にならない。私は家の前で泣いていた彼を連れて帰った。拾いものをするたび怪訝そうに眉をしかめたバリはもういなかったけれど。

2013-12-13 08:00:52
ㄝʓʒ @cello_orgnl

アトーたちも今度の拾いものには目を丸くした。シダは泣き疲れて眠っている。「また人間?なんだか今年は頻度が高いな」「うん。それより、仕事の調子はどう?」私はずっと気になっていたことを聞いた。実はこの頃、『開拓』者たちの間でにわかに浮き足立った雰囲気が湧いていたのだ。

2013-12-13 08:08:01
ㄝʓʒ @cello_orgnl

「ああ。どうやら外の世界への出口を掘り当てるかもしれないらしいんだ」「よかったね」「どうかな。これまでも、期待させておいてなんどもアテが外れたし」アトーは気まずそうに頭をかいた。何か言いたくないことがあるらしかった。「もし出口が見つかったら、どうなるの?」アトーは黙ってしまった。

2013-12-13 08:14:04
ㄝʓʒ @cello_orgnl

「戦争が起こる。強者と、弱者の間で」代わりにロロが言った。「戦争?」「外の世界へ出られるなら、皆喜ぶ。でもその出口はあの化け物たちの向こう岸にあって、渡れるのは俺たち『開拓』者だけだ。いくら屈強な奴でも、女子供を担いで向こう側へは渡れないんだ」

2013-12-13 08:19:02
ㄝʓʒ @cello_orgnl

「これは、出口が見つかりそうになるたびに囁かれることなんだ。残された女子供はどうなる?俺たちも、リコリやその小僧を担いで跳べやしない。跳べる者と跳べない者とで、裏切りの大戦争が起こるんだ。仮初めの家族を捨てて記憶のない本当の家族の元へ帰るか、『開拓』者は選択を迫られることになる」

2013-12-13 08:24:17
ㄝʓʒ @cello_orgnl

「俺は未だにこの世界のことがよく解らない。バリのジジイみたいにこんなとこでくたびれて死にたかないし、外へ出たい。でも、なぁ、ここは一抜けの法則が許される世界か?ここを出たら、お前らという家族があったことを、来たときと同じように都合良く忘れられるのか?」

2013-12-13 08:29:14
ㄝʓʒ @cello_orgnl

私もアトーも、何も言わなかった。皮肉屋のロロは今日ばかりは淡々とそれを語った。出口が開いたとき、廃棄の街は歓喜と悲嘆で染まるのだ。身分差のないはずのこの街に、初めてはっきりとした壁ができるのだ。

2013-12-13 08:33:54
ㄝʓʒ @cello_orgnl

ってところで目が覚めました 長々とすみませんでした おはようございます

2013-12-13 08:34:37

2014-01-11

ㄝʓʒ @cello_orgnl

この頃世界史やってる夢ばっか見るけど今日のは普通の悪夢だった トイレから出たとこで血塗れの女が待機してて、こいつ見たことないぞ!ドイツかな!?フランスかな!?と思って、君植民地!?って聞いたら首振るから、じゃあ勉強してないわごめん知らない!って言ったら悲しそうに帰っていく夢だった

2014-01-11 03:33:50

受験間際でフラフラだった時の夢。

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