日本防衛に係るfafifuac氏との対話

火砲削減を批判するJB Pressの記事の紹介から始まった日本防衛に係るfafifuac氏との対話。議論が弾道ミサイル防衛から巡航ミサイル防衛、水陸両用車の有効性、グローバルホークの有用性など多岐にわたっており、読みにくいところもあろうが多くの読者に有意義であろうと思われる論点を含むので公開する。
防衛 グローバルホーク 南西諸島 弾道ミサイル イージス 巡航ミサイル 大綱 日本 海兵隊 陸自
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fj197099 @fj197099
日本は「火砲」を捨て去るつもりなのか(http://bit.ly/f9Yiid)…総額一定の中での遣り繰り予算という発想への批判には共感するが、火砲削減への批判は些かピントがズレているように感じる。機動運用できない兵器の一定の削減には戦略的合理性がある。陸自も改革は必要である。
fj197099 @fj197099
陸自に現在必要なのは、ISR能力を運用する空自等との統合強化と共に、長射程の地上発射型の対空・対艦ミサイル等の充実ではないかと思う。敵艦隊や航空機・巡航ミサイル等が陸地に近づく遙か以前にISRで得た情報に基づきミサイルによる攻撃や迎撃を行う、そういう能力が陸自に求められている。
fj197099 @fj197099
基地警備等の特殊部隊への対応は重要だが、大規模着上陸侵攻はやはり現在は想定しにくい。北海道を除き戦車や火砲の運用は限定的でも良いだろう。それより対艦攻撃や防空態勢の充実などに陸自の活躍を期待したい。無論、一部の部隊は島嶼防衛や離島奪還に基づいて「海兵隊化」の努力が必要である。
fj197099 @fj197099
一つ注目されるのは、未だ殆ど誰も指摘していないが、陸上配備型の弾道ミサイル防衛システムの運用の重要性がこれから上がってくるのではないか、ということである。PAC-3の話ではない。日米共同開発のSM-3 Block IIAミサイルの陸上配備版、所謂「イージス・アショア」の話である。
fj197099 @fj197099
米国はこれをルーマニアとポーランドに(日本からミサイルの第三国供与の了解を得た上で)配置する方針を決めているが、欧州で使えるものならどうして日本で使わない理由があろうか。Block IIAミサイルは迎撃範囲が広く、イージス艦なら一隻で日本全土を防衛できる。PAC-3とは訳が違う。
fj197099 @fj197099
イージス艦は移動できるメリットがあるが、搭載できるミサイルの数が限られる。しかし陸上配備なら配備数に上限はない。日本のどこかに「イージス・アショア」を纏めて数十~数百発でも配備しておけば日本の弾道ミサイル防衛はかなり磐石となる。そしてこれは無論、陸自に運用権限がある話なのである。
fj197099 @fj197099
今後、陸自に期待されるのは本格的な地上戦への備えよりもこうした対艦攻撃能力や防空能力、ミサイル迎撃能力である可能性が高いと思う。弾道ミサイル防衛のみならず、巡航ミサイル防衛の必要性も高くなるだろう。陸自の装備についてはこうした方向に資源を傾斜配分してゆくべきだと考えるのだ。
fj197099 @fj197099
多分、こうした話は次の防衛大綱改定(2015年)の時にかなり真剣に議論されることになるのであろう。「イージス・アショア」もSM-3 Block IIAミサイルの完成する2015年以降の話になるだろう。今回はまだ良いが、次の大綱で防衛予算の飛躍的増額はおそらく避けられないだろう。
@fafifuac
@fj197099 素朴な疑問として陸上配備する場合には固定配置されるフェーズド・アレイ・レーダーとセットで運用されることが予想される以上、空自所属の高射部隊として扱われるのではないかと思料されるのですが。
