かんこれ図鑑140字SS

菊花さつき @kikkasatsuki

貴方は長月皐月で『わかったか、あほ』をお題にして140文字SSを書いてください。 shindanmaker.com/375517 図鑑140-1

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海域初戦で功労艦となった皐月は、旗艦の長月に、どう？見直した？と顔を近づけて得意げに笑っている。奮起した長月は次戦で功労艦となり、私より出来るやつはいないようだな？と皐月を見ながら鼻で笑う。さっきはボクだったよ！と皐月が反応し、海域最深部では両者は好敵手として戦果を競うのだった。

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貴方は瑞鶴改曙で『一行の空白』をお題にして140文字SSを書いてください。 shindanmaker.com/375517 図鑑140-2

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なにこれ？五航戦の詰所にある机上の不審な紙きれに、曙は不機嫌な声を上げた。紙の一番下に瑞鶴の名が、見るつもりもないが手紙らしい一番上の宛名が空白だった。迷彩塗装を塗り直している瑞鶴に手紙を突き届けると、顔を真っ赤にして驚く。見てないわよ、大事なものなんでしょ、と顔を背けた。

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貴方は扶桑朝霜改で『一緒にいた影響』をお題にして140文字SSを書いてください。 shindanmaker.com/375517 図鑑140-3

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伊勢と日向の名前を出したために、扶桑は朝霜に話しかけられた。いつまでも未改装の扶桑のために、伊勢や日向みたいにしてもらおうぜぇ、司令にあたいからも言ってやんよ、と弾薬庫を避けて叩く。んで、鉢巻とかしたら気合も入るしな！と自分の額を指す。扶桑は、そうね……と聞いてはいるようだった。

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貴方は島風長波で『手だけつないで』をお題にして140文字SSを書いてください。 shindanmaker.com/375517 図鑑140-4

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深海棲艦の後期型駆逐艦は、速度が格段に上がっている。砲撃戦の撃ち漏らしに、長波は後方から同航戦に持ち込もうとするが、なかなか追いつかない。しびれを切らして、島風！と呼べば、意図を察したのか、得意げに笑って近づいてきた。長波ちゃんおっそーい！と手を掴んで全速に加速する。

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砲撃で単純な回避軌道をとる駆逐艦を誘導するのは容易い。競走に意識が向きがちな島風に、追い抜く瞬間を見計らって、魚雷発射！と長波は叫んだ。酸素魚雷が惜しげもなく海中に沈み、水柱となって上がった。長波は歓声をあげ、離した手を二人で掲げて掌を打ち合わせた。

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図鑑140-5 潮高波

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か細い声を大きく絞り出して、突撃します！と高波は探照灯を照らして単騎で夜闇に波を切る。ぐっと眉を寄せてつり上げ、強張った肩を上げた。集中する砲弾の中を怯まずに突き進み、小規模な被弾は募る。艤装の一部が煙を噴いて、小さく驚きの声が出る。それよりも高波を驚かせたのは、

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ダメです！という滅多に聞かない叫び声だった。自分のことかと振り返ると、今度ははっきり、仲間を傷つけるのはダメです！！と、抱えていた連装砲を構えた潮の声が聞こえる。海が油に染まり砲声が止むと、潮は浮いた残骸にそっと触れる。高波はほっとした反面、不思議そうにそれを見ていた。

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図鑑140-6 羽黒と五月雨

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短い黒髪も、濡れたような濃紫の制服も、夜の闇に溶け込むには十分だった。それなのに、ぱっと灯りをつけてわざわざ自分から安全な暗さを飛び出す。ここは私が引き受けます。五月雨に早く逃げるように羽黒は背中で促す。強く首を振って、絶対に置いていきません！ と背中を見ずに横に並んだ。

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天津風はテストのために呼ばれ、口径が同じ単装砲を試しに撃つ。どうかな、とZ1が尋ねると、まあまあね、と言って返してしまう。交換してテストしなければならないが、天津風は愛用の連装砲をなかなか手放したがらない。よく出来てる砲だね、と暫く褒めていると、大事に扱ってよ、と渡してくれた。

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図鑑140-8 金剛改二と磯風

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何してるデスカー！？ 金剛の絶叫は厨房の比叡と、その横の磯風に向けられていた。調理を磯風、味付けを比叡が分担している。いつも味に一工夫をしてしまうカレーはもはや焦げ付いてすらいる。叫びを聞いて駆けつけた浦風も状況を把握し、姉さん、ごめんね、と磯風の頭と自分の頭を下げた。

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金剛は、謝ることはないと頭を上げさせて、比叡にどうして厨房に入ったのかを聞く。磯風が御召艦だった比叡に料理を教わりに来たのだという。金剛は、浦風が磯風に、うちが教えるから、と言っているのと、カレーのようなものを見比べる。そういうことなら私も教えマース！比叡もネ！とウインクをした。

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図鑑140-9-1 清霜と陽炎

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清霜は遠征の旗艦である陽炎に話しかける。雑談でも、話好きの陽炎はよく応じていた。碇泊して近寄られると、清霜の頭頂から伸びる長い髪の一束が、潮風に乗って陽炎の頬を叩く。鬱陶しいわねこれ、とつまむと、陽炎ちゃんにもあるじゃん！と膨れる。霞に腕を掴まれるまで、陽炎はつまんだままだった。

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図鑑140-9-2 清霜と日向（戦艦）

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清霜の隣で、朝霜はいきなり大きく手を振った。つられて前をみると、軍刀を腰に下げた戦艦がいた。日向、元気にやってっか？ などと親しげに話す姉に、無事ではあるな、と素っ気ない返事をしている。自己紹介をすることになって、戦艦になりたいんです、と言うと、日向は顔色一つ変えなかった。

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何のために？ 一つ問うと、強くなりたいし、かっこいいから！ と答えが出る。何故強くなりたい？ そう聞くと、たくさんの人を守れるから、と言う。日向は納得したように頷く。戦艦になりたいなら好きにすると良い。が、意味はないな。どこかへ行く日向を、清霜は反射的に追いかけていった。

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図鑑140-10-1 大鯨と紅白瑞鳳

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練度が上がり、大鯨は改装に備えて空母の懇親会によく呼ばれた。潜水母艦のよしみで祥鳳と話すことが多く、今日は姉妹艦の瑞鳳も交えている。大鯨のお酌で日本酒を空けて、艦載機の特徴を語る。途中で瑞鳳は瑞鶴に呼ばれ、天山については名前を聞くだけで、大鯨はずっと気になり続けることとなった。