- rainy_december
- 1769
- 1
- 0
- 0
皮膚を突き破るコレは骨なのか。どろりと流れる赤黒い液体は彼の美しい肌も髪も汚して虚ろな瞳は真っ直ぐとこちらを見ていた。喉が潰れたのかもう声は届かない。ああ、あんなに「煩い」と思っていたのに…もっとちゃんと聞いていればよかった【髭膝】 twitter.com/odai_bot00/sta…
2016-04-15 02:58:13折れてしまいそうな細い体躯。白い肌に映える桃色の唇に宝珠のような深紅の瞳。美しい銀糸の髪がまとわりつくその天狗はまさに「完璧」だった。その白い素肌に自分のものだという証を付けたくて仕方がないと、お前様は気付いているだろうか。【岩今】 twitter.com/odai_bot00/sta…
2016-02-09 04:17:05「いっしょにおれてくれますか?」ふわりといつもと同じ笑顔でそんなことを言う、いじらしいこの短刀の身体は僅かに震えていた。戦に出る度に怖いのだと訴える。でも自分は武具だからと奮い立たせて、今日もその小さな身体を戦場に置くのだ。【岩今】 twitter.com/odai_bot00/sta…
2016-02-09 03:55:02ぱきぱきと身体が音を立てる。「最期」を知らせる音。冷えて氷のように砕けてしまいそうなのに、どうしてかふわりと温かい。壊れかけのぼくを抱きしめた貴方は「独りでは逝かせん」と呟いた。あぁ、義経公、弁慶…今二人でそちらに逝きます。【岩今】 twitter.com/odai_bot00/sta…
2016-02-09 03:28:57目尻にさした紅も、鳴る下駄の音も大好きだった。特にふわりと香る花の香りがぼくを掴んで離さない。ふと、岩融が横を通り抜けた時に、同じ花の香りがした。君と同じ、スイカズラ。少しだけ、切なくなった。【岩今←小夜】 twitter.com/odai_bot00/sta…
2016-02-06 14:09:40おおきくて、こわいとおもった。「べんけい」のなぎなた。むかし、ぼくたちはともにたたかったはずなのに、かれがぼくをみるめはつめたく、ちかよりがたかった。のちにきいたはなしだが、いぜんここにはほかの「いまのつるぎ」がいたそうだ【岩←今】 twitter.com/odai_bot00/sta…
2016-02-04 02:13:38膝から崩れ、両腕はだらしなく下がる。力が入るはずもなく、ぴしぴしと貰った身体にヒビが入る感覚。痛くはないが「終わる」のだと思った。頬を伝う温かいものは涙といっただろうか。最期、自分は貴方の役に立てた?…最期まで、綺麗だった?【清光】 twitter.com/odai_bot00/sta…
2016-02-04 01:53:11手足があって、言葉が交わせる。触れれば温かさを感じて、胸がほっこりする。ただひとつ、愛しい主がここにはいない。哀しみにくれるそんなぼくを見て、あなたはそっと微笑むのだ。少しだけ、この世界を生きようと思えた。【岩今】 twitter.com/odai_bot00/sta…
2016-02-04 01:36:40ごめんねと、あるじさまのくちびるがうごいた。ふしぎとこわくはないのです。つぎにひかりをかんじるのはぼくではなくて、いとしいあのひと。そう、ぼくは…あなたとひとつになることをえらんだのです。ぼくのはがねは、あなたのなかでいきる【岩今】 twitter.com/odai_bot00/sta…
2016-02-04 00:15:53向けられた笑顔が眩しくて触れた手が温かかったから。惹かれる理由などこのくらいで十分。高い所からこちらを見下ろす君は美しい銀の鳥に見えた。この手で捕まえて、籠に入れてしまうことができたらなんて、そんなことを考えてしまうのだ【小夜→今】 twitter.com/odai_bot00/sta…
2016-02-03 03:37:22ひとつ、ふたつ、夜空に浮かぶ光を数えて祈りをこめた。明日かもしれない、明後日かもしれない、貴方が私を迎えに来てくれる。もしかしたら、もう二度と逢えないのかもしれない……不吉な言葉は飲み込んで、今夜も夢に潜るのだ。【岩←今】 twitter.com/odai_bot00/sta…
2016-01-02 13:00:33「よしつねこう」と唇が動く。温もりを求めて胸元に滑り込んでくる小さな身体を抱きしめて、「大丈夫」と数回唱えると不安そうな震えは止まった。ただ、二振りきりで、生きていくのだと、今夜も愛しい身体を抱きしめて思う。【岩今】 twitter.com/odai_bot00/sta…