@fafifuac
@fj197099 また、洋上撃破能力の向上については、空自・海自が万全の体制を取れることを想定した上での洋上撃破率が2割を超えないという各種演習結果を鑑みるに陸上自衛隊とのリンクの強化が即座に当該撃破率の向上につながるというのは早計と愚考。
@fafifuac
@fj197099 また、巡航ミサイル防衛は冷戦時代から最大の脅威として高度の能力を空自・海自に付与してきたところであり、旧ソ連以上の巡航ミサイルに係る脅威が存在し得ない将来にこれを強調することは政治的な意味はあっても、能力的にはほとんど無意味な議論ではないかと思料。
@fafifuac
@fj197099 また、中国・北朝鮮の戦術核への対応については海上配備型のSM3の配置でも当面は数的に対応できると思料されるが、中距離弾道ミサイル・大陸間弾道ミサイルの開発・増強が予想されることを考えるとGBIやTHAADの導入が次期大綱では議論の対象になるのではないかと愚考。
@fafifuac
@fj197099 機動運用できない兵器の削減の合理性は否定しないが、離島防衛を考慮する際、機動運用できる兵器(特に装輪装甲車)が各国の水陸両用戦車、各種火砲への有力な対抗手段かは慎重な検討が必要と思料。代替案として輸送手段の強化や戦車等の配置の合理化との比較検討も必要と愚考。
fj197099 @fj197099
陸上配備の場合は必ずしもレーダーと同一箇所で運用する必要はないので、所属が陸自でも問題はないものと思います。無論、防空はこれからは陸と空の統合運用が基本と思いますが。@fafifuac 陸上配備する場合には…空自所属の高射部隊として扱われるのではないかと思料されるのですが。
fj197099 @fj197099
弾道ミサイル防衛の陸上配備の主なメリットは配備数に上限がない、ということだと考えています。弾切れしないことが重要かと。@fafifuac 洋上撃破率が2割を超えないという各種演習結果を鑑みるに陸上自衛隊とのリンクの強化が即座に当該撃破率の向上につながるというのは早計と愚考。
fj197099 @fj197099
実は安防懇報告書も今回の防衛大綱も巡航ミサイル防衛をはっきり明示的に重視しています。南西諸島方面は常続監視も出来ておらず、弾道ミサイル防衛に続き巡航ミサイル防衛も今後の急務です。@fafifuac 巡航ミサイルに係る脅威が存在し得ない将来に…ほとんど無意味な議論ではないかと思料。
fj197099 @fj197099
MRBM/IRBMに対しては現在のSM-3で特に問題はなく、THAADよりは日米共同開発のSM-3 Block IIAを使うイージス・アショアの方が導入が簡単そうに思えるし、GBIはICBM用なので米国防衛を考えなければ日本導入にそれほど意義はないかと。@fafifuac
fj197099 @fj197099
陸自の輸送手段強化は切実な課題。真に「海兵隊化」を望むなら、それこそMV-22オスプレイのような機体の導入さえ検討に値すると思いますが、しかしまずは南西諸島方面での戦闘にどのような装備が必要かをじっくり見極める事が大切。海兵隊から学ぶのも吉かと。@fafifuac
@fafifuac
@fj197099 PAC3やTHAADを見る限りその運用を同一箇所で行わない理由不明です。通信回線が長くなれば一ユニットの脆弱性は増大します。統合運用の重要性は同意ですが、陸の防空機能は基本的に陸上部隊防護用と整理されており、空自とするのは運用体系に大きな混乱を招きます。
@fafifuac
@fj197099 ユニット当たりの装弾数・同時発射可能数は海自のイージスと大きな差が生ずるものでしょうか、指揮管制能力の限界も踏まえると若干懐疑的なのですが。陸上配備型のSM3はそういう目的で陸上化されたのではなく、欧州の地理的特性で陸上化されたにすぎないのでは?
