帽子男さんが綴る異世界転生勇者年代記

まとめました。
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帽子男 @alkali_acid

勇者の登場により、世界が蒙る傷は、それによってもたらされる利益を上回っているのではないかという疑いが、次第に色濃くなってきたからである

2015-07-18 12:37:00
帽子男 @alkali_acid

しかし、もはや召喚の術を用いずとも、勇者は招かれざるうちに転生してくるようになった。明確な脅威がない時代にさえ

2015-07-18 12:37:28
帽子男 @alkali_acid

複数の勇者が互いを魔王と認識して闘争するようになると、世界はもはや取り返しのつかない荒廃をたどり始めた

2015-07-18 12:38:14
帽子男 @alkali_acid

異世界から強大な存在が侵入してくることに対し、人々はもっと慎重であるべきだったかもしれない

2015-07-18 12:38:41
帽子男 @alkali_acid

第百五十七代勇者は、科学技術の進んだ世界からやってきた平凡な男で、火器を作らせ軍隊を整備し、疲弊した世界に君臨し、美しい女を掻き集めて後宮を建てた。ぞっとするような僭主として己が善政と信じる施策を押し付けたが、それに抗議するだけの気概はもはや誰にもなかった

2015-07-18 12:40:36
帽子男 @alkali_acid

第百五十八代~百八十三代勇者は、爬虫人から珪素生命までの脅威としては中程度の存在だったがもはや世界にはそれに耐え切れそうもなかった

2015-07-18 12:41:54
帽子男 @alkali_acid

これらの勇者は、第百五十七代の勇者の支配地を蚕食し、火器を持った軍隊を貪り食い、後宮を取り囲むと、女達を見捨てて逃げようとした百五十七代をもろともに生きながら八つ裂きにした

2015-07-18 12:43:21
帽子男 @alkali_acid

残りの人類が殲滅されるのも時間の問題に思ええた

2015-07-18 12:43:35
帽子男 @alkali_acid

だがその時、輝く円筒が天から降りてきた。遠い昔に残した数式を解読した一人の賢者が、魔力のすべてを使って呼びかけたのだ。初代勇者に救いを

2015-07-18 12:44:19
帽子男 @alkali_acid

初代勇者はすべての勇者を高熱で焼き殺すと、次元の穴を見張る物見を立て、山々の奥にある神殿に座して、人類を守護する番人となった

2015-07-18 12:45:20
帽子男 @alkali_acid

こうして世界は救われたのだ

2015-07-18 12:46:03
帽子男 @alkali_acid

確かに初代勇者はすごい。だが円筒のもたらした利益のあまりの大きさが、人々の心を曇らせ、勇者召喚を重ねる素地を作ってしまったのではないだろうか

2015-07-18 13:05:00
女児クローズドフォレスト @clo_naegi

できれば3代目くらいで気づいて欲しかった

2015-07-18 13:05:56
魚蹴/宮澤伊織 @walkeri

帽子さんがさらっと書いた異世界転生勇者年代記が最高に好みで歯軋りしている。そうだよ……こういうやつだよ……!

2015-07-18 13:26:27