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akinosora_
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異世界から転生した「勇者」がベージュ色をした円筒で、地上から高さ150cmほどのところにくぼみを持ち、そこに聖剣を固定して高速旋回しながら魔物を切り刻む
2015-07-18 12:10:05
勇者がどのような感覚器や頭脳を備えているのかは分からない。ただ魔王とその配下である魔物を選択的に殺戮するそぶりはある。ただし攻撃してくる相手には容赦なく反撃する
2015-07-18 12:14:24
聖剣など、魔王を倒すために必要な武具として決まっているものを使う素振りは見せるが、実際には勇者の周囲に近づいたものを何であれ沸騰させ破壊する力の方が協力だ
2015-07-18 12:15:19
勇者の体表の光を読み取れる亜人の賢者がコミュニケーションを試みたが、出自に関して聞き出せたのは二進法であらわされた複雑な数式とおぼしきものだけだった。何らかの座標を示していると思われる
2015-07-18 12:16:51
勇者と魔王との戦いは熾烈を極めた。強大な魔力を操る魔王に対し、ついに勇者はこれまでになかった変化を見せ、円筒形を歪めて体表から無数の小さな円筒を突出させた。それぞれが焦点を合わせた標的に高熱を発生させる機構を備えているようで、魔王はむごたらしく炭化して死亡した
2015-07-18 12:19:30
使命を果たした勇者は立ち去った。奇妙な数式を後に残し。最後の瞬間、勇者の全身は人間にも見えるほど眩く輝き、高熱を発しながらまっすぐ空へと昇っていった。
2015-07-18 12:20:47
異世界から転生した二代勇者は、今度は人間の体に宿った。しかしその精神はあまりにも異質で、こちらの世界になじむことができず、口から泡を吹き、手足をありえない確度に折り曲げようとし、ぶざまにもがきのたうちまわった
2015-07-18 12:23:11
三代勇者は有望なものであった。やはり人の体に宿ったが、彼?は一人称として「我々」を使い、見事な適応を示した。三代勇者は短期間のうちに人体を掌握すると、
2015-07-18 12:24:44
勇者は通常の動物と同じくほかの動物を捕食した。彼等は守るべき人間とほかの動物の区別が困難らしく、悪気なくしばしば人間も肉団子にしてしまった
2015-07-18 12:27:46
だが勇者の増殖も分化も短期間のうちに終わった。強力な酸を弾丸のように打ち出す生態を獲得するようになった兵隊勇者の大群が古龍を襲い、駆逐したのだ
2015-07-18 12:28:49
勇者はその土地に恒久営巣地を作ることも考えたようだが、説得によりやはり去っていった。特殊な蜜蝋を固めた「船」のようなものを作り上げ、それに乗ってやはり空の彼方へ
2015-07-18 12:29:45
第八代勇者の転生による深刻な人口の減少から、王侯や賢者のあいだでは、もはや危機に際して勇者を召喚することを慎むべきではないかとする声が大きくなってきた。
2015-07-18 12:36:22