青薔薇と蛇

rosa @BlueRose_She

【物語の人物背景とか雑記】 時満ちて再びこの世に生まれ出づる時。 前者の思いが強すぎた魂は、記憶と人格を持ったまま地(下界)に生まれ落ちた。 しかし、その時に「転生した人間」としての新たな人格も持ってしまった魂は、2つに割れて同じ性質ながらも別々として違う魂のまま形成された。

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片方である前者はまた1つに元に戻ろうとするも、もう片方は拒み単体として存在している。 だから半分しか復活出来ていないし、器である肉体も半分しか力を引き出せない。 ただ、もし2つが1つになった時。 どちらの人格が残り、そして消されるのかは分からない。

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カール「…私を殺らないならば、首元のナイフを降ろしてくれないか？」 ロゼ「…」 深海のような深い紺の瞳に見つめられ、首元に当てていたナイフを静かに降ろす。ナイフからは僅かに血が滴っていた。 カール「私が憎いならばそれでいい。あの仕事を依頼したのは私だからね…恨まれても当然さ」

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カール「私にも彼の心情は分からない。だが、今は何を訴えてももう戻らないのだよ…ロゼ。人ならざる者。特に永く生きる者は時に流されず、その内置いて行かれる。それは誰にも曲げられない事…しかし彼にもやっとその時が来たんだ。恐らく彼は待っていたのだろう…長らく待ちわびた、己の死を」

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ロゼ「カール！貴様…はっ」 拳で殴りかかろうとした彼の顔はいつもの微笑みは無く、どこか悲しげな顔をしていた。 カール「正直、彼が羨ましいね…私は死ねない身だ。…いや、死の方法は一つだけあるが、願わくば叶えられたくはないかな」 ロゼ「カール…泣いてるのか？」

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彼の赤い右目から頬にかけて一滴の雫が流れ落ちる。 カール「ふふ、失礼。女性を不安にさせてしまうとは紳士として情けない…ロゼ？」 無意識だった。 気づけば先ほどまで殺意を向けていたカールを、静かに抱きしめていた。 "私の中の彼女"の意思か、それとも"私"の意思かは分からない。

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ふと、背中に手が回される。 それはとても優しく、包み込むように私を抱きしめた。 初めて彼に抱きしめられたはずなのに、それはどこか懐かしい気がした。 カール「ロゼ…。ふふ、どうしたのかい？もしかして私と結婚する気になったのかな？」 ロゼ「それはない。ただ…何となくだ」

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カール「君はこれから先もきっと永く生きるだろう。自身でも重々わかっている筈だ。自分が人間でない事、人間とずっと共には暮らせない事を…。だが、死は生きとし生ける者には必ず訪れる。無論、私もそうだ…君が死ぬ時までは生きるつもりだがね」 ロゼ「縁起でもない事言うなバカ野郎」

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彼を抱きしめていた腕を離すと、ニッと不敵な笑みを浮かべ握りしめていたナイフを壁に向かい投げた。 ロゼ「私が死ぬ時…か。そいつは楽しみだな。お前と動揺に死ねない私にその時がいつ来るのか」 カール「ふふ…それはきっとまだまだ先の事さ」 ロゼ「当たり前だ。何せ知りたい事は山程あるさ…」