縁側三日月の定期じゃない日常(4)

縁側で皆の帰りを待つ三日月宗近 @engawaMKZK

今し方、昨晩大阪城地下に向かったまま連絡が付かなかった鶴丸から『もう皆疲れたから一度本丸に帰ろうっつってんのに、「貴方の限界はこんなものですか」「まだやれるでしょう」「振り絞ってください」と一期が松岡修造ばりの応援してくるから帰投できない』との通信が入った

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鶴丸「あー･･･疲れた･･･」 俺「はは、大義だったじゃないか。良かったな、夕餉までに博多を見つけられて。今日は水炊きらしいぞ」 鶴丸「誂えたみたいに福岡料理･･･」 燭台切「？、誂えたというか一期くんに頼まれましたから」

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燭台切「昨日の夕方、出陣する前に『必ず博多を連れて帰りますので明日の夕餉はあの子が喜びそうな郷土料理をお願い出来ないでしょうか』って」 鶴丸「あいつ最初から捕まえるまで帰る気なかったんじゃねぇかちくしょう」

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昨日から我が本丸に加わった博多藤四郎が「長谷部今なんしとーと？俺も24時間働けるけん！お手伝いすうよ！」と長谷部の後ろをついて回った結果、昨晩は久々に日が変わる前に長谷部が就寝していたし、飯時以外は常に仕事していた長谷部が1時間おきに休憩時間を設けるようになった。

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平野「長谷部さん、何かお手伝い出来ることはないですか？」 長谷部「そうだな･･･この書類を主に届けて貰えるか。手すきの時間に目を通して頂くだけで良いとお伝えしてくれ」

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秋田「長谷部さんっ何かお手伝いすることないですか？」 長谷部「なら、すまないがこの用紙に書いてある品の在庫を見てきて貰えるか。あと薬研にも声をかけて、足りない物はないか聞いてきてくれ」

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五虎退「あ、あの、長谷部さん、僕にもなにか、僕に出来ることがあれば、」 長谷部「有り難う五虎退。お前は大倶利伽羅の処に行って、昨日の馬の体調管理記録はいつ提出するつもりか聞いてきてくれるか。今日の夕餉までに出さなかったら1週間大浴場とトイレ掃除だとも伝えてくれ」 博多「･･･」

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博多「長谷部！、さん･･･、なんか･･･なにか俺も手伝っちゃろう、手伝いま、しょう、か」 長谷部「なんだその不思議な言語は」 博多「む」 長谷部「無理して標準語に合わせなくて良いから、こっちで領収の計算を手伝え。計算は得意だろう？」 博多「任せえ！俺は商人の刀ぞ！えへへ」

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就寝前に火の元栓確認に厨に来た燭台切「･･･？、三日月さん？」 俺「、光忠」 燭台切「こんな時間に電気もつけないでなにしてるんですか･･･あ、まさかつまみ食いとか」 俺「してない。･･･晩酌でもしようかと思ったんだが･･･その、何が何処にあるのかわからなくてだな･･･」

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燭台切「晩酌なら声かけてくれればおつまみくらい用意したのに･･･はい、お酒はこっちの棚です。なに持って行きます？」 俺「美味い夕餉を鱈腹食べたからな、つまみは要らない気分なんだ。･･･ふむ、じゃあ左端のやつ貰って良いか？」 燭台切「左･･･左、と。あ。」

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燭台切「流石、三日月さん。的確に良いの選びますねー」 俺「そうなのか？まぁ、光忠が良いと言うなら間違いないな、安心して呑める」 燭台切「･･･三日月さんは人を褒めるのが上手ですよね」 俺「上手というほどでもない。本心を口にしているだけだからな」 燭台切「(･･･罪作りだなぁ)」

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俺「それじゃあ、盃も借りていくな」 燭台切「酒の肴、本当に無くて大丈夫ですか？有り合わせで良ければすぐ出せますよ？」 俺「いや、いい。悪いな、気を使わせて」 燭台切「お気になさらず。あ、晩酌はいいですけど、あんまり呑みすぎないで下さいね」 俺「ふふ、心配有り難う。心に留めておく」

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鶴丸「お？光忠お前まだ厨にいたのか」 燭台切「あれ？鶴丸さん？三日月さんと一緒じゃないんですか」 鶴丸「はあ？別におはようからおやすみまで一緒じゃねえよ」 燭台切「いや、そうじゃなくて。さっき三日月さんが晩酌するってお酒と盃２つ持ってったんで、てっきり鶴丸さんと呑むものとばかり」

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燭台切「うーん、小狐丸さんは任務疲れで早めに寝てたし、岩融さんも今剣くんと寝所に帰ってたし、石切丸さん…獅子王くん…鶯丸さんもなくはない…大穴で一期くんとか」 鶴丸「予想ダービーかよ。はいはい、相手なんか明日にでも確認すればいいだろ。お子様は寝た寝た」 燭台切「えー」

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俺「･･･」 鶴丸「おーおー、月も出てないのに晩酌とはまた酔狂だな」 俺「！、鶴丸」 鶴丸「邪魔するぞ。･･･で、今夜はなんの酒だ」 俺「弔い酒だ、以前の主の」 鶴丸「あー･･･足利の、」 俺「ふふ」

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鶴丸「･･･ふーん、お前は主とか拘らないタイプかと思っていたが」 俺「どの時代の主も皆素晴らしい御方ばかりだぞ。皆俺の事を大切にしてくれた」 鶴丸「だろうな」 俺「しかしまぁ、義輝はまた格別だな」 鶴丸「そうなのか？」 俺「天下五剣皆、畳に刺されたのは初めての経験であったからな」

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鶴丸「へぇ…つーことは、だ。お前が不殺の刀だってのはデマか」 俺「ふふ、どうだろうなぁ」 鶴丸「そこははぐらかすのかよ…」 俺「まぁまぁ、俺の話はいいさ。折角来たんだ、お前も呑んでいけ」 鶴丸「…弔い酒じゃなかったのか」 俺「気が変わった。辛気くさいのは俺の好みではないしな」

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獅子王「夕餉だー！」 燭台切「あ、獅子王くん。夕餉、リクエスト特にないって言われちゃったから勝手にしちゃったけど良かったの？せっかく祝い事なのに」 獅子王「うーーん、リクエストって言ってもなぁ～。俺、なんでも美味しいし」 燭台切「ふふ、好き嫌いがないのは良いことだよね」

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燭台切「とりあえず主菜はお肉たくさん用意したからいっぱい食べてね」 獅子王「やったぜ肉ーーー！！」 燭台切「ああ、あとこれも」 獅子王「？、･･･玉子焼き？」 燭台切「ほら、祝い事だし、他の皆よりちょっとだけ優遇ってことで」 獅子王「！！、有り難う光忠！今食べて良い？！」

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燭台切「別に良いけど立ち食いは行儀悪いよ、って、ああ」 獅子王「！、美味い！、けど、ん？？」 燭台切「？、どうかした？」 獅子王「･･･これ作ったの光忠？三日月のじいさんじゃなくて？？」 俺「！！、」