そういえば、女性のほうが男性よりもおしっこを我慢する能力が低いんだよな。って思ったので、積極的に曙ちゃんに利尿剤を飲ませていきたい。
2015-07-09 21:12:15鎮守府で海軍のお偉いさんが集まるパーティーが開催される事になり、提督の秘書官として正装のドレスに身を包み次々やってくる来賓への挨拶という大事な役目を任された神通さんに当日こっそり利尿剤入りのお茶を飲ませておく話?(長い)
2015-07-09 21:20:25「ようこそ、秘書艦の神通です」 提督の隣で笑顔で高級将校たちに愛想をふりまく神通の膀胱は、すでに限界を超えつつあった。 ――どうして、こんな時に! 「神通、少し疲れていないか?」 「いえ、ご心配なく」 神通はこの時ばかりは自分の性格を呪った。提督に助けを求めるべきだったのだ。
2015-07-09 21:23:25「そうか、あと20分もすれば落ち着くからそれまで頑張ってくれ」 「わかりました」 具体的な時間を知ってしまった神通は、思わず緩みそうになった括約筋に力を入れた。 『挨拶ばかりになって喉が渇くだろうから、お茶を飲んでおくように』 と渡されたお茶を全部飲んでしまった自分の落ち度だ。
2015-07-09 21:26:53――あと、20分、耐えるのよ、神通。 そう自分に言い聞かせ、神通は顔を上げた。 「ようこそ中将、お待ちしておりました」 「秘書艦の神通です」 「あぁ、君が噂に聞く"鬼神"か。前の作戦で姫と一対一で勝ったというのは本当かね」 ――お願い早く終わって! 神通は祈ることしかできない。
2015-07-09 21:30:01「ありがとうございました」 「うむ、これからも頑張ってくれたまえ」 中将の自慢話、昔話、ついでに説教のフルコースから解放されるのにたっぷり15分を要した。 「いやぁ、相変わらず中将の話は長いな……いい人なんだけど……神通、熱でもあるのか、顔が赤いぞ」 「あの、提督、御手洗に……」
2015-07-09 21:34:03漏らしてしまう恐怖とそれから自分と提督のするであろう恥ずかしい思いを想像しただけで神通の鼓動は早くなり、頬を赤く染める。 「なんだ、それだったら先に言ってくれればよかったのに」 「申し訳、ありません……わたし、もう……っ」 「あぁ、行って来い、トイレはそこの角の先だ」
2015-07-09 21:38:03「すぐに戻りますっ!」 荒削りな敬礼を残し、神通は駆け出す。危険水位をとっくの昔に超え、結界寸前の下腹部の中身がたぷたぷと揺れているのが自分でも解った。 「あっ!?」 絨毯と床の段差が神通のつま先に引っかかり、神通はつんのめる。彼女の鍛えぬかれた体は即座に受け身をとった。
2015-07-09 21:42:02「あっ、あぁ、あぅ……」 転倒の衝撃は、神通が守りぬいていたものを決壊させるには十分だった。 淡黄色の水たまりが広がり、アイロンがけしたスカートを、太ももを、そして床についた手を濡らしていく。 「神通っ! 間に合わなかったか……」 「うぅ、あっぐ……見ないで下さい、提どぐぅっ!」
2015-07-09 21:45:11恥ずかしさのあまり神通は顔を覆った。 鼻をつくアンモニア臭が自分の”粗相”を改めて実感させ、彼女の心を抉る。 「ひっ、うっぐ、あぅ……」 「神通……」 戦場ではいかに困難な状況でも解決策を編み出して生き残ってきた神通は、黄色い水たまりの中ですすり泣くことしか出来なかった。
2015-07-09 21:50:01「うぅ、提督……ごめんなさい」 「何を謝ってるんだ、神通」 提督の声が耳元で聞こえた。 「怖い夢でも見たのか? ずっとうなされていたぞ」 「へっ、あれ!? 提督が二人? わたし、なんで?」 「君が寝ぼけるなんて珍しいな」 寝巻き姿のままの提督が優しく笑いかける。
2015-07-09 21:54:41正装のはずだった提督は寝巻き姿で、ここは提督の寝室だ。 「夢……?」 神通は太ももを濡らした生ぬるい液体も夢だったのだろうか。 布団をめくって起き上がろうとした神通は自分の下腹部のあたりに冷たく濡れた感触を感じた。 「あっ、あっ、あ……」 「神通、大丈夫か?」
2015-07-09 21:58:15あれは悪夢などではなかった。 「さっきからトイレみたいな臭がするんだ。どこかで下水が漏れてるのかも知れない。ちょっと見てくるよ」 これから始まる惨劇の、ほんの前奏曲だったのだ。 「提督、私、あの、お……」 「お?」 「おもらしを、して、しまいました……」 「へ?」
2015-07-09 22:01:04