【刀剣乱腐】ときめきは誰のせい【いちみか】

腐注意、BL注意。 みかちかが女々しいです。 目指せ少女漫画テイスト。
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のむら まるの @_maruno_

貴方はののりのいちみかで【 ときめきは誰のせい 】をお題にして140字SSを書いてください。 shindanmaker.com/415755 可愛く少女漫画風・・・になってたらいいなw

2015-07-09 15:07:38
のむら まるの @_maruno_

【いちみか】「相談? どうしたのかな」「その、誰かのことを考えてるとこう、心の臓あたりが掴まれたように苦しくなったり、その人を見ていると動悸がし出したりするのだ。こ、これはいったいどうすれば」「それはときめき、というやつかな?」「とき、めき…」「して三日月、そのお相手は誰だい?」

2015-07-09 15:08:01
のむら まるの @_maruno_

【いちみか続】ときめきを感じる相手の名前を問われ、脳裏に浮かぶは空色の明るい髪、透き通ったお日様色の瞳。けれどその名前は口に上らず、三日月の顔を赤く染めただけで「ひ、秘密だ…」「おやおや」これは今夜あたり、小狐丸に相談しなくては、などと石切丸が思っていることを三日月は知らない。

2015-07-09 15:10:26
のむら まるの @_maruno_

【いちみか続】「小狐丸、相談があるのだけれど」話し出した石切丸に小狐丸はあっさり頷いて「あぁ、相手はきっとかつての背の君とやらでしょう」面白くなさそうな声。この保護者気取りが気付いていないわけはないのだ。だからこそ、三日月も相談相手として選ばなかったのだろうが「して、どうする?」

2015-07-09 15:29:57
のむら まるの @_maruno_

【いちみか続】「どうするも、相手にはその時の記憶は無いらしい…三日月も詳しくは話そうとしません」様子見で構わないだろう、というのが結論だ。だが「何か嫌な予感がするけれど」「同感ですが…今のうちにどんな男かを改めて確かめておきますか?」二人の知らない所で勝手に話が進んでいく。

2015-07-09 15:33:22
のむら まるの @_maruno_

【いちみか5】「いち兄、今日も小狐丸さんが見てるよ?」「あぁ、気にしなくて良いよ」「どうして? 何してるのかなぁ…」「おそらく…彼らの宝物に私がふさわしいかどうかを見定められているのではないかな」「宝物? 見定める?」「気にしなくて良いよ…ほら、打ち込んでおいで」「…はぁい」

2015-07-09 15:36:57
のむら まるの @_maruno_

【いちみか6】「あまい!」石切丸と小狐丸が小さな今剣に叱り飛ばされて大きな体を小さくする「それで、ながめてどうするんですか? どうせあいつにケチをつけたところで三日月があきらめるわけないでしょう!」「……はい」もっともな指摘に大きな保護者二人は顔を見合わせて黙るしかない。

2015-07-09 15:53:16
のむら まるの @_maruno_

【いちみか7】「かくなるうえは、あいつがクズよりはマシということにして、いかに三日月にしあわせになってもらうか、です!」びしっと指を突き付けられ、今剣の説教はまだ続く。例をだして色々と語り、二人の足が正座で痺れてきたころ「というわけで、あいつにガツンといってやらねばなりません!」

2015-07-09 15:56:17
のむら まるの @_maruno_

【いちみか8】今剣が一期のところに怒鳴り込む、少し前。三日月はぼんやりと庭の花を眺めていた。石切丸に相談してから"ときめき"とやらを意識するようになって、これまで以上に一期を見ていると目が合うようになってしまい、なかなか胸の動悸…ときめきが止まらない「どうしようかのぉ…」

2015-07-09 16:58:11
のむら まるの @_maruno_

【いちみか9】「どうしました、何かお悩みですか」「うむ、少々困っておっ…てっ?!」素直にぽろりとこぼれかけた言葉の後半は、振り返ったとき視界いっぱいに広がった穏やかな笑みにかき消された「い、一期一振か。ぬしこそどうしてこんなところへ」裏返る声で助けを求めて周囲を見ても誰も居ない。

2015-07-09 17:04:58
のむら まるの @_maruno_

【いちみか10】朱のさした目元を隠すように俯き、一期から顔をそむける三日月にもう一歩近づいて「貴方が何かお悩みのようでしたので、気になったのです」「そ、そうか」目の前にいる相手を見ると動悸がするなどという相談を本人に出来るはずもなく、近づかれるほど三日月の心臓が煩くなっていく。

2015-07-09 17:10:34
のむら まるの @_maruno_

【いちみか11】「私では貴方のお力にはなれませんかな」「…いや…うむ…」曖昧な返事をしながら、ちらりと一期に視線を戻せば「…っ!」俯いた三日月を覗き込んでくる一期の顔が、思ったより近くてびくりと身体が震える「大丈夫ですか」「あ、あぁだいじょう、ぶ…だ」必死でごまかす。

2015-07-09 17:24:43
のむら まるの @_maruno_

【いちみか12】「そうですか、では良ければ私の悩みを聞いていただけませんか」「おまえs…一期一振でも悩むことがあるのか?」「ふふ、もちろんです」「ふむ、よかろう。俺でよければ聞くぞ!」ときめく相手の力になれるならば、と安易に頷く。が…「実は、気になる方が居るのです」「…ぇ…?」

