進み止めぬ大鷲と陽を向く瑠璃色

すっごいながいやりとりになったのでべっこまとめ。
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まずはこちらのまとめを読んで流れを把握する事をオススメします

まとめ 大鷲公とその仲間の軌跡 グランクレスト大戦の結果を受けて作られた国ゼクムート。これはその国で起こった様々な出来事の記録です。 2574 pv 5

まだ生まれていないアルティール@連合 @kosyuken

@tkmy_pnkr 「ヘリオ、失礼するよ」 手に果物を入れた籠をもって、眠ったままの彼女の部屋を尋ねる。扉をノックしてノブを捻る。開いた扉の向こうにはベッドの上で体を起こした、彼女の姿。 「……起きてたのか、すまん、急にはいってしまって悪かった」

2015-06-09 20:20:05
ヘリオ/540 @tkmy_pnkr

@kosyuken 「あっ、ご主人!来てくれたんですか?ありがとうございます!」 ノブを捻る音に振り返ると、ぱあっと屈託のないいつもの笑顔を浮かべて言う。

2015-06-09 20:23:15
まだ生まれていないアルティール@連合 @kosyuken

@tkmy_pnkr 「もう体は大丈夫なのか?」 椅子をだして果物籠の中からリンゴを手にとり皮を剥いて行く。 「……すまなかったな、僕がしっかりしていれば、こんな事にはならなかったのに」

2015-06-09 20:27:17
ヘリオ/540 @tkmy_pnkr

@kosyuken 「お師匠に飲まされた薬のせいでちょっと魔法が使いにくい程度ですねー、怪我は魔法で跡形もなく治してもらっちゃったみたいですね……何もなかったみたいですよ?こんな感じに」べろっと胸の下辺りまで服をたくし上げる。綺麗なお腹が見えるだけだ。→

2015-06-09 20:31:58
ヘリオ/540 @tkmy_pnkr

@kosyuken 「だからご主人が気に病む必要はどこにもないですよ?そもそも私が勝手にしたことですし?」そのまま、こてん、と首をかしげる。

2015-06-09 20:33:09
まだ生まれていないアルティール@連合 @kosyuken

@tkmy_pnkr 「……そう言われると救われるが、今回はそれを言われるためにきたわけじゃないんだよな。あと前は見せなくていい」 切ったリンゴをことり、と皿の上においていく。 「むしろ、君を傷つけるかもしれない」

2015-06-09 20:37:24
ヘリオ/540 @tkmy_pnkr

@kosyuken 「見なくて大丈夫でしたかー」服の裾を元に戻して「私鈍いからわざわざご主人が心配するようなことないと思いますけどー……あ、これたべふぇひいふぇふふぁ?」聞くより先に林檎を手に取り食べ始める

2015-06-09 20:42:27
まだ生まれていないアルティール@連合 @kosyuken

@tkmy_pnkr 「ああ、食べながらでいい。塩水につけ忘れたから早めにな」 果物籠の中から梨を取り出して、新たに剥いていく。 「君のお師匠様から色々と聞いた。君が引き取られた当時の事、アカデミーに行ったときの事、ここに来る前の事、様々な事をさ」

2015-06-09 20:47:10
ヘリオ/540 @tkmy_pnkr

@kosyuken 「(もぐもぐごくり)え、えー……お師匠なんでそういうこと勝手に言うかなー……恥ずかしいから黙ってたのに。」林檎を食べながら、困ったように笑って言う。

2015-06-09 20:51:13
まだ生まれていないアルティール@連合 @kosyuken

@tkmy_pnkr 「僕が聞いたからな、責めないでやってくれ。どうしてもな、知りたかった、いや、知らなきゃいけなかったからな」 梨を剥く手を、止める。 「傷全てを、えぐり出すために」

2015-06-09 20:55:14
ヘリオ/540 @tkmy_pnkr

@kosyuken その声色が、表情が、真剣そのものだったから、梨に伸ばしかけた手が止まる。「……どういうことです?見せた通り、怪我なら全部治りましたよ?」よくわからない、といった表情で聞く。

2015-06-09 20:58:24
まだ生まれていないアルティール@連合 @kosyuken

@tkmy_pnkr 「本当に、治ったのか?」 ただ真っ直ぐ、眼を向ける。その眼光は、獲物を狙う猛禽のように、鋭く。 「君の兄弟子達、いや、家族同然の存在を失った、その傷は」

2015-06-09 21:02:06
ヘリオ/540 @tkmy_pnkr

@kosyuken 「それ、は……」目をそらし、俯く。「……悲しくないわけ、ないじゃないですか。大切な人がいなくなったら悲しいです、ご主人だってそうでしょう?……受け容れられない訳じゃないですし、なかった事にしたいとも思いません。ただ、思い出したら悲しくなるだけです。」

