ジャックさん創作

創作まとめ※途中
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旨味まづ @maduzu

ジャックのなかでユエの価値は、ロク以下だと言っているようなものだった。ユエがどんなに"友達"を大事にして、気持ちを取り組んでも、追いつこうと努力しても、ジャックのなかでロク以下でしかないことへの怒り。生きてる人間よりも、死んでる人間の方が、ジャックは大切だった。それは、勝てない。

2015-06-01 03:21:52
旨味まづ @maduzu

そんなこんなで同棲してユエはジャックを叱りながらせめて人間みたいになってほしい、と思って4年間一緒に暮らしたのだ。 ジャックは戦勝金っつーか、そういう金が一杯あるので(本人はどうでもいい)暮らしには困らんかった。

2015-06-01 03:24:24
旨味まづ @maduzu

4年たったある日、ジャックは黒族王様に呼び出された。とっても面倒くさかったが、"再び戦争が始まるかもしれない"と聞けば黙っていられない。 どうやら裏で大々的な武器の取引が行われており、それが白族に集まっているとのこと。

2015-06-01 03:26:58
旨味まづ @maduzu

4年経った現在、二つの国はかなり平和になってた。 ”戦争を終わらせる”ことだけがジャックの目的だったが、この平和を長く持たせることも自分の目的なのでは?と思い直し、"戦争を始めようとしてる人物の抹殺"任務を受けることにした。

2015-06-01 03:28:38
旨味まづ @maduzu

ジャックが心配で心配で、ユエもジャックについていくことにした。 こうして二人は亡きロクの望みを再び叶える旅にでるのだ。 (序・終)

2015-06-01 03:30:58
旨味まづ @maduzu

ざっくり話すとこの後ジャックが暗殺部隊時代に殺そうとした時期継承者の娘とであう。俗にいうヒロインである。 その際にフードをやたら目深くかぶった男にユエが気絶させられてしまい、ジャックは身近な存在の死という恐怖を再び感じる。

2015-06-01 03:34:44
旨味まづ @maduzu

ジャックは王位継承者であり、王位を継ぐために旅にでているこの娘ソリティアとユエ、三人で旅をすることになる。 ソリティアはロクとどことなく似ていて、ジャックはソリティアをだんだん好きになっていく。オマエそれはどうなの?

2015-06-01 03:36:30
旨味まづ @maduzu

そういう旅を続けていくうちに、各地で白族でも黒族でもない種族がいることに徐々にジャックは気づいていった。これを仮に灰族とする。

2015-06-01 03:37:49
旨味まづ @maduzu

戦争時代スパイ目的で作られた物達からの派生であるその種族は、たいていどこにいってもハブられていた。そういうのを目撃して、徐々にジャックは「みんな平和」になっていないんじゃないか?と気づいていく。

2015-06-01 03:40:23
旨味まづ @maduzu

こういうのも丸ごと救って導かなくちゃロクの贖罪は完成しないんじゃないか?って思い始める。だから旅を続けていくうちに、"英雄"としての責任を果たそうという考えをし始めるんだな、ジャックは。偉いぞジャックさん

2015-06-01 03:41:47
旨味まづ @maduzu

そうして旅を続けた結果、ジャック達は戦争をおっぱじめようとしている集団を見つけ出す。それは、白黒族の武器商人たちが結束してできた組織だった。 武器商人達にとって戦争がなければ儲けはない。死活問題であったのだ。

2015-06-01 03:45:38
旨味まづ @maduzu

乗り込もうと作成を立てるジャック達の前に、一人の男が立ちはだかる。 フードを目深に被り、斧を構えた男。前ユエを気絶させてくれよった男だ。

2015-06-01 03:48:41
旨味まづ @maduzu

ソリティアの話によるとこの男は、ソリティアが小さい頃からの側近で、とても頭がよく運動神経もよく、綺麗な笑みをうかべる優しい男なのだそうだ。 その割には物騒。

2015-06-01 03:50:18
旨味まづ @maduzu

「おい、お前。この前はよくもユエをぶん殴ってくれたな」 ジャックがいちゃもんをつけると、フード男は無言で斧を振るいジャックの首元ギリギリで止めてきた。ジャックもわかってたから微動だにしない。 戦えということらしい。

2015-06-01 03:53:43
旨味まづ @maduzu

その辺にぞんざいに落ちていた剣を拾って、ジャックも構えて戦い出す。打ち合いをしながらなんどか刃を交えていくうちに、ジャックの中で久しく感じてなかった感情が溢れ出す。 楽しい

2015-06-01 03:55:26
旨味まづ @maduzu

フード男の実力は、自分とほぼ同等だった。なんど打ち合っても体制を立て直してくる相手に、ジャックはどんどん際どい剣筋になっていく。それでもフード男はぴったりついてくるどころか、反撃までいれてくる。 とても、楽しかった。

2015-06-01 03:57:49
旨味まづ @maduzu

ジャックについてこれる男なんてロクぶりだったから、ジャックはどんどん楽しくなって、殺そうとする一撃をばんばん放っていった。最強の男がそんなことをすればそのうち追いつかなくなるのも仕方がない。 斧が手から離れ、その風圧でフードがはらりとはだけだ。

2015-06-01 04:00:22
旨味まづ @maduzu

フードがはだけたところからでてきたのは、金髪の男。ソリティアとそっくりの青い目の男。そして明るくてかっこよくてかわいい男。

2015-06-01 04:02:57
旨味まづ @maduzu

「どうして僕を殺したの?ジャック」 ロクだった

2015-06-01 04:03:45
旨味まづ @maduzu

ジャックは今までなんどもPTSDによる悪夢や幻覚、フラッシュバックに悩まされてきた。なんどもなんども悪夢の中でロクに懺悔しくやみ悲しみ時には怒り苦しんできた。 だけど、本物を前にした時はどの感情も出すことができず、ただジャックは放心した。

2015-06-01 04:06:01
旨味まづ @maduzu

ロクはジャックに切られた後、白族側から手術をうけ一命を取り留めた。しかしこの時白族から人工的な心臓をとりつけられたために黒族に戻ることもできず、戦争時代は諜報として活躍し、停戦後白族に帰化したのだ。

2015-06-01 04:09:01
旨味まづ @maduzu

「僕だってずっとずっと、黒族に帰りたかったさ」 ロクの発言が、ジャックの心に突き刺さる。そうして裏切った理由を、ロクは話始めた。 ロクは元々黒族の王家出身である。この王家のしきたりで、若い頃に戦場に送られていたのである。(つまり黒族の王子) この家系の血が、よくなかった。

2015-06-01 04:12:57
旨味まづ @maduzu

王家の家系には、ざっくり言えば灰族の血が流れているのだ。 その事を話してしまえば一族が混乱してしまうため、これは王家のみの絶対の秘密となっている。それをロクは、暗殺任務に挑む前の手紙で知ったのだった。

2015-06-01 04:15:24
旨味まづ @maduzu

灰族ってことは、どっちの種族のちも流れてるわけじゃない?だからロクは、白族を殺すことが怖くなった。だって今まで黒族として生きてきて、白族は殺してやるっていってきた相手の血が自分に流れてるんだもの。

2015-06-01 04:18:13
旨味まづ @maduzu

そうして悩んで悩んで、自分と同じように王家であり若いソリティアを殺すことが忍びなくなっちゃったの。どっちの血も入ってる自分には、どっちが敵とかそういうのないんじゃない?って。 その結果ーー暗殺相手をかばってしまった。そうして胸は裂かれ、ロクの心臓は一度止まってしまった。

2015-06-01 04:21:13