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ミイラレ!第一話:幼馴染と蛇神のこと(原文のみ)

怪異に好かれる少年と退魔師の少女が久しぶりに再会してなんかするお話。なんかかさばっていたので圧縮しました。 こちらは原文のみとなります。実況付きはこちら→ http://togetter.com/li/829522
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鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「止めてくれてありがとう、四季」簡潔な礼。それだけの言葉に、四季は面食らった。視線を彷徨わせながら、どう返したものか考える。「あー……えっと。こっちもお世話になってるしさ。おあいこだよ。おあいこ」それだけ返すのがやっとだった。22 #4215tk

2015-04-14 19:57:19
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

きょとんとしてその様子を眺めていた怜が、微笑を浮かべて頭を下げる。そして前方へと向き直った。四季は、どうにも居心地の悪い気分を味わっていた。他人に感謝されることなど、滅多になかった。あれでよかったのだろうか?漠然とした不安。情けない話だ。23 #4215tk

2015-04-14 20:00:14
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「四季?」怜の声。驚いて顔を上げると、怪訝そうにこちらを見る彼女と目が合った。「な、なに?」「……そろそろ着くよ。降りるから、しっかり捕まってて」その言葉と同時に、二人を乗せた反物がゆっくりと螺旋を描き、地上へと降りていく。怜が右腕を前方へ差し出した。24 #4215tk

2015-04-14 20:03:19
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

その腕から解けた青い布が前方へと飛び、輪を作る。反物がそれに飛び込む。ちょっとした目眩の後には、眩い陽射しが四季の顔を照らした。手で陽光を遮りつつ、彼は頭上を見る。異界の赤い空は既になく、見慣れた青空が戻ってきていた。腕時計を見る。まだ昼過ぎだった。25 #4215tk

2015-04-14 20:06:10
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

「お疲れ様」「あ……うん。お疲れ」怜に声をかけられ、四季は気を取り直した。彼女に目で促され、地面から数センチの位置で浮遊していた反物から降りる。途端に、反物がひとりでに巻き取られ、その手の中に収まった。彼女が小さく息をつく。「……無事到着。一応は、だけど」26 #4215tk

2015-04-14 20:09:10
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

四季は改めて周囲を見渡す。彼らが着地したのは、年季の入ったアパートの敷地内だ。彼の引越し先である。礼を言おうとした時には、彼女は既にアパートへと向かっていた。「ちょ、ちょっと待って!」四季は慌てて荷物を持ち直し、その後を追う。27 #4215tk

2015-04-14 20:12:17
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

怜とともに管理人と会い、新居の鍵を貰った後。二人は揃ってアパートの二階へと向かっていた。「四季の部屋は二〇五号室だったよね。角部屋。で、私の部屋の隣」「うん」「何かあったら、遠慮なく声をかけて。可能な限り手を貸すから」「わかった。……あのさ、怜」29 #4215tk

2015-04-14 20:15:12
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

怜が不思議そうに首を向ける。四季は小さく頭を下げた。「その、ありがとう。これからもよろしく」彼女は目を丸くした後、小さく吹き出した。「こちらこそ。よろしくね、四季」暖かい言葉。四季はどこかこそばゆく感じた。彼らは再び歩き出した。30 #4215tk

2015-04-14 20:18:57
鹿奈しかな a.k.a SS @RiverInWestern

【ミイラレ!:幼馴染と蛇神のこと】終わり #4215tk

2015-04-14 20:19:53
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