2015-07-09 17:31:08
のむら まるの @_maruno_

【いちみか13】まさか恋の相談を自分が受けるとは思いもよらなかった「その方を見ていると、とても気持ちが暖かく…熱くなって、お護りしたいと思うのです」「…そ、そう、か…」どんな顔をしていいのか分からなくて、余計に俯く「近頃は時々目があって…そのたびに抱きしめたくなって困っています」

2015-07-09 17:34:34
のむら まるの @_maruno_

【いちみか14】「ここ数日はよく何か悩まれた顔をされていて」…いやだ。「力になれたらと思っているのですが」…聞きたくない。「なかなか声をかける気概がなく…情けないでしょう?」…そんな気概、ずっとなければ良い「三日月殿?」「…ぁ」顔を覗かれそうになってそむけた拍子に涙が一つ落ちた。

2015-07-09 17:38:06
のむら まるの @_maruno_

【いちみか15】「?!…何故」「み、見るなっ」三日月の肩にかけようとしていた手が払われる「あっ、さがしましたよ、いちごひとふり!」背中を向けてしまう三日月の肩を抱こうとした一期に、遠くから声がかかる…間が悪い「…あっ?! 三日月をなかせましたね?!」「これは」「いいわけむよう!」

2015-07-09 17:42:47
のむら まるの @_maruno_

【いちみか16】「じょうきょうがかわりました、石切丸、小狐丸、三日月をつれてたいきゃくです!」「なっ?!」一期が三日月に伸ばしていた手は今剣に叩き落とされ、三日月は小狐丸に抱えられるようにして連れて行かれるのを、肩を石切丸に抑えられ追うことが出来ない一期が見送る「すまないね」

2015-07-09 17:57:21
のむら まるの @_maruno_

【いちみか17】「三日月、いいかげんなきやみなさい!」「何があったのか話してもらえないかな」「甘味を貰ってきました」膝を抱えて泣き続ける三日月を取り囲む面々がそれぞれ勝手なことを言う。三日月が皆に伝えたのは「一期は悪くない」ということくらいで、それ以外は会話になっていない状態だ。

2015-07-09 18:00:26
のむら まるの @_maruno_

【いちみか18】「困ったな…」「これは、あいつにといただすしか、なさそうですね」わざとらしく大きな声で言う今剣に、ぴくりと三日月の肩が震える「…一期は悪くない…」くぐもった声が反発する「それなら何で泣いているのかな。言ってくれないと殴り込みに行きそうな小狐丸を抑えるのが大変だよ」

2015-07-09 18:14:02
のむら まるの @_maruno_

【いちみか19】「…い、一期には想い人がおるのだ」三日月を囲む三人がそれぞれ顔を見合わせる「一期の幸せを応援したい、のに…どうしても喉の奥の更に奥が痛い…」涙でぐしゃぐしゃになった顔を三日月があげる「これも、ときめき、というやつなのか? 石切丸」「それは…」誰も答えられない。

2015-07-09 18:23:46
のむら まるの @_maruno_

【いちみか20】「あれ? 小狐丸はどうしました?」「おや、いつの間にか」今剣と石切丸が視線で確認しあう。これは一期のところへ殴り込みに行ったな…。予想は難くないが、泣いている三日月に言うことではない。「おまえさま…それでも俺は」独り言を我慢しなくなった三日月の言葉がこぼれていく。

2015-07-09 18:36:16
のむら まるの @_maruno_

【いちみか21】泣き疲れて眠る三日月は今剣を抱き枕代わりに眠ってしまった「小狐丸はどうしました?」「手入れ部屋に居るようだね」「…あいつにまけたんですか、まったくなさけない」練度の違い棚上げして小声で怒る「一応名目は鍛錬だったらしいけどね」「こんどきたえなおさないと」

2015-07-10 03:08:43
のむら まるの @_maruno_

【いちみか22】翌早朝、三日月は鏡に映る自分の顔を見てため息をついた。泣きはらした顔はむくんでいて見れたものではない。美しい以外に取り柄がないのに、これではどうにもならない、と顔を洗っても引かない腫れをどうにかすることを諦める「一期」あんなに泣いたのに名前を口にすればまだ切ない。

2015-07-10 03:12:13
のむら まるの @_maruno_

【いちみか23】「…いちご」もう一度、そっと名前を口に乗せる「はい、何でしょうか」「?!」気がつけば鏡に当人が映っていた「いいいいったいいつからそこに」慌てて顔を隠しても遅いとは知りつつ袖で抑える「つい今ほど。…どうされたのですか」「どうもしない」頼むから優しくしないで欲しい。

2015-07-10 03:14:38
のむら まるの @_maruno_

【いちみか24】顔を隠してしまった三日月の肩がそっと暖かさに包まれる。それはとても優しい心地よさで、力を抜こうとした瞬間、一期に抱きしめられていることに気が付いた「やめ…」「ません」ささやかな抵抗もあっさり封じられる。じわりと湧き上がってくる嬉しさに、また目の裏が熱くなっていく。

2015-07-10 11:37:32