2015-06-09 21:07:26
まだ生まれていないアルティール@連合 @kosyuken

@tkmy_pnkr 「ああ、そうだ。悲しいさ。未だにな、前を向いているかもわからない」 眼をそらしたヘリオの顔を、ただ見つめる。 「だが、君は悲しいから、受け入れたから、生き急いでいるのか?どこかで、助からなければ良かったと、思っているんじゃないのか」

2015-06-09 21:11:17
ヘリオ/540 @tkmy_pnkr

@kosyuken 「違うッ!」布団をぎゅっと握りしめ、叫ぶように。「……そんなんじゃ、ないです。時間なくて、やりたいことはたくさんあって、追いつかなくなって……でも、それとこれは、関係ない、です。」叫んでしまったことに少し慌てて、声を抑える。

2015-06-09 21:18:34
まだ生まれていないアルティール@連合 @kosyuken

@tkmy_pnkr 「やりたい事、か。それが、誰かの役にたつ事だと?命をすり減らしてまでか?」 えぐるような言葉を、一つ一つ選んでつむいでいく。一言一言口に出すたびに、心に刺さる。 「犠牲を負ってまで生かされた、その体に宿った、残り少ない命の」

2015-06-09 21:22:38
ヘリオ/540 @tkmy_pnkr

@kosyuken 「……そう、ですよ。」声が震える。更に両手に力が籠もる。「それが、私の、治癒魔法師にできることだから。……残りの時間は、私が持ってるもの全部で、大切な人たちを癒して、守って、生かすために使うって決めたんです。」口元が笑みを形作る。

2015-06-09 21:31:20
まだ生まれていないアルティール@連合 @kosyuken

@tkmy_pnkr 「だが、それだけじゃない」 本心である事はわかっている。だが。眼を背けている事実を、突きつけなければならな。 「君は、自分が生きているのが間違っていると思っている。生きるべき人間と、混沌に生かされた自身を。だから、本当に生きるべき人間を、癒そうと思っている」

2015-06-09 21:36:13
ヘリオ/540 @tkmy_pnkr

@kosyuken 「そんなこと、ないです。」落ち着いた声で、否定する。「……確かに、魔法で普通のフリをするのは良くないと思ってますよ。でも、こんなに楽しくて、嬉しくて、幸せで……夢みたいで。間違ってるだなんて思いたくないです。だから、そんな風に考えるのはやめたんです。」

2015-06-09 21:42:49
まだ生まれていないアルティール@連合 @kosyuken

@tkmy_pnkr 「……そうか……悪かった」 表情を緩め、微笑で返す。 「なら、今の君に問おう。君はもし、長く生きられるのなら、それを望めるか?」

2015-06-09 21:46:19
ヘリオ/540 @tkmy_pnkr

@kosyuken 「お師匠から話、聞いたんですね。……その方法での延命なら、するつもりはありませんよ?」顔を上げて、笑う。「そんな、死んでるのと変わらない状態で、迷惑かけて心臓だけズルズルと動かし続けるくらいなら、今ここで死んだほうがずっとマシですね」

2015-06-09 21:51:52
まだ生まれていないアルティール@連合 @kosyuken

@tkmy_pnkr 「無論、ずっとそうしつづけてもらうわけには行かないだろうな」 表情を、改めて引き締める 「活動時間を決めて、その間起きて動き、休んでいる間は魔法を切る。出せる折衷案は、このぐらいだ……」 顔を伏せる。 「……はは、出せた案だって、根本的な解決にはならないや」

2015-06-09 21:56:03
ヘリオ/540 @tkmy_pnkr

@kosyuken 「……どうして、そこまで私の寿命なんかに拘るんですか?」笑顔のまま、問う。「折衷案なんて、要らないですよ。生きてたら、いつか必ず死にます。人間は弱いから、こんな世の中だし尚更、いつ死ぬかなんて誰もわかんないです。わかんないままじゃダメなんですか?」

2015-06-09 22:02:44
まだ生まれていないアルティール@連合 @kosyuken

@tkmy_pnkr 「……あと10年、一緒にいられればさ、それでいいと思ってた」 顔を伏せたまま、答える 「……でもな、それじゃ、嫌なんだ。もっと一緒にいたい、もっと一緒に笑い合いたい、もっと一緒に過ごしたい」 顔を上げる。 「確かに、人はいつか死ぬだろうさ」→

2015-06-09 22:07:29
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