2015-10-07 03:05:10「だきしめられた」のだと思った。愛しく、憧れた彼の懐は暖かくて、まどろむ瞬間に目の前が真っ赤になって目が覚める。「夢だ」と認識しても止まない汗が、先程感じた暖かさを掻き消すように身体を冷やした。【今剣】 twitter.com/odai_bot00/sta…
2015-09-26 07:03:22なんとなく処分できずにいるナイトレイの家紋入りの小型銃。そっとこめかみにあてると無機質な固い感触がした。引き金なんて、引けない癖にと笑うと同時に涙が出た。【エリリオ】 twitter.com/odai_bot00/sta…
2015-09-04 00:38:59ぶんっと乱暴に振り回される薙刀をかわして、ひらりと切っ先に降り立つ。休む間もなく二度目に振り下ろされるのをまたいとも簡単に避けると当たらない攻撃にも関わらずに貴方は笑っていた。「つぎはこっちのばんですよ!」【岩今】 twitter.com/odai_bot00/sta…
2015-08-23 09:52:41崩れてしまう。風が吹けばすぐにでも灰になってしまいそうな身体を自分自身で抱き留めて、「もう少し」と願った。最愛の兄に看取られることを望んだのは自分なのに、何故か頭の片隅には小さな僕の主人が居座っていた。【ヴィンリオ】 twitter.com/odai_bot00/sta…
2015-08-23 09:49:15「寄るな」「消えろ」「あっちいけ」「邪魔」「ほっといて」「出てけ」「死んで」投げかけられる言葉を全て笑顔で受け止めていたら、貴方は最後「勝手にしろ」と甘やかしてくれたのです。辛抱した甲斐がありました。【ヴィンリオ】 twitter.com/odai_bot00/sta…
2015-08-19 18:56:10ちくりと痛む首筋と白む視界。ふわふわして、立っているのもやっとだというのに痛みの根源は容赦などない。これで君が少しでも長く生きられるなら、と言い聞かせて、引換に僕は「愛」を貰うのです。【エリリオ吸血鬼パロ】 twitter.com/odai_bot00/sta…
2015-08-07 00:43:29死んでもいいと思って過ごした孤児院時代。そこから無理矢理光の中へ手を引いたのは他でもない君だ。君が、僕の生きる意味になった。それを失くした今、地に立つことすら苦痛だというのに、のしかかる「主」という重圧。全く吐き気がする。【リーオ】 twitter.com/odai_bot00/sta…
2015-08-06 01:38:10毎夜の過呼吸発作が主の心の傷の深さを表していた。額に浮かぶ汗を拭って荒れる息が整うように口元でゆっくりと平常の呼吸を促してやる。「僕に合わせて下さい」と、日課になった声かけに主は素直に応えた。全くもって義弟が羨ましい。【ヴィンリオ】 twitter.com/odai_bot00/sta…
2015-08-05 23:57:29大きな声で怒鳴る姿と、繊細な指遣いで鍵盤を叩いて音を奏でる姿のギャップ。険しい面持ちで剣の稽古に向かったり、路地の猫に微笑んだり、穏やかに本を読んでみたり、くるくる変わる表情がとても好きだった。【エリリオ】 twitter.com/odai_bot00/sta…
2015-08-05 23:46:19「そうそう、そうやって掬うんだよ」「…むずかしいです」「はは、箸にだって慣れるさ」竹を半分に割って繋いだ上を氷で冷やされた水と共に絹の糸のように細い麺が滑る。わらわらと短刀が集まるそれは、審神者が本丸に設置した流しそうめんだ。 #1ファボごとに書く予定のない小説の一部分を書く
2015-07-31 14:50:49くだらないワガママを、必死な顔で聞こうとするのが滑稽で。無視してしまえばいいのに構ってしまう。「なあ石垣くん、缶のお汁粉飲みたい」君は笑って駆け出していく。今は真夏だ、そんなものあるわけがない。それなのに嬉しそうに。 #1ファボごとに書く予定のない小説の一部分を書く
2015-07-30 08:46:06がたんと音を立てて椅子が倒れる。耳を塞いで首を振って、それでも君は「いいから聞けよ!」と叫んでくる。いやだ、いやだ、その先を絶対に訊きたくない。僕は従者で、君は主人で、それ以上でも以下でもない。そう、特別な感情なんて…… #1ファボごとに書く予定のない小説の一部分を書く
2015-07-30 00:17:11「お前がいらないんならさ、俺が貰っちゃうよ」棒付きの飴玉を咥えてにやりと笑うそいつは、まんざらでもない表情で遠くの及川を見た。その宣戦布告とも、冗談とも取れる台詞に困惑し返答に悩んでいると、そいつは声を上げて笑った。 #1ファボごとに書く予定のない小説の一部分を書く
2015-07-29 18:42:55