@fafifuac
@fj197099 また、海上撃破率の問題は基本的には陸自としてはSSM-1の運用になると思いますが、これは機動性を持つ兵器ではなく、かつ、一定数の集中運用を前提にしているものです。緊急展開し、空自・海自をフォローできるものではなく、いわゆる戦場の霧問題はそのままになるかと。
@fafifuac
@fj197099 あれは多分に政治的宣言と小生は考えております。有事対応を考えた場合には空自・海自はF-15等の制空戦闘機による常時航空警戒により巡航ミサイルの迎撃をするノウハウを蓄積しており、有事への南西諸島シフトは極めて容易な上、同様の任務を実行出来る米空軍までいます。
@fafifuac
@fj197099 繰り返しになりますが巡航ミサイル迎撃能力の高さは冷戦時代から自衛隊にとって所与のものとして常備されていた能力であり、今になって注目されたものではありません。巡航ミサイル迎撃は本質的には低空侵入する攻撃機迎撃と大差なく、航空自衛隊が最も得意としていたものです。
@fafifuac
@fj197099 MDの突破策として露等での検討は比較的長射程のMRBM/IRBMやICBMを急角度発射、急角度落下させ、ターミナルでの迎撃時間を減少させることが検討されています。現行のIRBM迎撃手段であるSM3がこれにより対抗される可能性は極めて高いと思料されます。
@fafifuac
@fj197099 こうした高高度飛翔体の迎撃を可能にするにはTHAADの発展強化かGBIの利用が検討の俎上に上がる可能性は高いものと考えられます。何よりTHAADについては自衛隊での導入検討は一度行われております。
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コメント

まひわり @Mahiwari_jpnn 2010年12月25日
今のところSM-3のKEVは大気圏内での迎撃に使用不可なので、多層防御をしたい場合はTHAADを導入するしかないですわ。
fj197099 @fj197099 2010年12月25日
些か誤解がある気がしますが、SM-3はBlock IAの現段階でも高度160km~250kmでの撃墜が可能です。大気圏内というのをどう見ているかですが、国際法上の宇宙に当たる100km以上の上空で撃墜することは問題ありません。
まひわり @Mahiwari_jpnn 2010年12月25日
KEVのセンサおよびスラスタによる機動が妨げられない程度に大気が薄ければそこは宇宙という理解でいいと思います。なので160kmなら低軌道よりは下ですが宇宙でしょう。
まひわり @Mahiwari_jpnn 2010年12月25日
あとはそれより下、150kmあたりまでの迎撃はとりあえず置いておくかどうかでしょうか。拠点防御のみ可能なPAC-3で地上配備型SM-3の陣地を防衛するのもありと思います。
fj197099 @fj197099 2010年12月30日
中国・北朝鮮を監視…無人偵察機の導入検討(http://bit.ly/hQbtVY)…読売新聞に注目すべき記事。グローバルホーク3機調達の話は既に時事が報道していたが、中期防に含まれるかと思いきや実際には言及がなかった。その続報である。
fj197099 @fj197099 2010年12月30日
グローバルホーク調達で南西諸島方面の「常続監視」はとりあえず可能となる訳だが、問題は費用と組織文化による抵抗であろう。記事中に言及があるとおり、グローバルホークの運用は実は高額である。しかもISRの無人化は空自の仕事を奪うという組織文化による抵抗の可能性もある。問題がないわけではない。
fj197099 @fj197099 2010年12月30日
文化の問題は慣れてゆくほか如何ともしがたいが、費用についてはグローバルホーク導入の更に先を見据えた検討も必要であろう。米国では他にもいろいろな高高度長期耐久性(HALA)ISRプラットフォームが注目を集めている。
fj197099 @fj197099 2010年12月30日
グローバル・オブザーバーやファントム・アイなどのB-52クラスの超大型無人機は滞空時間がグローバルホークの24時間から約一週間ほどまで伸ばす事ができると言う。それに伴い、運用費用は劇的に低下すると見込まれている。DARPA等は滞空時間が「年」の単位のものも検討中だそうである。
fj197099 @fj197099 2010年12月30日
日本でも一時、民生利用も含めた「成層圏プラットフォーム」として研究が為されていたと思う。これらはほぼ、高度20kmほどの定点に滞空する「ミニ人工衛星」に相当する機能を果たす。将来の戦争では宇宙空間の目潰しの押収となる可能性は高く、ISRのみならず通信中継の面でもこういうバックアップがあることは有用だ。
fj197099 @fj197099 2010年12月30日
防衛省・自衛隊がこの種の事情を理解していないはずはないが、初期費用の高さにうかつに手が出せないのであろう。しかしこういう装備の導入こそ、真に日本の防衛に役立つものである。長期的に見ればグローバルホークを使い続けるより費用も安くなろう。
fj197099 @fj197099 2010年12月30日
いずれはグローバルホーク導入に続きこれらの高高度長期耐久性(HALE→HALAは誤り)の導入を期待したいものである。ところで、上記の対話で一点訂正がある。グローバルホークの監視範囲は「半径」1000kmではなく、「直径」1000kmである。訂正しておきたい。
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