アルトマーレ・イン・タソガレタウン ( #altasoga )
- _altcrane_s
- 1494
- 0
- 0
- 0
昨日寝場所に使おうとしたバス停に向かって歩きながら、おでこに力をかける…と言っても、周りから見れば眉間にシワを寄せているようにしか見えなかっただろう。 角は少しずつ短くなっていって、やがて消えた。 …角を隠すのには、毛皮を隠すよりずっと多くの時間を必要とした。 #altasoga
2015-07-22 22:00:21バス停のベンチに腰掛けると、もう一度おでこに力をかける。 最終的に元の大きさに戻ったが、やはり時間がかかる。 だいたい15秒くらいだろうか。 #altasoga
2015-07-22 22:01:34急に怪物に襲われることを想定して、角は出しっ放しにすることに決めた。 ベンチに寝そべり、毛皮を出して布団の代わりにする。 …自分から出ているものなので、毛布みたいなもふもふとした肌触りは感じられないが。 #altasoga
2015-07-22 22:04:41…これからどうしよう。 脱出を試みるにしても、情報が少なすぎる。 それに、怪物にならずに生き残るには、この角も、毛皮もこれだけでは頼りない。 …人間として生きるために、怪物の体を手に入れなければならないとは皮肉だが。 #altasoga
2015-07-22 22:19:09あれこれ考えるうちに、まぶたが重くなってくる。 …まあ、もう日も沈む頃だろう、もう寝てしまおう。 そのときだった、 #altasoga
2015-07-22 22:21:02毛皮がピンと逆立つ。 何か嫌な予感がする。なにかが近くにいるのかもしれない。 バス停の影から顔を出し、左右を見渡す。 特に変わったところはないが、気分が悪い、少し吐き気がする。 もう一度左右を確認すると、小走りでバス停を後にする。 #altasoga
2015-07-22 22:24:39昨日までより体が軽い、「角」が体内に入ったせいかもしれない。 墓と逆方向に道を駆けて行くと、静かな住宅街が見えた。 一度後ろを振り向き、なにもいないことを確認すると、ぼくは住宅街へと足を踏み入れる。 #altasoga
2015-07-22 22:29:04住宅地に足を踏み入れた途端、通りの向こうから乗用車が君を目がけ勢いよく走ってきた。《所持異形1つ以下なら保護される【魂+1】異形2つ以上で轢死【魂-2/異形『半透明(探索+3、力-3)』を入手】》 #黄昏町の怪物 shindanmaker.com/541547 #altasoga
2015-07-22 22:30:13どこからか車のエンジン音が聞こえる。 そういえば、この町に来てまだ一度も、乗り物というものを見ていない。 エンジン音は徐々に大きくなっていく。 通りの向こうから車が見えた。邪魔にならないよう、道の端に移動する。 #altasoga
2015-07-22 22:33:15山に何かいるのなら、住民は何かしらの対策手段を用意しているだろう。 例えば、山からの道のすぐそばに車を待機させておくとか。 それに今のぼくの見た目は毛皮に二本の角、安っぽいが十分怪物に見えるだろう。 #altasoga
2015-07-22 22:38:53そもそも昨日の時点で出しっ放しは危険じゃないかと気づいていたくせに。 ぼくは自分の間抜けさを呪う。 角だけならまだしも、毛皮は目立ちすぎる。 両方見えればもう怪物だ。 #altasoga
2015-07-22 22:44:39